ごくわずかでもましな候補・政党名を
ここのところ、Twitterでは左派界隈からこの総選挙には棄権、または白紙投票をという呼びかけが散見されるようになりました。思ったより左派勢力が伸びず、自民の勝利予想が伝えられているからなのでしょうが、こんな言葉に騙されてはいけません。
私もかつて、誰にも一票を投じたくなくて「棄権」と書きに投票所に行ったことがありますが、その後、これが正しくない行動だと考えるようになりました。中国のことを考えてみますと、あの国の歴史が5000年だとして、その間、これまで一度も民主的に選挙が行われたことがないのです。1999年、香港が中国の特区となり、一国二制度が布かれましたが、もう香港ですら、自由で民主的な選挙権が奪われようとしています。そのことを考えると、わずかでもましな候補や政党を見つけて、投票すべきだと思います。
内部留保という誤解
さて、もう一つ私が間違って認識していたものに「内部留保」という言葉があります。希望の党はこれに課税しようというのです。景気をよくするためにはどうすればよいか。投資意欲が低調な企業は、利益の多くを内部留保の形でため込んでいて、これが市場に流れれば景気はよくなるはずだという考えです。
私も昔は内部留保を放出させることが大切だと考えていて、日本共産党も数年前から「大企業の内部留保を」と街宣車で言い続けていました。ただ、これは正しくありません。各企業などからは既に「二重課税だ」との批判がありますが、それとは別に、そもそも、無理な話なのです。
内部留保という言葉の定義は曖昧です。中には現金や預金、有価証券であることもあるでしょう。では、土地だとどうでしょうか。「ここに事業所を新設したい」と考えているかもしれません。これに課税することになると、その土地を手放すか切り売りする必要があります。そうなれば、新事業所は建てられず、そこから生まれるはずだった事業も難しくなります。
預金や有価証券だとしても、それが新規事業のためにプールしてある資金かもしれません。ただ単にため込んでいる資金と、新規事業や事業拡大のための資金をどのように見分けるのでしょうか。その方法がない限り、内部留保に課税するのは不可能です。騙されないようにしましょう。だいたい、まともな企業なら、何の紐付けもされていない「ただ単にため込んでいる資金」なんて、どれぐらいあるのでしょうか。
ただプールされているだけの内部留保があるとしても、それを設備投資などに向けさせるための政策が必要です。それにしても、これも日本共産党の模倣なのでしょうか。豊洲市場のデマは元々、都議会共産党議員らが騒いでいたものでした。そこに目を付けたのが小池百合子で、内部留保の件と豊洲デマ、これは偶然なのでしょうか。