札幌市で起きたガス爆発は想像を超える話が聞こえてきて、
さらに詐欺の可能性があるという話もあり、
何だかなあという感じです。
私が中学の頃、所属していた科学部の顧問に
「ガスは5%もあれば爆発する」と聞いた記憶があります。
今回の事件は論外ですが、そこまでではなくとも
ガス爆発は起こりうるでしょうけれど
じゃあ、どれぐらいなら爆発するんだろうと思い、
思い出したのが顧問の言葉です。
ただ、ガスって何? という話でして、
ガスバーナーか何かを使用していた関係で
出てきた話だとすれば都市ガスでしょうか。
調べてみますと、
天然ガスの主成分であるメタンの燃焼範囲は5.0~15.0%ですので、
顧問の話はこれのことかもしれません。
燃焼範囲というのは、可燃範囲、爆発範囲ともいわれ、
可燃ガスと酸素を含む空気との混合の割合で、
可燃ガスがこの割合にある時に
温度次第で燃焼の可能性があるということになります。
では、プロパンが主成分のLPガスはどうでしょうか?
こちらは1.8~約9.5%となっていますね。
札幌の事件で最初にスプレー缶が原因かもという話が聞こえてきたとき、
こちらを疑いました。
昔、スプレー缶には当時環境に一切の影響を与えないとして
フロンが使われていましたが、
その後、オゾン層を破壊することがわかって使用禁止になり
スプレー缶では主にLPガスが充填されるようになりました。
そのほかにはスプレー缶にはDMEと呼ばれることの多いジメチルエーテルの場合があり
今回はこちらがフルに詰まった未使用の消臭用スプレーを
120本も一気に部屋に充満させたようです。
DMEの燃焼範囲は3.4~17%となっています。
アパマンショップが会見で示した
業務用の除菌消臭スプレーはどうなんだろうと思い調べてみますが、
公式サイトに書かれていないため容量がよくわかりません。
除菌消臭の効果は不明ですが、
商品を晒された企業としてはいい迷惑だとは思います。
とはいえ、アパマンショップは原価1,000円ぐらいとしているのもアレですね。
この除菌消臭のための成分がアルコールだとすると、
製造コストは数百円もしない?
植物由来と謳っていることから
もう少しかかるのでしょうか?
でも、効果としてのアルコールに違いはないのでは?
1本の容量も部屋の大きさも不明ながら、
200mL、120本、6畳だとすると
部屋の中に膨張したDMEの割合は20%を超えてしまう?
これだと逆に燃えないかも。
しかし、ガスが全て出切る前に発火があったはず。
そもそも、DMEやLPGは空気よりも重く
下からたまります。
発火は湯沸かし器からとのことですから、
その高さは1.2~1.5mぐらいでしょうか。
そこまでの高さにDMEが達していれば
充分すぎるほどに爆発する能力を持っていることになるでしょう。
アルコールも燃えますし。
ここまで極端なことはなかなか起きないでしょうけれど
スプレー缶の取り扱いには注意が必要です。
かつてはスプレー缶は穴を開けてからというのが常識でしたが、
我が寝屋川市のように穴を開けずに専用回収かごへとなっているところもあり
現在は自治体によって異なりますので、
各自、確認してみて下さい。
どうやら、各自が穴開けの作業を行っていたことで
火災が頻発していたことが原因のようです。
今はスプレー缶専用の処理設備というものがあるらしく、
http://www.recycle-eco.com/business_guide/spray.html
https://www.ipros.jp/product/detail/2000191318/
http://www.daikan-eco.co.jp/business/crush.html
いずれも庫内に窒素を充填することで燃焼しない状態にして
処理を行っているようです。
やがてこれが全国標準になるのかもしれません。
ともあれ、普段使用する際にも
火気の側での使用は厳禁です。
大阪・吹田のホームセンターコーナンで
ボタン電池の取り扱いの誤りにより
大きな火災となった事故がありましたが、
身近にありすぎて、
その危険性が軽視されているものは少なくないかもしれません。