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透析中止は「安楽死」などではありませんよ

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東京・公立福生病院で透析治療を中止した問題。
既に都や日本透析医学会などの調査が始まっていることもあり、
詳しい事情を知りようがない我々は
この件についてあまり意見を述べるべきではないのかなと思います。

公立福生病院院長は亡くなった患者が
「いろいろな選択肢を与え、本人が選んだうえで意思を複数回確認しており、
適正な医療だと考えている」
とコメントしています。

結局は亡くなった患者がどのような意思表示をしていたかですが、
仮に透析中止の意思表示をしていたとしても、
それが健全な判断力の下で行われた決定だったかどうか、
知る術はありません。

ただ、一つ明確にしておきたいことがあります。
この件を「安楽死」や「尊厳死」の問題に
リンクしようとしている人が少なくないこと。
この件では患者は透析中止の意思を示し、
その後、再開の意思があったのではないかとも報じられています。

透析中止による死の選択は安楽死とは程遠いものでしょう。
災害時などで心配されるように、
定期的な透析は腎機能に問題を抱えている人には欠かせないもので
今、混乱が続くベネズエラでは、
停電により15人が亡くなったとされ、
その中止は死に直結します。

腎臓の機能が不充分なので、
その役割を体外で行うのが血液透析で、
腎臓の機能を体外の機械に代行させます。

腎不全の患者が透析を中止すると
尿毒症、あるいはその前に心不全や心筋梗塞などで
命を落とすことは確実です。

先日、梅宮辰夫さんが左腎盂尿管がんの手術を受けていたことが公表されましたが、
当初、彼は透析を拒否していたとのことで、
主治医などから繰り返し説得され、
現在は透析を受けておられるようです。

彼以外にも、一度は拒否する患者は珍しくないようで、
開始したものの、途中で中止する例もあるとのこと。
とはいえ、心不全や心筋梗塞が起きるとすれば、
とても安楽死とはいえないでしょう。
その苦しみから透析再開というケースもあります。
しかし、透析の中止により体にはさらなる負担をかけていますから、
より悪い状態での透析再開ということになってしまいます。
それを説明されても、
患者が拒否するというのであれば、
病院はどうしようもありません。

以前、お書きしたように

https://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-12438247099.html
 

腎臓病患者が増加しています。
そのうち、日本では30万人以上の人が透析療法を受けています。
透析を受けている患者の増加ペースは鈍化しているとされていますが、
増えているのは間違いないでしょう。
現在、その必要がない人は、
「沈黙の臓器」である腎臓、
失われた機能の回復が望めない腎臓を大切にしたいものです。

 

 

 

 

 


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