先日はこちらで透析中止の件について
https://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-12445756594.html
こちらでは
https://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-12444103206.html
緩和ケアについてお書きしました。
今回は関連のある
アドバンス・ケア・プランニング
というものについてお書きします。
アドバンス・ケア・プランニング、
略してACPはそれぞれが終末期のあり方について考えるもので、
その結論を家族や医療スタッフなどと共有しておくというものです。
先の透析中止の件は別にしても、
どのような医療をどこまで受けたいかというのは
各個人で違っています。
ここまではケアしてほしい、
でも、ここから先はもういいというような
考え方もあるでしょう。
その決定権があるのは当人で、
それは個人の尊厳でもあります。
しかし、終末期においては
必ずしも、自らの意思を家族や医療スタッフに伝えられるとは限りません。
さらに認知症などにより、
健全な判断能力の維持が困難な場合も多いでしょう。
実際には生命の危機にある時には、
7割以上の人が意思表示や判断力の問題で
望みを伝えられなくなっているようです。
そこで、予め当事者と家族などの近親者、医療スタッフ、ケアチームなどとともに
判断能力が充分で意思疎通が行えるうちに、
医療やケアについて話し合い、
皆でその意思を共有しておくプロセスが必要になります。
アドバンス・ケア・プランニングという考え方は
20年ぐらい前に生まれた言葉で、
日本でも医療機関などで一般的に使われるようになっていて、
昨年11月、厚生労働省はアドバンス・ケア・プランニングの愛称を
「人生会議」とすることを発表しています。
アドバンス・ケア・プランニングで話し合われ共有された当事者の意思により、
もしも、当事者の意思疎通が困難になっても、
「これは行う」「これは行わない」という基準が出来上がり、
医療スタッフはそれに従い、医療やケアを提供することになります。
その話し合いに医療スタッフやケアチームが加わるのは、
スタッフがその結論を確認するという意味もあるのですが、
患者や家族が望む医療全てが患者にとってベストだとは限りません。
終末期に限らず、患者の利益になることを考えるのが彼ら専門職で、
特に終末期においては、
患者に無益な治療の停止を考えることも医療倫理となります。
そういった観点からの意見も必要ではないかと思います。
高齢化社会が進み、多死社会などと呼ばれる時代が到来することは確実で、
誰しも例外なくいずれはこの世を去ることになり
家族など身近な人の看取りを経験することもあるでしょう。
その時のために、考えておくべきことではないかと思います。