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人間に不倫・浮気を悪だとする感情が生まれた理由

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人間だけが「不倫」と騒ぐ不思議 昨今「いけない」と叫ぶのは「真面目型の男たち」だ 動物行動学研究家、エッセイスト・竹内久美子
http://www.sankei.com/life/news/170919/lif1709190009-n1.html

一昨日、このような記事が掲載されました。
竹内久美子さんはこちらでも何度かお名前をお出ししているかと思います。
このお話はだいたい、こちらの著作からのお話ですね。



生物学における繁殖戦略について書かれたもので
やや古くなってはいますが
楽しめる内容となっておりますので
ぜひ、お読みになってください。

生物はいかに自分の遺伝子を残していくかが第一の行動基準となります。
種の遺伝子ではなく、自らの遺伝子というのがポイントです。
同じ種でも個体ごとに戦略が違っていて
たとえば、ニホンヒキガエルは声の低い(そして速く鳴ける)オスがモテますが、
低い声で鳴けない体が小さな個体はメスのフリをして
モテオスの側で身を潜め、
寄ってきたメスと交尾をするという戦略があります。

人間以外の生物に「浮気」や「不倫」という概念はありませんが、
こちらの記事にも書かれているとおり、
少数派ながら一夫一妻の種もいます。
一夫一妻のツバメの巣にいるヒナたちの遺伝子を調べてみますと
父親がばらばらであることも珍しくないようです。
ツバメの子育てにはオスが必要です。
メスだけでは子育てに必要な食料が確保できません。
しかし、モテるオス1羽の「妻」は1羽のみ。
そこで、多くのメスはとりあえず「夫」を確保します。
一夫一妻はお互いがお互いを監視するという形だといえますが
メスは「夫」のいない隙に交尾しますし
逆に「妻」がいない隙にオスもほかのメスと交尾するようです。

この記事では複数の女性と関係を持てない「真面目型の男たち」が
「不倫」を騒ぎ立てているとしていますが
これには賛同できません。

一夫一妻の婚姻形態における浮気は、
男女ともに不利益を被るからです。
生物学的にはオスが子育てをする場合、
子育てをする理由は
自身の遺伝子をその子が受け継いでいるからにほかなりません。
しかし、ほかのオスの子だと、
遺伝子を残すという意味で、
費やした労力と時間が報われることはありません。

逆にオスが浮気した場合、
妻であるメスと子どもに費やす労力と時間が減ってしまいます。
人間も狩猟採集時代にはオスがメスの行けないような場所にまで出向き、
狩りをしていたのですから、
それが半分になるようでは母子の命に関わる問題であったはずです。
浮気に寛容なメスは生き残れず
その性質は次代に受け継がれなかったかもしれません。

こうしたことから、不倫、浮気が悪だとする感情が
定着したのではないかと思います。
ただ、これも個体ごとに繁殖戦略があるはずで
隙があれば浮気をする者もいれば
絶対に浮気をしないという者もいるはずです。

本来、生物には善も悪もなく、
突き詰めていけば、
より良く子孫を残せる体と習性を持つ個体の性質は
子孫に伝えられやすいという大原則に辿り着きます。
人間は進化の過程で、
自身の遺伝子を残す障害となるものを悪としてきたのではないかと思います。


他人の不倫について、私自身の感情としては
「しゃあないもんはしゃあない」です。
色恋沙汰は当事者以外にはわからないことが多いですし。

本日、斉藤由貴さんが来年の大河ドラマ
「西郷どん(せごどん)」出演辞退の発表がありました。
例の不倫報道の影響でしょう。
残念です。
この国は不倫探しのマスコミと
不倫叩きの人たちばかりなのでしょうか。
私は「どうでもいい」と思っている人も多いのではないか考えているのですが。
夫でもなく妻でもない人が
他人を監視する社会でなくなることを期待しています。




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