日本においては、生涯のうちになんらかのがんにかかる可能性があるのは
2人に1人だといわれるほど、
がんは身近な病気です。
がんはかつてのように必ずしも死に直結しなくなったとはいえ、
当事者は大きな衝撃を受けることでしょうし、
治療などのために、生活にも大きな変化をもたらすことになるでしょう。
がん患者が小さな子どもを抱えている場合もあります。
その場合、がん患者は自分の子どもに
病気のことを説明すべきか、
説明するならどう説明するかという問題に直面することになります。
子どもたちは、親ががんであることを知れば、
自分ががんという診断を受けた時以上に、
大きな衝撃を受けるかもしれません。
しかし、話さなくても、親たちの異変に気付き、
何かしらを察知している可能性もあり、
その場合、得体の知れない恐怖に怯えることになります。
子どもの年齢、親の状態など様々ですが、
基本的には「話す」方向で会話すべきなのでしょう。
親ががんにかかっていることを知らされた子たちは、
後に「知らされないことの不安」があったことを語ります。
また、話した親は「話してよかった」と語ることがほとんどです。
がんという病気が理解できなかったとしても、
なんとなく察してしまう、
誰かから聞かされるよりも、
自分の言葉で説明した方がいいのでしょう。
現在、毎年新しくがんと診断される人は100万人以上、
18歳未満の子どもを持つがん患者は
年間5万6000人以上、その子どもの数は8万7000人以上だとされています。
しかし、まだまだがんという病気に対する理解が
家庭内で進んでいるとは言い難いようです。
学校では「がん教育」が行われ、
自分自身のため、家族のための教育が行われています。
おそらく、どの家庭でもあまりこういう話はしないかと思いますが、
いつかかるかわからないがんだけに、
話しておく必要があろうかと思います。
それは自分ががんになった時だけのためではなく、
がんという病気を知ることによって
何が発がんのリスクとなるのか、
どうすれば死なずに済むのかなどの知識の入口になりますし、
子どもの健全な死生観を育むことにもなろうかと思います。
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