私は女性向けのサイトで
ダイエットや美容関連の書き物をさせていただくこともあるんですが
嘘をつかないでおこうとすると
書けるものがなくて本当に苦労します。
企業は商売になるからと嘘の謳い文句をつけたり
恣意的なデータの切り取り方をしたりするんですね。
サイトもそういう情報を有り難がります。
そんな話は健康に関する情報にもたくさん。
先週の「ビーバップ！ハイヒール」は
良かれのつもりが逆効果間違いだらけの健康法
と題し、健康法の嘘に切り込みます。
テレビ局にとってはスポンサーの関係上、
触れづらい話も含まれていました。
カシコブレーンは内科医師の奥田昌子さんで
番組には三度目のご登場となります。
岩盤浴・サウナ
何事にも疑うことが肝腎ですが
疑う時の考え方として
まず言葉の定義を考えてみるという方法があります。
岩盤浴は「デトックス」の効果があるとされます。
では、デトックスとは何かということになりますと
それは、「毒素」を体外に排出することだそうです。
ならば「毒素」とは何でしょうか？
身体の老廃物？ 体外から取り込んだ余計なもの？
物質名は何でしょうか？
答えられる人はいないでしょう。
岩盤浴で身体から排出されるのは汗で、
つまり、ほとんどは水で
ほかには塩化ナトリウムや
カリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、重炭酸イオン、
老廃物の乳酸、尿素なども含まれますが
努めて排出したからといって
健康になるわけではありません。
本来「デトックス」とは
アルコール依存症や薬物依存症などの患者に対し、
体内の薬物を減少させる治療行為のことを指す言葉です。
具体的には胃洗浄や血液透析、医薬品の投与が行われます。
この言葉が一人歩きして
エステ業界などが乱用したことで
私たち一般人が誤った認識を持つことになりました。
もちろん、岩盤浴にはプラスの面もあります。
十年ほど前には糖尿病をはじめとする生活習慣病の症状改善に
効果があるという論文が発表されました。
これは岩盤浴の代謝を活性化させるという効果だとされています。
生活習慣病患者ではなくても、
代謝を活性化するのは意味のあることですが
一般的なレベルであれば毎日の入浴でも得られる効果ではないかと思います。
ヨーグルト
ここ十数年ぐらいで具体的に様々な効果を謳うヨーグルトが増えました。
整腸作用は昔から言われていましたが
今はアレルギー対策、ピロリ菌対策を掲げているものも。
たしかに論文とセットになっている商品もあるるんですが
問題点もあります。
「腸内フローラ」という言葉を目にされた方も多いかと思います。
この言葉は日本語では「腸内細菌叢」といい
腸の中の生態系のことを指します。
健康効果を謳うヨーグルトは
善玉菌を増やし、腸内フローラを整えましょうという商品になります。
私たちの腸の中にいる細菌は約100兆。
一方、善玉菌を含むと称するヨーグルトには
国の基準があるらしく、
商品に含まれている善玉菌は約20億以上となっています。
20億の善玉菌が100兆の腸内細菌の中に放り込まれるわけで
たった0.002％の新入りに何ができるのかという話になります。
それも、口から入った善玉菌全てが腸に届いていたらという前提です。
胃などで死滅する善玉菌も多いのではないでしょうか。
腸内環境の改善を考えるなら
既に自分の腸にいる善玉菌を増やすべく
その餌となる食物繊維を食事から摂るほうが
はるかに効果的といえるでしょう。
