神木に無数の鎌が刺さる『鎌八幡』
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ビルの前に謎の鳥居 『御霊神社』
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歯の神様を祀る『歯神社』
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大企業ばかりに愛される神社『土佐稲荷神社』
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くぐれない鳥居『玉造稲荷神社』
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聖地を守る張り子の虎『少彦名神社』
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ビーバップ！ハイヒール「大阪・摩訶不思議な寺社ランキング」を続けます。
1位
お堂の周りに大量のアレ『法清寺』
(3m19～)
場所は大阪市北区曽根崎、
JR東西線北新地駅から東へ徒歩10分弱、
お初天神も近くにあります。
通称「かしく寺」。
ここを象徴しているのがこのお堂で
ここには大量のしゃもじが奉納されています。
江戸時代中期、このあたりに「かしく」という遊女がいました。
おとなしい性格で気立てが良く、
美しかったことから武家に身請けされましたが、
彼女には大きな欠点がありました。
酒好きで酒癖が悪く、彼女の兄もそのことが心配だったようです。
ある日、妹に会いに来た兄は昼日中から酒を飲んでいる妹を見て、
酒を控えるよう意見しました。
兄の言葉に逆上したかしくは兄を刺殺してしまいます。
捕らえられたかしくは市中引き回しの上斬首。
彼女は死を目前にして、最後の願いを口にします。
「油揚げを一枚おくれ」
役人は訝しみましたが、そんなものでよいのであればと
手下に油揚げを用意させました。
かしくは縄で縛られた両手で油揚げを持ち、
その油を髪になでつけ乱れ髪を整えます。
最後の最後まで女としての身だしなみを忘れず、
酒さえなれば気立ての良かった彼女の死を
多くの人が悲しんだといいます。
後に彼女の墓を削り飲むと断酒できるという噂が立ち
大勢の酒に悩む人が墓を削り取ったため
墓石はぼろぼろに。
このままではあまりも憐れと思った住職は
墓石の代わりにとしゃもじを授けるようにしました。
酒の原料は米。しゃもじでご飯を「すくう」ことから
今も全国から断酒したい当事者や
酒と縁を切らせたい近親者がかしくの墓を拝み
しゃもじを奉納しているそうです。
歌碑にはこうあります。
『酒の咎 引き受け申しそろ かしく』
こちらは天王寺区の一心寺
ここにあるのが本多忠朝の墓で
この周りにも大量のしゃもじがあります。
しゃもじを奉納した人の願いは法清寺と同じです。
忠朝は大坂冬の陣で失態を演じ、
主・徳川家康から叱責を受け
名誉挽回とばかりに夏の陣で奮闘するも気負いが徒となり討ち死に。
死の間際に「酒のために身を誤る者を救わん」と遺言したとか。
よって「酒封じの神」とされ
法清寺同様、断酒の願いを叶えようと全国から墓参があります。
断酒祈願にしゃもじというのは他にもあるのかもしれません。