前回の「チコちゃんに叱られる!」は
雛人形の話が面白かったですね。
私も雛壇最上段の2人を
「お内裏様」と「お雛様」だと思っていました。
3日3日のNHKのニュースを見ていて、
たしかにアナウンサーさんは
それらのことを「男雛」「女雛」と呼んでいました。
雛飾り最上段の2人が「お内裏様」
「お内裏様」を含む雛飾り全ての人形が「お雛様」
間違えないようにしましょう。
さて、「日本」について「なんでニホンとニッポン2つあるの?」という疑問で
チコちゃんは「江戸っ子がせっかちだったから」と回答。
たしかにありそうな話ですが、
これもまた、ほかにも違う説明があるようにも思います。
違う説明ができないか、
それを考えるのもこの番組の面白さではないかと考えます。
ちなみに「日本」という表記が公式文書に初めて現れたのは
「日本書紀」の時。
それまで我が国は中国からの呼称「倭」としていましたが、
白村江の戦いで敗れてから、
国内では国防と外交が重視されるようになり
独立国家として独自の国名を名乗ることにしたのでしょう。
だから対外向けの正史である書物を「日本書紀」としました。
さて、我が国は不思議な国で、
自国の国名の呼び方が定まっていません。
呼び方が複数ある国は珍しくないのでしょうが、
表記は一つなのに音にすると複数だというのも
あまりないのかもしれません。
私は昔、日本国民が自国のことを
「ジャパン」と呼んでいることが好きではありませんでした。
スポーツでは「○○ジャパン」などとよく使われますよね。
「ジャパン」は英語で、
ちゃんとした「日本」があるのにと思っていました。
以前、そんなことをお書きしたことがあるんですが、
ずいぶんと前なので、
あらためてお書きしたいと思います。
英語の「ジャパン」の由来は「ジパング」だとされています。
13世紀末イタリアの冒険家のマルコ・ポーロは、
諸外国について見聞を語り、
それがまとめられたものが「東方見聞録」で、
この中に「Cipangu(チパング)」という表記があります。
少なくとも、この時期には我が国の呼び方の一つに
このようなものがあったのでしょう。
ではこの「Cipangu」はどこから来たのでしょうか。
今、北京語を主体とする中国の普通話では
「日本」を「riben(リーベン)」と読んでいます。
ただ、中国の歴史は長く広大です。
発音は時代や地域により異なります。
それらを輸入して使用していた日本においても、
漢字の読みに漢音や呉音、唐音などがありますが、
「日本」を漢音読みすると「ジッポン」となります。
「ジパング」に近い発音かもしれません。
中国では「日本」を
「ジーベン」「ジーぺン」「ジープン」と読んでいた時期、地域があったようで
もしもマルコ・ポーロが「日本国」を
そのように聞いていたなら、
これがヨーロッパ圏に伝わったか、
あるいは以前からそう呼ばれていた可能性があります。
つまり「ジャパン」も「ニッポン」も
ルーツは「日本」ということになります。
我が国では漢音よりも呉音が使われることが多くなり、
「日本」は普通「ニッポン」と読まれるようになったということになるでしょう。