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麻疹感染者増加は国策の迷走の結果 ~行政は集団免疫のためのワクチンを~

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https://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-12375408819.html

こちらでお書きしたように麻疹(はしか/麻しん)の感染者が増えています。国民揃ってワクチン接種を行っていればこんなこともなかったでしょうし、パンデミックの心配もしなくて済んだはずです。ワクチンは自分自身のため以上に、周囲の人のためなのですから。

麻疹ワクチンの定期接種が始まったのは1978年度から。この頃は1回の接種でしたが、1回だけでは接種者の5%弱に抗体がつかない場合があることがわかっていて、2006年度から2回接種制度が始まりました。

問題視すべきは、1回のみの人で、前回もお書きしましたが、中途半端な抗体を持ちつつ感染した当人は症状を感じないか、軽いため通常の生活を送り、ほかの人を感染させるということになります。こういう感染を「修飾麻疹」と呼びますが、具体的には1990年4月2日以前に生まれた人が該当します。
 

行政の及び腰が国民を危険にさらす


さらにかつては集団接種だった制度が個別接種に変更。これでは接種率が低下してしまいます。まずいことはほかにもたくさんあり、1989年度からは麻疹と流行性耳下腺炎(おたふく風邪)、風疹予防のワクチン新3種混合ワクチン(MMR)の接種が始まりましたが、流行性耳下腺炎ワクチンの副反応騒動が起き、1993年に麻疹ワクチンに変更、その後、MMRから流行性耳下腺炎ワクチンを除いた麻疹風疹混合(MR)ワクチンが接種されています。

当初、抗体をつけるには麻疹ワクチン1回で充分だと考えられていた時には仕方がない部分もありますが、それならそれで追加でワクチンを打てるようにしておけばよく、MMRの中止も行政の及び腰が原因。その結果、この国では防げるはずの感染症に怯え続けることになり、ほかの先進国から「感染症輸出国」と見られるようになったのです。



アメリカなどでは、学校への入学時に各種ワクチンの証明書が必要になります。それが公衆衛生というもので、企業などの団体でも、誰かが感染源となってしまったら裁判沙汰になることもあります。

 

最小限の抗原で抗体を作らせるワクチン


一過性の恋愛感情に対し「はしかのようなもの」という慣用句が使われ、また、中には「一度はかかっておいたほうがいい」なんていう俗信もありますが、前回もお書きしたように低確率ながら、死や後遺症の危険がありますので、絶対に信じてはいけません。

おたふく風邪も無菌性髄膜炎といった合併症やムンプス難聴といった後遺症の危険があります。信じられないことに、麻疹やおたふく風邪を「感染させてもらう」ための集会があるなんて噂も聞きます。恐ろしい話です。

これらワクチンの目的は体内に抗体を作らせ、その病原体が侵入してきてもその病気にならないためのものです。多くのワクチンは抗体を作らせるだけの最小限の抗原を接種しているのに対し、実際に麻疹やおたふくにかかろうとする場合、強力な毒性を持った抗原に侵入させるわけですから、どちら安全かは明らかです。

 

記憶や記録が曖昧ならワクチン接種


麻疹を防ぐにはワクチンです。自分のワクチン接種がどうだったかがわからない場合でも、ワクチン接種がおすすめです。実際は抗体があったとしても構いません。問題ありません。ワクチンの効果は有限です。ワクチンによる免疫の持続期間は約10年。徐々に抗体の効果が薄くなり、修飾麻疹の確率も上昇します。

現在のMRワクチンは1歳から2歳までの間に、自治体から予診票が届き、1回目の接種が行われます。ただ、不安なので1歳未満でも受けさせたい場合は、自費で生後6か月から可能になります。それ以前でも、問題があるわけではありませんが、生まれて間もない時期は、まだ母親由来の抗体が残っている場合があり、ワクチンの効果が薄れてしまう可能性があります。

まだまだ報道からは危機感が感じられませんが、まだまだ安心はできません。たった一人の感染者の来日でパンデミックを心配しなければならない日本で、これからオリンピックが開催されようとしています。こんなことで、国民や渡航者の安全が守れるのか極めて怪しいと思います。

 

 

 

 


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