誇張ではなく、殺人的な暑さが続いています。
この酷暑を軽視し学校行事などを優先した結果、
命を落とす子どもも出てしまいました。
この猛暑が災害であるという認識が必要です。
高齢者も多数亡くなっています。
介護士さんがその方の部屋を訪問したところ
まず冷房を入れて、ひと通り仕事を終えて
熱中症予防のために冷房を入れたまま退出したところ、
その方が遺体で発見され、
その時、冷房は止まっていたとのこと。
おそらくはその方が止めてしまったのでしょう。
また、一人暮らしをしている父親の部屋の
エアコンが壊れていることに息子さんが気付き、
業者に修理を依頼しようとしたところ、
父が拒否、その結果、彼は亡くなってしまいました。
高齢者の中には「冷房なんて自分の若い頃にはなかった」
「冷房なんて甘え」などと考えている人がいますが、
「若い頃」とは気温が違います。
それに、加齢とともに温度に対する感覚が鈍くなります。
「これぐらいの暑さなんて」が
実は暑さに気付いていないだけということもあり得ます。
とにかく、死なないようにしましょう。
子どもの場合は地面からの距離が近く、
大人に比べて体重に対する表面積が大きいため
脱水しやすく、また、自身の体に起きている不調について
上手く言葉にできない場合が多く
大人が子どもたちの異変に気付いてやる必要があります。
かつては熱痙攣、または熱失神、
熱疲労、熱射病と呼ばれた熱中症。
後者のほうが重症度が高く、
現在はI度(軽症)、II度(中等症)、III度(重症)に分類されています。
症状は視界が暗くなる、気分が悪くなる、
四肢や腹筋の痙攣、こむら返りなどが軽症の段階で
中等症になると、
体を動かしづらくなるほどの疲労感、
頭痛、吐き気、脱力感、大量発汗、頻脈、めまいなどが起きるようになります。
重症では意識混濁、譫妄状態、意識喪失といった脳機能障害、
肝腎の機能障害が起きて死に至ります。
熱中症の人を見かけたら、
まず意識の確認、なければ救急車を呼びます。
そこが屋外なら空調がある部屋へ、
なければ日陰に移動させ衣服を緩めます。
意識があるなら水分を摂ってもらいます。
経口補水液、スポーツドリンクなら効果的です。
意識がない人に無理矢理飲まそうとするのは危険です。
体を冷やすには氷風呂、水風呂に入れられればいいのですが
それが可能な状況は限られているでしょうから
全身に水を掛け続けるというものがあります。
当事者の肩からタオルをかけて
シャワーで水を掛け続けるという方法もあります。
近年、医療機関で搬送されてきた患者に対し
霧吹きで水を掛けて扇風機と大勢の団扇で
風を送り続けるという方法が採られています。
水が気体になる時に奪われる気化熱を最大限に利用しようという方法です。
それも無理なら、首、両脇、鼠径部を冷やす方法があります。
そこには太い血管が通っているからで
ペットボトルでも何でもいいので
冷やすという方法です。
先日、Twitterで「鼠径部」の面白い説明方法が話題になっていました。
「ビートたけしさんのコマネチ!」と言えば
みんな分かってもらえるそうです。
ただ、本当に下げたいのは体の奥のほうの深部体温なので、
首、両脇、鼠径部を冷やすだけでは限界があるとされており
今朝の「正義のミカタ」でも
首、両脇、鼠径部を冷やしましょうというお話で
ほかに方法がないならできることをするしかありませんが…
ほかの方法がありました。
もっと効果的な方法を推奨している論文があるようです。
https://www.wemjournal.org/article/S1080-6032(14)00405-0/pdf
英文なので私もまだちゃんと読めていませんが、
ハーバード大学の学生たちに室温40度の部屋で運動させ、
熱中症にさせた上で首、両脇、鼠径部を冷やすグループと、
手のひら、足の裏、頬を冷やしたグループに分け比較した実験では、
後者のほうが深部体温が下がったそうです。
こちらは太い血管ではなく、
毛細血管が多いことに着目した方法ですね。
とんでもない実験をしたものですが
貴重な記録ではないかと思います。
国内の医師でもこちらを推奨している方もいらっしゃいますね。
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なお、こちらのような商品を額に張り付けても
深部体温にはほとんど影響がないと思われます。
全身を冷やせないなら
手のひら、足の裏、頬を冷やすのが次善の策なのでしょう。
ただ、これらの場所を冷やす場合、
温度が一桁台など、あまり低温すぎる水だと
毛細血管が収縮して熱が出て行きにくくなりますので
ご注意ください。