昨夜のサッカーワールドカップグループリーグ、
日本対ポーランドの試合はたいへん興味深い内容となりました。
批判も多いようですが、
私は先発メンバーの選定を含めて
西野監督の判断を評価するべきだと考えています。
もちろん、決勝トーナメント進出したからこその評価ですが、
キックオフまでにあらゆるパターンを考えていたと思います。
その中に、今回のケースがあり
実行したということでしょう。
ただ、フェアプレイポイントでの勝ち抜けはどこもやっていなかったことで
私なら、ルールの認識が間違っていないか、
前夜までのシミュレーションにどこかミスがないかなど
実際に勝ち抜けが決まるまでは不安でたまらないでしょうね。
さらに、セネガルが1点でも取っていたら…
実際には手を抜いてくれていたポーランドが
あの10分間で2点目を取りに来ていたら…
それを防ごうと躍起になりレッドカードでも喰らったら…
怖いことばかりです。
さて、サッカーワールドカップがあるたびに
「オフサイド」「オフサイドとは」という検索語が増えるようになります。
野球なんかのルールを一から説明するのは難しいですが、
サッカーは簡単で、それどころか見ていれば分かるという単純なものです。
ただ、主なルールのうち、唯一、分かりづらいのがオフサイドなのでしょう。
サッカーの守備では最も後ろにいるのがゴールキーパーですが、
そのキーパーを除く選手の中で、
一番後ろの選手がいるラインをオフサイドラインと呼んでいます。
このオフサイドラインは
ゴールラインと平行に発生する目に見えないラインで
選手が移動することでオフサイドラインも移動します。
このオフサイドラインよりもゴールに近い位置に
攻撃側の選手がいて、
そこにパスを出すとオフサイドルールが適用されることとなります。
オフサイドの反則を取られますと
守備側にゴールは狙えない間接フリーキックの権利が与えられます。
なぜ、こんなめんどくさいルールが設けられているかとの問いに対し
最も分かりやすい回答が
「待ち伏せを禁止するため」というもの。
オフサイドのルールがなければ
攻撃側は相手ゴール前に1人配置しておき
そこへパスを出せばいいということになり
サッカーはいかにゴールするかという競技ではなく
その選手へいかにパスを出すかという競技に変わってしまいます。
このルールの存在によりサッカーという競技に
戦略の様々なバリエーションを与えているとも説明されます。
そのパスがオフサイドかどうかは副審が判断しています。
副審が旗を揚げて主審にオフサイドの反則があったことを知らせます。
ただ、人間が行うことですし、
常に動いているゲームの中での判断ということもあり、
イギリスだったかの検証番組によるビデオでの確認では
実際にはパスを出した瞬間は
オフサイドではなかったことが半数近くあったとか。
人は注視している動体の動きを予測してしまうからでしょうか。
そんなオフサイドですが、
廃止すべきだと提言している人がいます。
元オランダ代表監督で、
FIFAのテクニカルディレクターのマルコ・ファン・バステン氏です。
また、ドイツでは5部リーグのチームで
実際にオフサイドルールなしの実験的試合を行ったんだとか。
実は日本でも昨年のNHKの特番「明石家スポーツ」で行われていました。
ビデオを残してあると思っていましたら見当たらず
個人的にはたいへんショックなんですが
サッカーが別の競技になっていたことを憶えています。
Jリーグのどこかのユースチームで行われたと思いますが
守備側の戦術としては、
ゴール前に陣取る相手フォワードにボールを渡さないことが
今まで以上の大命題になります。
相手フォワードにディフェンダーを張り付けますが
そもそも、そのエリアにボールが行かないように
コントロールするため
ボールがなかなか来ません。
相手フォワードはゴール前にいなければなりませんので
ほとんど動かないでしょうし
ディフェンダーともども、暇になります。
あの番組でよく憶えているのは
試合中の選手たちの雑談している姿です。
もしも、オフサイドなしが導入されて
徹底的に戦術が練られれば
もっと違った内容になるかもしれませんが
実験としては極めて興味深い内容ではあったものの
競技としては全く面白くない試合でした。
5人制のフットサルは
サッカーよりも狭いピッチで
小型のゴールを使用します。
フットサルにオフサイドのルールはありませんが
それはピッチの大きさ、ゴールの大きさ
人数が関係しているのではないかと思います。
オフサイドという面倒なルールも
なかなか合理的なのではないでしょうか。