元日から平常運転で仕事をしていまして
今朝は書き物が一つだけでしたので
7時過ぎまで寝ていられたのですが
起き抜けに驚くこととなりました
中日ドラゴンズのエースとして活躍、
中日、阪神、楽天でチームを優勝に導いた
星野仙一さんが亡くなられました。
いつも年末年始は明石家さんまさん、村上ショージさん、
板東英二さんらとオーストラリアでゴルフをされていましたので
当然、そちらで年越しされているものだと思っていました。
星野さんのご遺志で
ご病状についてはあまりお知らせになっていなかったようで
密葬にすることについてもご遺志によるものだそうです。
星野さんらしさを感じます。
ご冥福をお祈りいたします。
いろいろと医療関連の調べ物が多い私ですが
かねてより「最も恐ろしいがん」という言葉を何度も見てきました。
だから、要注意であるがんという認識はありましたが
星野さんが亡くなったことにより
あらためて調べてみましたら
まだまだ認識が甘かったようです。
何かのクイズ番組で
「次のうち沈黙の臓器と呼ばれているものは?」
というような四択出題があり
正解は「肝臓」とされていました。
ただ、選択肢の中には「腎臓」と「膵臓」もあり
これらも「沈黙の臓器」とされていますので
正しくない出題でした。
そこに異変があったとしても
初期には無症状か、ほとんど症状が出ないかがほとんどとなります。
よって、何らかの症状に気付いた時には
根治が難しいほどに進行しているということになりがちです。
膵臓がんが恐ろしいといわれる理由の一つが
この発見の難しさにあります。
さらに、膵臓がんの恐ろしさは
生存率という数値として目で確認できます。
国立がん研究センターの2006年から2008年のデータを見ますと、
部位別5年相対生存率では、
男性で最も治療可能とされる前立腺がんでは97.5%ですが
膵臓がんは7.9%しかありません。
膵臓がんの次に低い相対生存率は胆嚢、胆管のがんですが
これは25.9%ですので、7.9%という割合がいかに低いかがわかります。
女性の場合も最も5年相対生存率が高い甲状腺がん94.9%に対し
膵臓がんは7.5%、その次に低いのが胆嚢、胆管の21.1%となっています。
なお、この生存率には実測生存率と相対生存率があり、
その病名だと診断された人が
「死因に関係なく亡くなった場合」にカウントされるのが実測生存率で
がんに罹患していなかった場合の「期待生存率」として
統計的に「がん以外の原因で亡くなった場合を除外」したものを
相対生存率と呼んでいます。
このデータは10年以上前のものですので、
日進月歩のがん治療の世界では改善しているかと思います。
ただ、ほかのがんとの比較では
膵臓がんが「最も恐ろしいがん」であることに変わりはないかと思います。
同じく国立がん研究センターの2016年の死亡数データでは、
男性が肺がん、胃がん、大腸がん、肝臓かんに次いで第5位、
女性が大腸がん、肺がんに次いで第3位となっています。
それに膵臓は血管野リンパ管に接続しているため転移しやすく、
発見の難しさもあり、発見された時には
既に他臓器に転移していることが多いとのこと。
早期発見、早期治療ががん治療の鉄則ですが、
膵臓がんの場合、ステージIの場合でも
5年相対生存率が41.2%しかありません。
「最も恐ろしいがん」ですね。
膵臓がんにかかる可能性をゼロにすることはできません。
ただ、その可能性を下げることは可能です。
また、ほかのがんよりも低いとはいうものの
それでも早期に対応した方が治療可能の確率を上げられるのも事実です。
日本消化器病学会によりますと、
喫煙は発症率を2~3倍にすると報告されているとしています。
飲酒が発症リスクを増大させるという疫学的根拠は不充分としながらも
肝臓のALDH2というアルコールを分解する酵素が弱い、
つまりお酒に弱い人で日常的に飲酒している人は要注意かもしれません。
さらに喫煙+飲酒ですと、その危険度を3倍としています。
その他、コレステロールの過剰摂取もリスクを増大させます。
ほかの疾患も膵臓がん発症に大きく影響しているとされ、
慢性膵炎、糖尿病などの持病がある場合は要注意となります。
星野さんは糖尿病でしたよね。
そして喫煙の習慣があった。
胸椎黄色靭帯骨化症で現場を去った星野さん。
黄色靱帯骨化症は脊髄付近の靭帯が骨のように硬くなり
分厚くなる指定難病ですが、手術で改善を図ることになります。
ただ、糖尿病の状態により、その対応は慎重にならざるを得ませんでした。
確率論ですので、何が原因かなんてわかるはずもありませんし
糖尿病の中には予防が不可能なものもあります。
ただ、喫煙は違いますので
膵臓がん予防のためにも考える必要があるかと思います。
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闘将・星野仙一氏 膵臓がんに斃る ~最恐のがん~
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