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歴史秘話ヒストリア「上杉鷹山 天災と戦う なせばなる!奇跡の復興物語」 その1

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テレビ番組の視聴が大幅に遅れております。
先週のヒストリアをここで。


上杉治憲、隠居後の号は鷹山。
現代の米沢市民も彼を呼び捨てにはしないそうで、
そんな名君のお話です。

上杉鷹山

上杉家の藩主となる彼ですが、
元々は上杉家の人間ではなく、
彼の母方の祖母が第4代藩主・上杉綱憲であることから、
綱憲の孫で第8代藩主・重定の養子となります。
この時、10歳。


この頃の米沢藩の財政は危機的状況にありました。
元はといえば、まず鷹山が米沢藩主となる167年前に原因がありました。
上杉家も謙信の代は、越後が拠点となっていて、
その後、跡を継いだ景勝の代に豊臣政権の五大老として会津に移封、
ここまではよかったものの、
関ヶ原の戦いで西軍が敗北したことから、
会津120万石から米沢15万石に減封されてしまいます。
この時、家臣は5~6000人ほどいたそうですが、
景勝の意向なのか、直江兼続の影響か、
そのままの家臣団で米沢入りしたそうなんです。
収入が激減したのに、
人件費その他は昔のままという異常な状態の米沢藩で、
それが改められることなく、
さらに第8代藩主・重定は名家の誇りからか、
豪奢な生活をしていました。

米沢市上杉博物館にあるこの公式文書には

歴史秘話ヒストリア「上杉鷹山 天災と戦う なせばなる!奇跡の復興物語

藩主なったばかりの頃の鷹山が
入浴時に使用した湯船、手桶などの物品について記されています。

歴史秘話ヒストリア「上杉鷹山 天災と戦う なせばなる!奇跡の復興物語

これらを米沢藩は分割払いで購入したといいます。
藩主の風呂道具を買うお金さえ苦労していたということでしょう。

先代・重定の頃には東北地方を宝暦の飢饉が襲っています。
2年続けての冷害にあらゆる穀物が実らず、
多くの農民が田畑を捨てて逃げ出しました。
残った者の中にも多くの餓死者が出て、
農地は荒廃していたそうです。
13万人の人口だった米沢藩は、
10万人にまでその数を減らしてしまいました。

そして、家臣の数の多さなどから生まれる莫大な借財は
16万両、この頃の米沢藩の収入の5年分にもなります。
もはやお手上げ状態です。
重定は本気で領地を幕府に返上しようかと考えていたそうです。

そんな状態の米沢藩藩主となった上杉鷹山。
彼は決意し、一枚の誓詞を書いたそうです。

歴史秘話ヒストリア「上杉鷹山 天災と戦う なせばなる!奇跡の復興物語

米沢市の白子神社に納められたこの誓詞、
米沢藩再建の決意の言葉が書かれています。

連年国家衰微し 民人相泥み候
因って大倹を相行い 中興仕りたく 祈願仕り候
決断若し相怠るに於いては 忽ち神罰を蒙る可き者なり


誓詞とは誰かに対して誓う約束です。
鷹山は人間に対する約束ではなく、
神に対して誓ったのです。
それを怠れば神罰を下されても構わないと。

鷹山は、既に上杉家は名家ではなく、
小さな家に過ぎない、
無用な誇りを捨てよと家中に命じます。

誓詞にあるとおり大倹約令を断行します。
衣服は木綿のみ、食事は一汁一菜、
鷹山も率先する形で、
自身の生活費を七分の一にまで切り詰めていきます。

そしてさらに家臣たちを田畑に送り込みました。
荒廃した農地で、多すぎる家臣たちを労働力として起用したのです。
その延べ人数は13000人にものぼります。

また城下に「備籾倉(そなえもみぐら)」を設置、
武家から農家まで、強制的に籾(米)の供出を命じ、
ここに飢饉の時などのために食料を備蓄しておこうというのです。


しかし、急激な大改革の波には不平不満も募るものです。
籾の供出にしても、有無を言わせずの強制供出です。

藩の重臣7人が改革の中止を求めて、
45か条にわたる訴状を提出してきました。
武士に農作業をさせるなど、鹿を馬として扱うが如くであり、
そも、御屋形様は他家から家督を継がれた方なので、
上杉家の伝統を理解出来ていない、
そのような批判でした。

殿様と家臣は主従の関係ではありましたが、
家臣には「主君押込」という手段がありました。
藩主の不行跡があまりにも過ぎた場合には、
諫言を行い、それが聞き入れられなかった場合には、
藩主を監禁してしまい、それでも悔い改めないとなると、
強制的に隠居させ、新しい藩主が就任することとなります。

上杉鷹山も、その対象になったといえるでしょう。

7人の重臣に付く者と、鷹山に従う者、
2派に分かれて争う様は、当に御家騒動です。

7重臣派に対し鷹山は7中心人物には切腹を命じ、
他は改易と隠居及び閉門または蟄居と、石高削減、
後に斬首に加え士分を剥奪された者まで。

藩の構造を破壊し、
それに抗う者たちを粛清。
神に誓った上杉鷹山の大改革は続きます。





ねてしてタペ



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