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「コウノドリ」を義務教育の現場に ~ボクらは毎日 奇跡のすぐそばにいるから~

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7月17日から「コードブルー -ドクターヘリ緊急救命-」が始まります。
フジテレビの月9枠で、
ここのところ視聴率で厳しい状態が続いていたこの枠で
起死回生なるかという雰囲気になっております。

Twitterの医療クラスタでは、
医療ドラマに現場の臨床医が反応することがあり、
ツッコミも見られます。
意外なことに「ドクターX」は思っていたよりも
ツッコまれていませんね。
新作「コードブルー」ではどういう反応になるのか
その点も楽しみにしたいです。

漫画でも何でもリアルであれば
医師たちが支持するという訳ではありませんし
描かれた当時の医療としても誤りがある「ブラックジャック」は
今の医療界でも人気があるのではないかと思います。
一方、リアルさにおいて支持されているのではないかと思うのが
鈴ノ木ユウさんの「コウノドリ」です。
特に産科医、小児科医などから支持が多いのか
作中の台詞がTwitterに引用されていることがあります。
漫画「コウノドリ」は一昨年ドラマ化され、
この10月から続編が放送されることが発表されています。
主演は引き続き、綾野剛さんが務めます。


産婦人科医師である鴻鳥サクラは
正体不明のジャズピアニストとしても活躍中。
母は彼を産んだ後に子宮頸がんで亡くなっています。

出産は病気ではない。だから、患者も家族も安全だと思い込んでいる

作中、何度も繰り返されるモノローグです。
私も仕事で周産期医療の様々なデータを見るようになり
妊娠出産で亡くなっているお母さんが無事なこと、
産まれた子供についても
元気に生まれて元気に育つことは奇蹟なのかもしれないと思うようになりました。

七つまでは神のうち

という言葉があります。
これは医療が普及する前までに言われていた言葉で、
数え7歳まではどうなるかは神様次第という考え方。
その年齢に至るまでは人智の及ばぬ領域だと考えられてきました。
江戸時代の命は本当に軽いもので
時代劇や時代小説の中の命よりもずっと軽いものだったようです。
子どもの命は尚更で、
そして、出産時に亡くなるお母さんも珍しくありません。
当時はそういうものだったのです。
歴史的視点ではつい最近の1975年のデータを確認しますと
出生出生1000件あたり16人の周産期死亡率となっています。
これが2005年には3.3人になっているのですから、
医療、周産期医療の進歩がはっきりとわかります。
ただ、それでも、今後もそれがゼロになるのは難しいと思います。
順調だとして「何が起こるのかわからないのが出産」なんだと思います。

ドラマの続編が発表されたことで
私も原作を読み返していますが、
涙を流さずにはいられない話ばかり。
シビアな話ばかりです。


人工中絶や性感染症、喫煙中の妊婦、風疹の恐ろしさ、
妊婦に対するDVもテーマになっており
教育現場で先生方が苦労しておられる性教育でも6割ぐらいは
この作品が役に立つのではないかと思います。
この作品は実際に妊婦が読むと
出産が怖くなるという声もありますので、
男女問わず、中学時代ぐらいに読んでおくと
良いのではないかと思います。
授業ではなくても、教室に数セット置いているだけで
生徒たちは読んでくれるでしょう。


「コウノドリ」の主人公・鴻鳥サクラは
スーパードクターではありません。
温和な性格でありつつも
妊婦や家族に伝えるべき事は伝えますし
判断も冷静です。

この主人公にはモデルが存在します。
大阪・泉佐野市にあるりんくう総合医療センター、
周産期センター産科医療センター長兼産婦人科部長の荻田和秀医師です。
彼自身、ジャズピアニストを目指した経歴をお持ちで、
実際にジャズバンドのメンバーとして
ライブ活動も行っておられます。

鈴ノ木さんの奥様が里帰り出産で、
担当医だったのが荻田先生だったそうで、
漫画制作にあたり、荻田先生にもネームを確認してもらい
荻田先生は新幹線車内で号泣されたとのこと。
今でも鈴ノ木さんは度々センターを訪問し、
荻田先生をはじめ、スタッフへの取材を繰り返しているようです。

さらに前回のドラマ化にあたり、
主演の綾野剛さんが非公表でセンターを訪問、
それも1回だけでなく、何度も2人はお会いになっているようで、
そのたびに荻野先生は質問攻めに遭っているのだそうです。


出産は病気じゃないから
皆、安全だと思い込んでるけど
ボクらは毎日
奇跡のすぐそばにいるから







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