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北朝鮮 6度目の核実験 過去最大級の威力 ~Jアラートについての誤解~

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完成している水爆・小型化も可能か


本日、12時29分57秒前後に、北朝鮮が核実験を行い、成功したと発表しました。速報性重視の「気象庁マグニチュード(Mj)」では6.1と推定。過去最大のものは、昨年9月のMj5.3でしたので、技術が大きく進歩したものと追われます。核爆弾の威力でいえば、過小評価したとしても10倍程度は高性能化したといえます。

水素爆弾が完成しているとみるべきで、アメリカの最大の関心事である水爆の小型化については不明ながら、それも達成している可能性が高いかもしれません。

アメリカは軍事力行使するのか


事態はまた、次のステージに入りました。まずはアメリカによる軍事力行使があるかどうか。在韓米国人に対して、米政府が半島からの脱出を求めているようなこともないようですので、明日、明後日の開戦はなさそうですが、2週間後ならどうでしょうか。

ただ、米の軍事力行使といっても、北が核兵器を保有しているのは確実で、ICBMに搭載可能なまでに水爆を小型化できているかもしれないとなれば、米にとって重い決断となります。実際、現在までに米が核保有国を攻撃したことはありません。

さらに国連との関わり。安全保障理事会での決議を経た上でとなりますと、中国が拒否権を行使する可能性があります。中国にとっては、北を利用してきた部分があるのも事実ですが、ここで拒否権を行使しないと、中国は北にとっての敵国になってしまいます。その矛先が北京に向かないとも限りません。

憲法上繰り返される「非難」と「抗議」


安倍総理は「我が国として断じて容認できない」北朝鮮に対して「厳重に抗議し、最も強い言葉で断固として非難する」と声明を発表。これについて、同じことしか言えないのかという批判もありますが、総理が言うように、この言葉が最も強い表現となります。この一段階上が軍事力行使となります。

ただ、日本には日本国憲法があります。よって、その軍事オプションも限られ、こんな言葉を繰り返すしかないわけです。もしも、軍事力で北を抑えようとするのであれば、憲法を無視するか、それが可能な改正案を作り、改正後に実行することになります。これが平和憲法とやらをありがたがっている国の現実なのです。

米は北を事実上の核保有国として認めるのか


米にとっても、交渉でどうにかなる時期はとっくに過ぎていると見る向きもあり、また、軍事力行使ができる段階も過ぎているのかもしれません。可能性としてあるのは、インドやパキスタンのように、公式には核保有国と認めないまま、事実上の核保有国として扱うというものもあります。

外交としては、北の完勝、米の完敗ですが、軍事力行使しないのであれば、こんな選択肢しかないのかもしれません。よく「話し合いで解決を」と言われますが、現実の歴史では、軍事力を相手に認識させた上で、その力を背景に外交交渉は行われてきました。ただ、そもそも日本にはその考えがありません。

国民の命のためのJアラート


さて、先月29日、北朝鮮からミサイルが発射され、北海道の東に落下しました。この時のJアラートについて、「地下なんかない」「4分で何ができる」「なせ打ち落とさない」などの批判があり、それを嬉しそうに朝日新聞や毎日新聞、東京新聞などが掲載。この批判が新聞社としての仕事を自社が行っていないことの証だということに気付いていないのでしょう。

「地下なんかない」については、内閣官房のサイトでは『屋外にいる場合は近くの頑丈な建物や地下(地下街や地下駅舎などの地下施設)に避難して下さい。』としています。ただ『近くに適当な建物がない場合は、物陰に身を隠すか地面に伏せ頭部を守る。』ともしています。最も生き残る確率が高いのは頑丈な建物か地下ですが、それがない場合についての次善の行動を明記しています。

屋内にいる場合でも、『できるだけ窓から離れ、できれば窓のない部屋へ移動する。』としてあります。我が国は戦争で核爆弾の被害を受けた唯一の国ですが、あの時の広島や長崎の人が、もしも、核爆弾投下時刻の4分前にそれを知っていたなら、救われた命もあったのではないかと思います。

もちろん、核爆弾という兵器の性質を知っていることも重要で、それは今でも変わりありません。今は核兵器について知ることができます。核兵器を使用する確率は低いかもしれません。4分間あれば、窓から離れるなどの行動は可能なのです。直撃ではどうしようもないでしょうが、その時になれば、生き残るために最も生き残る確率が高い行動をとるべきです。

自らの責務を怠っていることを嘲笑う新聞各社


朝日新聞や毎日新聞、東京新聞などは、こういったことが国民に知らされていないと政府を批判。ただ、私が知る限り、この記述は少なくとも、今年の春にはありました。命に関わる大切な情報です。メディアはそれを知らせる義務を負います。これらの新聞社は、その頃、何をしていましたか? 森友学園問題だの加計学園問題だの、政権に落ち度もない言いがかりの政権攻撃に紙面と時間を費やし、肝腎なことを伝えなかったのは、これらのメディアなのです。

最後に「なせ打ち落とさない」についてもお書きしておきます。発射から数分で、このミサイルの速度から、日本の国土に着弾する可能性はないことが明らかになっています。それでも打ち落としますか? 打ち落としたミサイルは落ちてきますが、それでもいいのでしょうか。通り過ぎることが明らかになり、国民への被害が出る可能性が小さくなったのに、なぜ、それを大きくする必要があるのでしょうか。

米のような国はともかく、日本はミサイル防衛については世界で指折りの国です。それは専守防衛の考え方の顕れともいえますが、それでもこれが現実です。日本国民は各人、もう少し、軍事や安全保障について考える必要があります。戦争をしないためにも。

北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本に飛来する可能性がある場合における全国瞬時警報システム(Jアラート)による情報伝達について
http://www.kokuminhogo.go.jp/shiryou/nkjalert.html

弾道ミサイルの落下時の行動について(PDF)
http://www.kokuminhogo.go.jp/pdf/290421koudou1.pdf





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