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日野原重明先生逝去 生活習慣病~人間ドック~地下鉄サリン救護…

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18日、Twitterの医療クラスタがこの訃報に哀悼の意を表しました。
105歳でした。
この日午前、聖路加国際病院の日野原重明名誉院長が呼吸不全のため逝去、
彼の死が一斉に悼まれたのは、
彼が現代の医療界における偉人だからでしょう。

「予防医学」「人間ドック」「生活習慣病」という言葉。
これらは日野原先生が日本に持ち込んだもの、
あるいは先生が提唱し、普及させたものです。

今の聖路加国際病院は日本で指折りの医療機関ですが、
計画時にはその巨大な構造に「過剰投資」との反対意見が多かったそうです。
ただ、先生は東京大空襲を経験しており、
充分な医療が施せなかったことを踏まえ
大災害時にも機能できる医療機関の必要性を訴え続けました。
院長として、先生は計画通り推し進め、
1995年に起きた地下鉄サリン事件では、
自ら陣頭指揮を執り
外来を中止して、全医師を参集、
全ての被害者を受け入れることを宣言、
結果、多くの命が救われています。
その際、役に立ったのが
広すぎると批判されたロビーや礼拝堂でした。

事件ではよど号事件も有名です。
1970年、共産主義者同盟赤軍派による日本初のハイジャック事件が起き、
学会から戻るために偶然先生が乗り合わせていました。
当時はまだ「ハイジャック」という言葉の意味が理解されておらず、
赤軍派の「この飛行機は我々がハイジャックした」の意味を
乗客が理解できていない様子を見て、先生が手を挙げ
「ハイジャックとは飛行機を乗っ取って乗客を人質にすることです」
と説明しています。
先生の訃報に対し、
赤軍派メンバーで北朝鮮に亡命した若林盛亮容疑者は
「我々の思い上がりを気付かせてくれた恩人。
できれば会って直接、おわびしたかった」と述べています。

医療における功績としては、
終末期医療の普及、
医師だけでなく、看護師などを含めたチーム医療という考え方の普及、
成人病と呼ばれている病気は
生活習慣を改めれば予防改善ができるとして、
従来の呼び方から「習慣病」に変更するべきだと提唱。
先生が提唱し始めてから、20年以上が過ぎて、
厚生労働省は成人病を「生活習慣病」という言葉に改めました。

また、書家でもあり、音楽の分野でも活動されています。
子どもの頃、急性腎臓炎で療養していた時に
ビアのを学び、大学の頃に結核にかかり、
作曲を行うなど音楽の道を志すも、ご家族の反対で断念。
ただし、音楽劇に出演しているほか、
全国の学校を回って公演しています。
また、日本音楽療法学会の名誉会長でもあり
レオ・バスカーリアの「葉っぱのフレディ」の舞台化を企画、
脚本の原案を担当されています。

最後まで日野原先生は現役の医師であり続けたとのこと。
病気ではなく、患者個人全体を診る全人的医療、
患者中心の医療、今ではよく知られている言葉ですが、
これらも何十年も前から先生は提唱されていたそうです。

菅官房長官の言葉です。

日野原氏は早くから予防医学の重要性に着目し、現在国民に定着している『生活習慣病』という言葉を提唱するなど、まさに現代の日本医療の礎を築き上げてきた一人であると考えている

平均寿命を大きく越える105歳。
ただ、まだ、この日本で活躍し続けて欲しかった先生だと思います。

ご冥福を心からお祈りいたします。



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