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大阪ダブル選挙 維新と自民の双方を批判してみる

4月7日、大阪府知事選挙と大阪市長選挙の投開票が行われます。
私は大阪市民ではないため、府知事選のみの投票となります。
ただ、大阪府の有権者は大阪府議会議員選挙もあり、
加えて、我が衆院選大阪12区では、
4月21日に補欠選挙も行われます。

いわゆる大阪ダブル選挙では、
「大阪都構想」が焦点となり
シングルイシューでの選挙となってしまいそうです。

私の「大阪都構想」の評価は、
元々はポジティブに考えていましたが、
後に反対に転向、現在も反対の立場です。
しかし、ここでは維新と自民の両方を批判してみようかと思います。

まず維新。
「大阪都構想」は大阪維新の一丁目一番地。
これに挑まない維新に存在意義はないともいえ、
これを公約に掲げるのは当然です。

しかし、既に住民投票で否決された「大阪都構想」。
その後、「もう一度チャレンジさせて下さい」とはいうものの
気がつけば「もう一度チャレンジするのは当然」のようになってはいませんか?
有権者も「チャレンジは当然」と思っているのでしょうか。
まずは前回の時と何が違うのか、
その説明を行うのが先で、住民投票の結果を省みず
現在の主張のみをアピールするだけでは、
住民投票で反対に投票した有権者の考えを変えることはできないと思います。

私が都構想に反対なのは、
まず、都構想とはいうものの、
大阪市以外の再編には無関係で、
当初の計画とは異なり、堺市すら関わってきません。
結局のところ、大阪市の中をどう変えるのかに留まってしまったのが
「大阪都構想」です。

また、もしもこの選挙で府市ともに維新が勝利し、
再び都構想の住民投票が行われ、
可決となった場合でも「大阪都」は誕生しません。
「大阪都」とするには別の法律が必要となります。

さらに「大阪都」では東京都のような7つ、または5つの特別区が設置され、
選挙で選ばれた区長と区議会、議員が選ばれることになりますが、
これまでいなかった人員が必要なのですから、
このようになることで行政のコストは大きくなるでしょう。
それを上回る利益が特別区設置にあるのかどうか、
維新がそれを提示できているとは思えません。


次に自民。
維新への批判では前回の住民投票を省みるべきだとしましたが、
自民などにおいては維新登場以前についての反省が聞かれません。
いわゆる「府市あわせ」の問題ですが、
「府市あわせなんかない」という主張でよろしいのでしょうか?

念のために「府市あわせ」についてお書きしておきますと、
大阪市は政令指定都市であるため、
都道府県と同等の行政権限があります。
府庁と市役所がメンツ争いを繰り広げ、
この二重行政により無駄な支出を繰り返してきたため、
大阪府民、大阪市民は「不幸せ」になったというものです。

よく引き合いに出されるのは
当時のWTC(現大阪府咲洲庁舎)と
りんくうゲートタワービル。
前者は大阪市の建築で高さ256m、
後者は大阪府の建築で高さが256.1mとなっています。
大阪一のビルを競い合って、
無駄な支出をしたというものです。
10cmが大阪府のプライドだということですね。

この件を「府市あわせ」の説明に使用する点においては
疑義もありますが、
二重行政の弊害として、
府知事と市長が異なる考えの持ち主になった時の問題はどうでしょう。

維新は「今は同じ考えの府知事と市長」だから、
うまくやっているけれど、
今後はどうなるかわからないとしています。
たとえば、府知事が自民で市長が維新となった場合、
意見がまとまらず、二重行政の弊害が増すのではないかといいます。

大阪自民などは「知事と市長が話し合えば問題ない」としていますが、
大阪府と大阪市の法定協議会の泥仕合を見ていますと、
話し合いができているとは思えません。
違う考えの持ち主が首長となった場合、
府と市が協調できるのかは怪しいでしょう。

あとは財政。大阪府と大阪市の財政難の問題。
私は必ずしも大きな予算を執行することについて
単純に批判するものではありませんが、
国とは違い、自治体は通貨発行権を持ちません。
自治体の歳入の規模も違います。
当然、国とは違う制約が必要となります。

自民は既に財政難は解決できつつあるとしており、
職員の新規雇用を抑えたり、
事業の一部を民間委託したりするなどして
改善されつつあるとしています。

でも、それ、維新の台頭が進んだからでは?
WTCとりんくうゲートタワービルはバブルの産物ともいえ、
かつての野方図な財政もバブル期ならではでしょう。
とはいえ、維新以外の政党が
維新以前の反省もなく、
「解決できつつある」と言われてもと思います。

いずれにせよ、先の住民投票では、
僅差により否決となりました。
つまり、約半数は自党の主張とは異なるほうに投票したことになり、
そこを無視すべきではありません。

ここまでの流れを見ていますと、
維新は自民や公明、共産を批判し、
自民などは維新を批判。
ただ、それを繰り返すことは、
有権者の約半数を批判していることになります。


誰だって、自分が投票した意見を頭ごなしに批判されれば、
気分はよくないでしょう。
それと、自民は「都構想には反対でも維新に投票する」という人の存在も
無視すべきではないかと思います。

 


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