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仁徳天皇の茨田堤 ~日本最古の大型土木事業~

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先日お書きした

https://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-12389162447.html

寝屋川北部地下河川の讃良(さんら)立坑に行ってきました。


2015年7月の台風第11号の時にも活躍しているようです。
足を運んでみて驚いたのが
寝屋川でどのような治水対策を実施しているかの説明にあるこの部分この一文。

流域の3/4が、雨水が自然に河川に流れ込まない地域であるため、雨水は下水道を通してポンプで河川へと排水されてれています。

寝屋川は天井川だった!?

天井川といえば、周囲の平面地よりも川底が高くなった川のことです。
帰宅して調べてみますと、Wikipediaでは
この天井川状態は京阪電鉄萱島駅付近まで続いている」となっています。

そんなことも知らなかったなんて。
天井川は一度氾濫してしまうと、
水が川に戻らないので被害が大きくなり、
長時間、地域が冠水してしまうことになります。
よって、寝屋川北部地下河川が設けられた訳なんですね。
もっと知ろうとしなければならないようです。


今回の西日本大水害はかつてないほどに広範囲に被害をもたらしました。
観測史上最大の降水量を記録した地点が多数あり、
これが第一の原因ですが、被害が大きくなった理由の一つに
西日本の土壌の性質にあるという見方もあります。

真砂土(まさど)、マサ土、あるいは真砂は花崗岩が風化してできる土です。
花崗岩は石材の御影石として知られていますね。

 

この動画では真砂土の放射線を測定しています。
西日本は東日本と比べて自然放射線が高めであるが知られていて、
高めとはいえ全く気にする必要は全くないんですが、
西日本の線量が高めになる理由が、
花崗岩の多さにあります。

4年前の広島豪雨災害について確認してみますと、
県土の48%が花崗岩であることが
被害を大きくした理由の一つとして挙げられてます。
また、瀬戸内海気候であることから
風化しやすく、真砂土になりやすいようです。
花崗岩の異名である御影石の御影も
神戸市の御影に由来していて、
これは六甲山で採石された花崗岩を
御影から舟で出荷していたからのようです。

西日本に真砂土が多いのであれば
それに合わせた防災が必要になるのでしょう。
二度と大勢の犠牲者を出さないために。


さて、前回は萱島流作新田についてお書きしましたが、
寝屋川市内でもマイナーな話で
当然、資料も少ないわけですが、
同じ寝屋川市でも「茨田堤(まむたのつつみ/まんだのつつみ)」は違います。
茨田堤はかの仁徳天皇が淀川沿いに築かせたとされる
日本初の大型土木事業、大型堤防として有名です。
古代から私たちは治水に骨を折ってきたことがわかるお話です。

仁徳天皇は伝説と史実の間の天皇ですので
事実は確認のしようがありませんが、
日本書紀には治水と開発のために
難波に「難波の堀江(なにわのほりえ)」を開削し
茨田堤を築いたとあります。

日本書紀によれば、堤を築いてもすぐに破れてしまう部分が2か所あり
仁徳天皇が思案していたところ、夢に神が現れ
とある2人の人柱を生贄にするべしと告げられたそうです。

そのうちの1人強頸(こわくび)は
泣きながら川の中に身を投じて亡くなりましたが
茨田連衫子(まんだのむらじころものこ)は手に瓢箪を2つ持って現れ
「私を望むのが真の神であるなら、この瓢箪は沈んで流れないだろう」
と言い、瓢箪を川に流したところ、浮いたまま流れていきました。
沈まなかったので真の神ではないというよくわからない理窟ですが、
衫子は人柱にならずに済みました。

その後、堤は完成し最後まで難航した部分を
2人の名を取って「強頸絶間(こわくびたえま)」
「衫子絶間(ころものこたえま)」と呼ぶようになります。

現在、寝屋川市の淀川河川敷には
「太間公園」という場所があります。
太間は「たいま」と読み、
これは「絶間(たえま)」から「太間」なったと伝わっています。

一方、淀川水系でも古川の堤が茨田堤だという説もあり、
こちらはここから3km弱ほどのところの門真市、
京阪本線で隣の大和田駅近くの堤根神社に堤の跡があります。
いずれが正しいのか、
あるいは仁徳天皇は双方で堤を築いたのかもしれません。

いずれにせよ、古代から治水には苦心してきた私たち。
公共事業にブレーキをかけるのは財務省の力ですが、
それに加えて、国民に根強い「公共事業=悪」の決めつけも
問題がありそうです。
 

 


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