アマゾンの熱帯雨林が燃え続けています。
沈下の目処は立っていません。
しかし、日本ではあまり報道されず、
事態の深刻さが認識されていないように思います。
私も認識不足で、今日午前、ABCテレビ「正義のミカタ」で扱われ
この問題を改めて勉強してみて、
目に見えている深刻さと、
目に見えない深刻さを知った次第です。
総面積約550万km2の巨大な熱帯雨林、アマゾン。
この面積は日本の面積の約15倍にあたり、
「地球の肺」とも呼ばれています。
アマゾンで火災が起きることは珍しくないようですが、
今回は1か月も燃え続け、
鎮火どころか、その見通しも立っていない状態が続いています。
焼失速度は、毎分サッカーコート1.5面分だといいます。
1998年、ブラジル政府は
農業や牧畜のための野焼きを合法とする大統領令を公布。
今回の火元も野焼きが原因だとされています。
24日と25日にG7サミットがフランス・ビアリッツで開かれていましたが、
フランス・マクロン大統領は
G7諸国が2200万ドル(約23億3000万円)の金融支援を提供すると発言しました。
しかし、ブラジル・ボルソナロ大統領はこれを拒否。
ノートルダム大聖堂火災を引き合いに出し、
「世界遺産の教会の予想できた火事も、防ぐことができないのに、
我が国に消火の仕方を教えたいだって?」と、
嘲るような反応を見せました。
著名人や著名人が関わる団体も次々と寄付を発表、
日本で報じられるのは、この方面でしょうか。
なぜ、ボルソナロはマクロンらの申し出を拒否したのでしょうか?
ボルソナロは「ブラジルのトランプ」と呼ばれ、
一般的には極右政権だとされています。
彼はこれまでの政権以上に野焼きを推奨していたものと思われます。
ここで各国の資金を受け取ることで、
その原因が自らの過ちにあるとされることを嫌ってのではないかと見られています。
ただ、もっと広い視野で見れば、
先進各国は自然破壊を繰り返してきて、
現在の経済大国となったが、
自分たちの場合、
農地を広げようとしたことが非難されるのはどうなのか、
そういう疑問があり、
実際、ブラジルでは国外ほどボルソナロは批判されていないようです。
ただ、欧州各国が経済制裁をちらつかせ異例の圧力をかけ、
消火のための資金を受け取らせることにしたようで
さらにボルソナロはブラジル全土で
野焼きを原則禁じる大統領令を公布しました。
しかし、これもダブルスタンダードで、
パリ協定から離脱したトランプ政権に対し、
欧州各国が同じような対応をしたという話はありません。
とはいえ、この動画に見られるように、
サンパウロの市街地まで煙に覆われるようでは、
ボルソナロも強がってはいられないでしょう。
アマゾンには地球上にいる生物種の10分の1が生息するとされています。
1970年代から開拓などで20%減少。
アメリカ・カリフォルニアや、
オーストラリアの一部の森林のように、
火事が生態系に組み込まれている場合もあります。
ただ、アマゾンは違います。
このままでは、間もなく多くの生物種が絶滅してしまうことでしょう。
最後にひとつ。
上記で「地球の肺」と呼ばれているとしましたが、
それはアマゾンが地球の20%もの酸素を生み出しているとされているからです。
ただ、実際にそうなのかについては疑義が示されています。
多くの植物は酸素を生み出しますが、
二酸化炭素も放出しています。
植物が成長する時、炭素が幹や茎などに蓄えられますので、
成長している時期には放出されるのは二酸化炭素よりも、
酸素の方が多くなります。
しかし、枯れて腐れば酸素は、幹に含まれる炭素と結びついて
二酸化炭素になると考えられます。
私は生物種の問題だけでも、
できる限り早期に鎮火すべきだと考えていますが
「地球の酸素は大丈夫なのか」という疑問については
こういう考え方もあるということだけお書きしておきます。