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から騒ぎの百田尚樹さん 佐藤浩市さんの発言と劇的進歩の潰瘍性大腸炎治療

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映画「空母いぶき」で
総理大臣・垂水慶一郎を演じる佐藤浩市さんのインタビューが話題になりました。
安倍総理が患う潰瘍性大腸炎を揶揄しているとして。

漫画誌ビッグコミックのインタビュー記事の中のもので、
インタビュアーの「総理は漢方ドリンクの入った水筒を持ち歩いていますね」
の質問に佐藤さんは
「彼はストレスに弱くて、すぐにお腹を下してしまうっていう設定にしてもらったんです」
と答えています。

これに噛みついたのが作家の百田尚樹さんで、
私も最初、Twitterでこの佐藤さんの発言の部分だけ流れてきた時には
映画界、演劇界に多い左寄りのアレかなあと思ったんですが、
直後に騒動の震源が百田さんであることを知り、
原文を確認することにしました。

何のことはない。
いつものお仕事同様、
ろくに事実確認しない百田さんの悪い癖でしょう。
別に病気のことを揶揄しているわけではないでしょう。

「三流役者が、えらそうに!! 何がぼくらの世代では、だ。人殺しの役も、変態の役も、見事に演じるのが役者だろうが!」

「ぼくらの世代では」の部分は佐藤さんが
総理役を演じることに対する抵抗感を語った部分に対する反応で、
百田さんのtweetはこれに続き、
自分の作品がもしも映画化されるようなことがあり、
佐藤さんの名前があれば
原作者として拒否権を発動するとしています。

百田さんのいつもの軽挙妄動ですね。
安倍総理シンパだからといっても、
誰かを批判するのであれば、
少しぐらい考えましょうよと言いたいものです。
この騒ぎは佐藤さんだけでなく、安倍総理にとっても、
ほかの潰瘍性大腸炎患者にとっても迷惑だと思います。

佐藤さんはインタビューの最後に

最終的にはこの国の形を考える総理、自分にとっても国にとっても民にとっても、何が正解なのかを彼の中で導き出せるような総理にしたいと思ったんです

と語っています。
彼は自身が演じる人物をただの情けない人総理として
演じたわけではないことがわかります。
もしも、これが駄目なら
あらゆる創作物に登場する患者の描写のほとんどが問題だということになります。


2007年9月、安倍晋三氏は突然、総理大臣の職を辞任すると発表しました。
この第一次安倍政権の終焉には複数の要因がありますが、
その中の一つが彼の持病の潰瘍性大腸炎でした。

潰瘍性大腸炎は炎症性腸疾患の一つです。
炎症性腸疾患は原因がわかっている特異性と
原因が不明な非特異性のものに分類され、
潰瘍性大腸炎は原因が不明な非特異性で指定難病となっています。

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜にただれやびらん、
潰瘍ができる疾患で
症状は下痢や粘血便、持続的な腹痛、
進行すれば発熱や貧血が現れることがあります。

免疫機能が腸粘膜を誤認識して攻撃してしまうのではないかと考えられていて、
炎症は直腸から始まることが多く、
徐々に結腸全体に及ぶことになります。

ただ、この分野では薬学の進歩がめざましく、
従来はステロイド製剤により炎症の抑制が一般的でしたが、
炎症を引き起こす物質を選択的に阻害する生物学的製剤などが開発され、
根本的な病因に迫る治療が行われるようになりました。

今後、潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患は
患者それぞれの病態に合わせたオーダーメイド治療の方向へ進むかもしれません。

安倍総理は2007年7月の参院選で自民党が惨敗したストレスに加え、
ウイルス性腸炎にもかかっていて、
辞任という選択を余儀なくされました。

しかし、2010年に発売された新薬により、
症状に苦しむことはほとんどなく
ほぼ完治したとされています。

炎症性腸疾患は「Inflammatory Bowel Disease」の略で
「IBD」と呼ばれることが多く、
潰瘍性大腸炎は「Ulcerative Colitis」から
「UC」と呼ばれることもあります。
また、潰瘍性大腸炎と同じく非特異性の炎症性腸疾患であり
若年層に多いクローン病は「Crohn's Disease」から
「CD」と略されます。

日本の炎症性腸疾患の患者数は増加しており、
身近な人の中にもその患者がいるかもしれません。
不正確な情報で偏見を持ったり、
過剰な反応で肩身が狭くなってしまうようなことは避けたいものです。

 

 

 

 

 


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