日曜日の選挙は一自治体の選挙ながら、注視しておりました。結果はご存じのように、都民ファーストの会が過半数の議席獲得で圧勝。自民党は大幅減の惨敗となりました。
面白いのは有田芳生参議院議員のような民進党議員で、この結果を大喜びしているんですね。民進の負け方は自民どころではないのに。結局、味噌がクソでも、安倍自民が負ければ何でもいいのでしょう。
思い知ったのはメディアの力でした。ここまで執拗に豊洲と加計などで、デマ攻撃し続けるとは思いませんでした。いずれも一次資料を確認すれば、前者は小池都知事のミスリードが原因であり、後者はそもそも民主党マターであり、文科省が仕事をしていなかったために起きたことがわかる案件です。
選挙がマスコミに操られる民主主義の危機
私の周囲の人に聞いてみても、現政権の評価は低下していて、なぜなのかと質問してみると「悪いことをしている」と返ってきたので、「どういう悪いことで、どういう法律に触れるのか?」と聞き返すと、「テレビや新聞でこれだけやっているのだから」ということでした。今の時代、その気になれば一歩も動かなくてもたどり着ける情報はたくさんあります。ただ、その情報にたどり着こうとする人は少ないということです。
これで味を占めた朝日新聞と毎日新聞、テレビ朝日などは、さらに世論をコントロールすることになるでしょう。選挙がマスコミに牛耳られる由々しき事態です。先のエントリーで戦前に似ているというのはこういう煽動できる状態のことなのでした。
自業自得の東京自民
ただ、敗北が自民の自業自得であるという面もあります。得票数を見てみますと、候補者を複数立てた選挙区で共倒れしているケースが目立ちます。候補者の調整を行わなかったのでしょう。それができていれば、惜敗ぐらいにはなったかもしれません。
東京自民は危機感が薄すぎたのではないでしょうか。だから、前回に準じた基準で候補者を立てたのではないかと。それに、豊洲の件で反論しなかったのが最大の敗因だと思います。元々、豊洲新市場に瑕疵はありませんでした。
知事が「盛り土をしていない」と問題視した時点で「安全性やメンテナンスのために、ほとんどの大型施設に地下ピットが設けられている」と言うべきでした。「地下が汚染されている」という発言に対しては「地下ピットがあるからこそ、その上の建物の中は安全」と言うべきでした。
これは安倍政権でも同じで、加計問題がこんなに大事になるとは思っていなかったのでしょう。だから、当初はまともな対応をしてきませんでした。後になって、議会でも総理による「あれは元々民主党が~」という反論もありましたが、メディアがろくに採り上げないこともあり、あまり意味がありませんでした。
ただ、それまでも説明していなかったかということはなく、たとえばこの時も
平成29年5月25日(木)午前
http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201705/25_a.html
菅官房長官が説明しています。それをメディアが報じないだけです。朝日や毎日の中にも、この問題の真相を知る者はいるでしょうが、そこが意図的に採り上げないのですから、政府としてどんどん発信していけばいいのではないかと思います。今の時代、ネットメディアだけでも多数あるのですから。
真の勝者は公明党か
この都議会選で勝ったのは都民ファーストですが、そこに負けず劣らず、その力を見せつけることができたのが公明党でした。都議会において、自民と手切れした公明は都民ファーストと組みました。
そして、自民が惨敗。国政においては、自民と連立を継続している公明ですので、ここで与党内における存在意義と価値を十二分に知らしめることができたのではないかと思います。これで、自民に対し、公明の多少の無理が通ることになるでしょう。
大日本帝国憲法復活論者が代表の都イチ
ところで、小池都知事が選挙翌日、代表を降りると発表しました。いわゆる二元代表制の危機だとする意見をかわす目的なのでしょうが、それならば、代表に就くべきではありませんでした。もしも、彼女が選挙の時だけの代表だと知っていたら、どれだけの議席が獲得できたでしょうか。
彼女の力も思い知ることができました。仕事では無能で有害な点について考えを改める必要は感じていませんが、彼女の「政治屋」としての能力を軽く見ていました。その点は考え直すことにしましょう。都民ファーストの今後について気になるのは、野田数(かずさ)が代表に戻ってきたこと。これは危険です。
彼は2012年10月の都議会本会議において、日本国憲法が無効であるとして、大日本帝国憲法の復活の確認を求めています。私も日本国憲法は評価していませんが、大日本帝国憲法の復活という発想はありません。大日本帝国憲法は廃止手続きが行われていないなどと主張したようですが、十七条の憲法などは廃止になったのでしょうか。十七条の憲法は現在でも拘束力があるのでしょうか。この人物、相当危ない輩である可能性があります。
それにしても、一部の民進議員が喜んでいるのはともかく、共産党の小池書記局長がこの選挙結果を喜んでいるのを見て、この人もこの程度の人物かとあらためて呆れました。安倍総理を日本国憲法にとっての最大の危険因子だとしているなら、小池百合子などはその上を行きます。そして、野田数なんて、日本国憲法無効、明治憲法こそが、日本にとってあるべき憲法であるという考えの人。そこが大勝したことに、どこに喜べる点があるのでしょうか。小池書記局長は「安倍改憲の出鼻をくじいた」などと言っていますが、都民ファーストが国政に進出すると、改憲作業に加わってくるはずです。何を喜んでいるのやらでしょう。
北朝鮮はデッドラインを越えたのか
話は変わりますが、昨日午前の北朝鮮のミサイルがICBMであることをアメリカが認めたようです。米は交渉面で不利になる「相手の力を認める」ということを行ったことになります。
以前からお書きしているように、元々北は米と交渉するためにはICBMの完成が必要だと考えていて、米はそれを完成させないという同一直線上でいずれ衝突することになっていました。北が開発をやめない限り。ついにそのデッドラインを北が踏み越えたわけですが、最悪の場合、米の先制攻撃による戦争になります。ただ、金正恩は米にその勇気はないと踏んでいます。
現時点でこのミサイルが北米東海岸にまで到達可能かといえば、疑問が残ります。したがって、今後、米はそこをデッドラインとするのか、あるいは核の小型化をデッドラインとするのかということになります。日本でもその備えが必要です。
在韓の米国人に動きが見られないことから、トランプ政権もそれどころではないのかもしれませんが、ここまで来ると放置はできないでしょう。足を引っ張る南の文政権のこともあり、日本でも朝鮮半島への渡航制限を含めて、決めておかねばならないことが山ほどあります。G20もあまり意味のない声明で終わるかもしれません。政権は改憲を進めたいようですが、今は国民の安全のために時間を費やすべきです。