相も変わらず、新型コロナウイルスの感染により
死の病にかかるかのような大騒ぎで、
まるでかつてのペストかコレラのような扱いです。
世界中が異常な状態に陥っています。
もはや、冷静な対応なんて望めないのでしょうか。
さて、先週15日の朝日放送「正義のミカタ」で
2019年10-12月期の実質国内総生産(GDP)の話題があり、
民間調査会社の予測では、
-3.5~-4.4%(年率換算)となっていました。
これは相当悪い予測です。
週が明けた17日、内閣府が発表した値は-6.3%と、
相当悪い予測をさらに大きく上回る惨状が明らかになりました。
10-12月の四半期ですので、この数字には
新型コロナウイルス騒動の影響は含まれていません。
この番組では常に今回の消費税増税の愚を説き続けてきていましたが、
それはこうなることがわかっていたからでした。
今日午前の番組では、
1994以降の四半期GDP(年率換算)のワースト5を紹介していました。
1位 2009年 1-3月期 -17.7%
2位 2008年 10-12月期 -9.4%
3位 2009年 4-6月期 -7.4%
4位 2009年 10-12月期 -6.3%
5位 2011年 1-3月期 -5.5%
堂々の4位です。
それぞれの落ち込みの原因では、
1位と2位が外的要因のリーマンショックで、
5位が東日本大震災という自然災害ですが、
3位は消費税が8%になった時、
そして、4位が今回10%への増税後の数字です。
わかりやすいですね。
GDPが減ると企業の利益が減ります。
企業の利益が減ると従業員の所得が減ります。
従業員の所得が減ると消費が減り企業の利益が減ります。
そして、さらに従業員の所得が減ることとなります。
その悪循環のきっかけを作ったのが消費税増税だということになります。
消費税増税が国民を貧しくしました。
2009年の消費税増税では、増税前の駆け込み需要があり、
その反動での落ち込みもありましたが、
今回は既に国民の体力のないのでしょうか、
駆け込み需要が起きていません。
よって、その反動が影響を与えているはずはありません。
この惨状に、これから新型コロナウイルス騒動の影響が加わります。
既にお書きしているように、
直ちに景気対策を行わないと、
ウイルスに感染していなくても、
人が死ぬことになります。
そして、これも言い続けていますが、
「日本の最大の不幸はろくな野党がいないこと」
なんです。
立憲民主党などは消費税増税反対を掲げて選挙を戦いましたが、
そもそも、10%への増税が決められたのは民主党政権の時です。
その時のことを省みることなく、
反対を叫んでも、どれだけの人が信じますか?
そもそも、政権交代は増税しないという公約で成したもので、
それを反故にし、さらに下野後に同じことを言っても、
信じられるはずはありません。
まずは「あの時は~だったけれども、今は~」と話してもらわないと、
聞く耳を持てないでしょう。
さらに民主党政権時は長期国債の大量購入による量的緩和にも反対していて、
それは「ハイパーインフレが来るぞ!」と言い続けていたからですが、
現政権の数少ない正しい経済政策として行われても、
目標の2%の物価上昇すら果たせないままです。
だいたい、ツッコミどころの多い現政権に対し、
ずっとやってきたことといえば、
森友学園だの加計学園だの、
どーでもいいことを延々と続けていて、
こんな経済の状況で増税した愚かな現政権ではありますが、
それでも、あの時の民主党政権の連中よりはマシだと思ってしまうのです。
今は「桜」ですか。
黒川弘務検事長の定年延長は気になりますが、
それよりも重要なことがあるでしょう。
「良好な雇用と所得の環境に加え、経済対策の効果が発現していくことを踏まえれば、わが国の経済は基調としては、今後とも内需主導の緩やかな回復が継続していくものと考えている」
GDPマイナスに対する安倍総理のコメントです。
そういうしかないんでしょうね。
失敗を認めたくないので。
当然、ここが野党からのツッコミどころになるわけですが、
日本の野党はこれを政権攻撃のみに使用し、
今後の政策提案を行いません。
いつもそうです。
全体のGDPとしては-6.3%ですが、
民間消費だけで見ると-11.0%だそうです。
ずっとお書きしているように
日本のGDPの6割近くは内需の個人消費です。
景気が悪い時に、買い物に対する罰金である消費税を増税し、
それを抑制したわけですから、
そこが冷え込むのは当たり前です。
こんな愚かな政権ですが、
野党にはその愚かな政権を批判する資格ぐらいは身に付けていてほしいものです。
なぜ、現政権が長期政権となっているか、
その点の反省はないのでしょうか。
現政権があるのは野党の馬鹿さ加減があるからこそなのです。
1位と2位はリーマンショックという外的要因ではあるものの、
諸外国は早期に量的緩和を行うなどして対策を行い、
景気としては持ち直しの方向へと向かいましたが、
日本は違いました。
原因はともかく、あの時だってやりようはあったのです。
東日本大震災の後も、
建設国債をしっかり発行して復興需要を活かせば
景気の落ち込みも最小限に済んだことでしょう。
この際、新型コロナウイルスのせいにしてでもかまいませんので、
強力で有効な刺激策が必要です。
与野党ともに、国民の生命と財産、生活に資する議論をお願いします。
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