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2017年 メディアの自死時代到来 一次情報の確認・懐疑精神を忘れないこと・君子豹変を心がける

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今年はメディアの自殺行為が目立った一年となりました。真実よりも社是、社論、イデオロギー、党派制を優先するメディアが多くなり、その論の根拠を示さず、「○○が言っていた」という与太話を元とした報道だらけでした。

こういった真実を報じないメディアは、何も今年だけに限ったものではありません。昔からありました。ただ、私がメディアが当てにならないと感じたのは十年ぐらい前で、それは沖縄の基地問題における活動家の違法行為の報道がほぼ行われないことに気付いたからでした。

活動家による違法検問を報じないメディア


TOKYO MX「ニュース女子」が活動家による傷病者搬送中の救急車停止事件を報じました。これをBPO放送倫理検証委員会は虚報だと断じました。

BPOは「誰を搬送しているのかを確認しただけ」としており、ネット上には何秒間、何分間などという数字が出ているものの、医療者でもない人物が合理的理由もないのに、1秒でも搬送中の救急車を止める事など、絶対にあってはならないことです。つまり、「誰を搬送しているのかを確認しただけ」という行為が人殺しになる可能性があるわけです。法的にも公務執行妨害で、さらに搬送されている人物が誰かなど、高度に守られるべき個人情報です。

活動家はヘリコプターランディングパッド(ヘリパッド)などの建設を妨害するため、各所に検問所を設けています。そこに入る関係者の車両を止めようというわけですが、法治国家において、法に基づかず、車両を停止させる権利のない人物による検問などあってはなりません。この違法行為についてメディアは「報じない自由」を行使していることになります。

かつてのYTV「たかじんのそこまで言って委員会」では、沖縄の反基地活動家の違法行為を採り上げたことがあります。いくつかの違法行為が紹介されたと記憶していますが、しかし、それもごくわずかに過ぎません。ほとんどのメディアは、彼らがオスプレイを墜落させようと、ワイヤー付きの風船を飛ばしていても知らぬ顔です。

一次情報に当たること

今年のメディアの出鱈目ぶりを象徴するのがいわゆる加計学園問題でしょう。前川喜平前文科事務次官による「出所不明」な怪文書のみを採り上げ、官邸、内閣府、愛媛県、今治市などの一次情報を無視し続けました。それらを参照すれば、前川喜平が虚言を吐いていることは明らかであるのに。

そもそも、前川喜平は天下り問題では懲戒処分を受けている人物。懲戒の時には各メディアが一斉に彼を非難していましたが、彼が政権攻撃の材料を提示するや、手のひらを返して「正義の人」扱いです。現職中に出会い系バーに通い、「女性の貧困調査」と臆面もなく言い抜けています。まずはこの人の証言が真実かどうかを確認することが筋であるのに、それを行いませんでした。

懐疑精神

これまでも私は「疑え」とお書きしてきましたが、いよいよ、懐疑精神を肝に銘じておかなければ、騙されてしまう時代になってしまいました。自然科学ではまず観察を、そして、その観察に誤りがないかどうかを疑う必要があります。実験でも手順に誤りがないかどうか、結果の評価に別の解釈がないかどうかなどを疑わなくてはなりません。その懐疑精神に耐えられないものは、信じるに値しないのです。

現在、元日馬富士関による貴ノ岩関への傷害事件について延々と時間が割かれていますが、たいして新情報があるわけではなく、示される情報の中に一次情報はどれぐらいあるでしょうか。ほとんど全て「当て推量」に過ぎません。自分たちの中にできあがっているストーリーに合わせた情報の解釈が行われています。警察や検察が冤罪を生み出す構図と同じです。

実に無駄な時間であるばかりか、真実を知る妨げになります。先日、子宮頸がんワクチンの件でもメディア批判をお書きしましたが、子宮頸がんにかかる人、死者が減らない責任のほとんどはメディアにあります。いわゆる従軍慰安婦問題もそう。子宮頸がんワクチンの問題では、村中璃子医師のマドックス賞受賞を遅ればせながら報じるメディアが出始め、遅ればせながら、方針転換を見せつつあるメディアも現れ始め、遅ればせながら、厚生労働省が子宮頸がんワクチンの議論を再開させるということになりました。

君子豹変 小人革面

それまで信じていたものが間違いであったなら、直ちにその考えを捨てなければなりません。間違いではなくても、従来の考えよりも優れたアイディアに出会ったならば、考えを更新する必要があります。言論の自由は憲法が保障しています。ただ、より影響が大きい事柄、人命、人の名誉に関わることには、真実を慎重に確認する必要があります。それまでの言説が間違っており、もしも、それが影響の大きいものであれば、その間違いを、その間違いを広めるために費やしたエネルギーよりも大きなエネルギーを費やして、拡散させなければならないでしょう。

「君子豹変」という言葉があります。元は古代中国の古典「易経」にある言葉で、「君子豹変 小人革面」。日本では「君子豹変す」などの形でも使用されます。天下り事件で懲戒処分を受けた前川喜平について、批判から「正義の人」扱いを始めたメディアのように、自分の都合により態度を一変させるというネガティブな意味で、現在は使用されています。

しかし、本来の意味は違うのです。「豹変」とは本来、全てを改めることを意味します。ヒョウは季節により夏毛、冬毛の生え替わりがあり、斑文の見え方が違うということが、この熟語の由来です。

「君子豹変 小人革面」を英文にするとわかりやすくなります。「A wise man changes his mind, a fool never.」となる事が多いらしく、直訳すると「賢者は考えを変える、愚者は変えない」となるのです。本来、考えを変えられることを讃え、変えられない人を愚か者だとする成語として「君子豹変」は使われてきました。

今後もメディアは読者や視聴者を減らす自殺行為を続けていくことでしょう。私たちは一次情報に当たること、一次情報がない場合は、その考えが一次情報がない状態で形成されたものであることへの認識を忘れないこと、それが信じる価値のあるものなのか疑うこと、間違いに気付いた時には直ちに考えを改めることを心がけなければならないようです。




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