特番の「キョエちゃんに叱られる!」は、
「チコちゃんに叱られる!」の傑作選のような内容で、
少し見ていましたが、
物議を醸した「なぜ鳥は卵を温めるの?」も放送されていましたね。
この番組は本当に、ほかの見方を考えるための番組なんだと思います。
番組で紹介される結論は全て言い切り型ですが、
中にはそう言い切れるものばかりではなく、
仮説の一つが結論として紹介されているものも多いです。
「なぜ鳥は卵を温めるの?」の結論、
「冷たくて気持ちいいから」も仮説の一つです。
たしかに、卵の温度が肌に気持ちいいから抱卵するという可能性はあります。
ただ、鳥類は抱卵行動において、
その形、色、模様にも執着します。
異質な卵は巣の外に放り出されるなんてこともあり、
これは「冷たくて気持ちいいから」では説明できません。
もちろん、動物分類学、生態学、行動学が専門の今泉忠明先生は
ご存知の上でのことではないかと思います。
「なぜ鳥は卵を温めるの?」では、
ほかにどのような答えが考えられるか、
各自考えてみるべきかと思います。
もしも「愛」や「愛情」からの行動だとするのであれば、
まずは「愛」「愛情」を定義するところから始めるのも面白いかと思います。
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では「女性のウエストがくびれているのはなぜ?」はどうでしょうか?
くびれているとは限らない、などということはありません。
男性よりも女性のウエストはくびれているのです。
解剖学で見れば、まず肋骨が違います。
肋骨が左右12本ずつあるのは同じですが、
配置が少し異なっています。
ヒトの骨格のウエスト部分は肋骨から骨盤までに何もありません。
この骨がない部分が女性のほうが大きくなっています。
男女では腹部に収まる内臓が異なり、
より大きなスペースが必要であるためでしょう。
骨盤も男性が狭く深さがあるのに対し、
女性は上が広く深さがないのが特徴です。
骨盤や肋骨は絵画で男女を描き分ける時の重要なポイントで
骨がない肋骨から骨盤までがくびれということになります。
行動学の面からだとどうでしょう。
妊娠していないことのアピールのために
女性のウエストはくびれているという説明が可能かもしれません。
狩猟採集時代から子育てには男が持ち帰ってくる食料が必要でした。
女は男に、自分と自分が産んだ子に「投資」させねばなりませんが、
今、妊娠しておらず、
これから生まれる子は自分の子どもだと
その男に思ってもらう必要があります。
そのためにくびれたウエストは意味を持つことでしょう。
鳥の卵でもそうですが、
全て結果から遡って考えるだけのことで、
どのような結論も「結果的にそうなった」に過ぎません。
よりよく子孫を残すことができる習性は
子孫に受け継がれやすいため、
鳥が「冷たくて気持ちいい」で抱卵していたとしても、
それがよりよく子孫を残すことにつながる習性であれば、
後世にも受け継がれていくことになります。