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鞍馬寺のおすすめは16時30分以降? ~近うて遠きもの くらまのつづらをり~

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ずいぶんと間が開きましたが

https://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-12313870105.html

この貴船のあとの鞍馬寺について。



貴船神社に参って、登ってきた貴船川沿いの道を下っていきますと
川を渡って山へ入る道への看板がありました。
ここから山に向かうと、鞍馬寺に通じているようで、
今でも徒歩で鞍馬に向かわれるかたもいらっしゃいます。

私たちが鞍馬寺に着いたのは15時ぐらい。
境内に入るための「愛山費」が300円ですが、
本殿金堂など、各施設は16時30分に閉まってしまいます。
霊宝殿入館料は16時までです。

仏教寺院ではあるものの、ほかの仏教が持つ世界観、宇宙観とは異なる
独特の本堂などは見ておくべきで、
それまでには参りたいところです。
ただ、私はこの鞍馬山の独特の雰囲気は
16時30分以降に強く感じることができました。

俗人である私にとって面白かったことの一つが
境内のケーブルカーで、
これは鞍馬寺が事業者で
ケーブルカーを運営している宗教法人は唯一らしいです。
とはいえ、寺はあまり利用して欲しくない様子でもありました。
このケーブルカーは大人200円、小学生100円で、
寄進料という形となっています。

本来、鞍馬寺に参るには「九十九折り」という
幾重にも曲がりくねった道を登らねばならず、
これをショートカットするために設置されたのがケーブルカーでした。
寺としては、営利事業として運営しているのではなく
本来はここを自分の足で歩いてほしいという思いもあるようです。

実際はケーブルカーを降りても、
まだ、そこから長い階段が続くことになりますので、
気持ちとしては本堂までの道が半分ぐらいになったという程度でしょうか。


本堂にお参りして奥の院へ向かうにはさらに鞍馬山を登らねばなりません。
当然のように、私たちも山道へと入りましたが、
なかなかに大変でした。
以前、伏見稲荷大社参詣で、
稲荷山の上の社にも参ろうとして
たいへんな思いをした時のことをお書きしましたが、
それにも勝る山道でした。

途中にあるのがこの「木の根道」で



この先に大杉権現があります。
木の根道の手前でそちらに向かわず、
分かれ道を直進するか、
大杉権現からさらに進むと奥の院魔王殿があり、
さらにさらに進むと貴船へと達します。

しかし、私たちは引き返しました。
時刻的なこともあり、
私が主役ではありませんので致し方ありません。
いつかは貴船から鞍馬に抜けてみたいものです。

鞍馬は観光地として外国にも有名ですので
山道では多くの外国の方とすれ違いました。
天狗が住まう山である鞍馬山を息切らしながら登る
大柄な白人さんの集団というのはなかなかの奇観で、
下りの時にすれ違った彼らは奥の院に辿り着くことができたのか、
その地点ではまだ、奥の院までは四分の一程度ですので
あの疲れ方では諦めてしまったかもしれません。

やがて誰ともすれ違わなくなります。
16時30分を過ぎ、本堂にも参れなくなると
人も来なくなるのでしょう。
ケーブルカーも使えなくなります。

ただ、おかげで九十九折りを足で下ることができました。
貴船神社での私のメインイベントは和泉式部の歌碑でしたが
鞍馬では九十九折りを歩けないことを残念に思っていました。

清少納言は「枕草子」の中で「うらやましげなるもの」として
「伏見稲荷参詣の山道で息苦しくなりながら登っていると
後から来た人が息を切らせるでもなく追い抜き登っていく」様を挙げています。

鞍馬については「近うて遠きもの」として

宮のべのまつり。思はぬはらから、親族の仲。くらまのつづらおりといふ道。師走のつごもりの日、正月のついたちの日のほど

を挙げています。

ただ、彼女自身、伏見稲荷には参ったようですが、
鞍馬については人から聞いたのか、
自分自身で九十九折りを歩いたのかは不明です。
山門から山上まで、目に見える直線距離は近いのに
道のりは長いため、「近うて遠きもの」の一つなのでしょう。

帰り道の九十九折りは誰ともすれ違いませんでした。
時刻にして17時ぐらい。
木々に覆われた道ではあるものの
まだ明るさはありましたが
自分たちしかいない九十九折りが堪能できました。

入るときの山門は賑わっていましたが、


帰るときはこのとおり。


もしも、鞍馬寺にいらっしゃることがございましたら、
各施設を利用できる時間にお参りされて、
各施設が閉じた時刻に降りてこられるのがおすすめです。
京都の有名観光地とは思えません。
天狗に出会えそうな気分になれます。
これからの季節はさらに暗くなるのでしょうね。

なお、源義経が牛若丸として修行した寺としても知られるこの寺には
本堂よりも上に、修行の道中に休んだとされる「息つぎの水」や
奥州に下る時に背を比べたとされる「背比べ石」もあります。
ほかに、与謝野鉄幹、晶子にまつわる品や歌碑もありました。

鞍馬に行ったことにより、
また、清少納言の人となりが気になっています。
和泉式部、清少納言のことを考え始めますと
ダークサイド「アンチ紫式部」に傾き始めるのもいつものことです。







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