今回は私個人の見解はほどほどにして、
記事を紹介させて下さい。
よく知らなかったのですが、
乳腺炎にキャベツ湿布という"療法"は一般的なのでしょうか?
元々、ヨーロッパに発熱には頭にキャベツの葉をかぶろうという
民間療法があるらしく、
それが日本でも広まっていたようです。
キャベツを当てるとひんやりしていますし
乳房も頭も表面が半球状ですから、
キャベツの葉が妙にフィットしそうです。
ただ、気持ちいいのはともかくとして、
それで、熱が下がるということはありませんし、
授乳期の乳腺炎にキャベツを乳房に当てることは
乳児にとって危険な行為になります。
リステリア・モノサイトゲネスという細菌は
土壌、河川水だけでなく、
家畜や野生動物の腸管などに生息しています。
このリステリアは4℃以下の低温でも増殖し、
冷蔵庫の中に入れたぐらいでは死滅しません。
塩にも強いです。
リステリアが付着したキャベツなどを
授乳期の女性が乳腺炎対策として使用した場合、
それで乳児が感染してしまう可能性があります。
健康な成人がリステリアで重症化することはまれですが、
乳児であれば敗血症、髄膜炎、
中枢神経系症状などを引き起こすリステリア症に至るかもしれません。
調べると、一昨年のNHK「あさイチ」でも紹介されていて
その時点でもその危険性が指摘されているようで
ただ、広まらないのでしょうね。
こういった正しい情報というのは。
「つらくて不安で、わらにもすがる思いでした」 キャベツ湿布、日本助産師会は「統一見解は示していない」と回答
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/cabbagepillow-midwife?utm_source=dynamic&utm_campaign=bfsharetwitter&utm_term=.sxgMBpvvw
この記事の女性の場合、
助産師からじゃがいも湿布、びわ湿布、
キャベツ湿布を勧められています。
どうやら、助産師の指導書『写真でわかる母性看護技術』に
キャベツ湿布が紹介されており、
その後の増刷でも訂正されていないようです。
私が酷いと思ったのは、この記事をお書きになった岩永直子さんが
この件について日本助産師会に問い合わせたところ、
「統一見解は示していない」という他人事の返事。
さらには厚生労働省も
助産師が業務として行っていることを細かく規定しているわけではないし、キャベツ湿布が民間療法かどうかも含めて、いいとか悪いとか判断はしない
と回答したそうです。
赤ちゃんの命を奪うかもしれない民間療法が放置されているのに
その判断をしないとは何のため組織なのでしょうか。
世の中にはよくわからない民間療法が出回っていますので
ぜひ、お気を付け下さい。
「キャベツ枕」「キャベツ帽子」で熱が下がる?
https://www.buzzfeed.com/jp/yasumimorito/cabbagepillow
キャベツ湿布、”不妊症に効く”ハーブティ、おっぱい体操、助産師から勧められた?
https://www.buzzfeed.com/jp/yasumimorito/cabbagepillow-2?utm_source=dynamic&utm_campaign=bfsharetwitter&utm_term=.qkWRGGEY6