まずは医療機関でもこういうことがあるのかと思った事例から。
PCR陰性の感染者から広がった院内感染 精度に限界
https://news.yahoo.co.jp/articles/4b25f3444f089f530df0b0832ff50a3d69134a5a
4月、発熱の症状がある患者に医師の判断でPCR検査を実施したところ
結果は「陰性」。
病院はこの患者を個室に入院させています。
1週間後、患者は大部屋に移り、数日後退院するも
発熱が続くことから数日後、再入院、
再度のPCR検査で「陽性」と判定。
同室患者とスタッフ7人の感染も確認されました。
PCR検査の「陰性」は感染していないことを
意味しているわけではないんですよね。
この検査結果を過信してはいけないのです。
医療機関でもそうなのですから、
一般の認識なんて期待できるものではないかもしれません。
本当にめんどくさいウイルスです。
プロ野球は19日に本当に開幕できるのか、
という心配な事態となりました。
巨人の2選手が抗体検査で陽性となりました。
その後のPCR検査でも陽性となり、大騒ぎとなっています。
しかし、先ほど、改めて行ったPCR検査では陰性であり、
球団は体調に異変はなく、陰性の判定が続けば
できるだけ早い時期にチームに合流させるとしています。
抗体検査は、これまでに感染したことを示す結果で、
PCR検査は現在の感染を示すものですが、
PCR検査では遺伝子の断片でも残っていれば
陽性となることもあります。
NPBの想定としてはどうだったのでしょうか?
開幕日発表から全日程終了まで、
一人も感染者が出ないことを期待するのは組織としてどうかと思いますので、
感染者が出た場合の対応は何かしら考えていたかとは思うのですが。
ほかの選手やスタッフの感染確認の結果次第ですが、
現状、見えている情報からは、
何とか開幕したいという思いが感じられます。
当面、無観客で赤字なのでしょうが、
私も開幕してもらいたいと思いますし、
まだ、中止にするだけの情報はないように思います。
プロ野球の開幕は、
今後のスポーツ界の先鞭を付けるものとなるでしょう。
エンタテインメント界も注視しているかと思います。
開幕には大きな社会的意義が意義が期待されています。
パルスオキシメーターを発明、青柳卓雄さん死去
https://www.asahi.com/articles/ASN4R74VJN4RULBJ00D.html
さて、久しぶりに某中核病院に行きました。
緊急事態宣言が発出されている間は、
私のような余計な人間は入館を控えていたのですが、
今回、病院入り口前にはパルスオキシメーターを手にした看護師さんと、
サーモグラフィーのカメラがありました。
サーモグラフィーは発熱しているかどうかを見るためのものですね。
うちの近所のイオンモール入り口にもありました。
パルスオキシメーターとはこういうものです。
品質や価格は様々ですが、
ちゃんとしたものでも、そんなに高価なものではありません。
きっと一度や二度はご覧になった方が多いかと思います。
この洗濯挟みのようなパルスオキシメーターに指を入れて、
脈拍と血中の酸素飽和度が数値で確認できます。
病院でパルスオキシメーターに指を入れながら、
そういえば、仕組みについて全く知らなかったことに気付きましたので、
帰宅して調べました。
人間の血液といえば赤い色をしていますが、
これは赤血球の色が見えているため、赤く見えています。
血管の中には血清が流れ、
その中を血球などが浮かんでいます。
これが血液です。
赤血球は酸素を各組織に届けていますが、
赤血球の中のヘモグロビンという色素がその役割を担います。
パルスオキシメーターは動脈血の赤色の度合いを、
波長の違う光を利用して、
どの波長の光を吸収するのか、あまり吸収しないかにより、
ヘモグロビンがどの程度、酸素と結びついているかがわかるようになります。
酸素と結びついたヘモグロビンは赤く、
酸素が離れたヘモグロビンは黒っぽい色になるからです。
黒に近づけば近づくほど、光は吸収されやすくなります。
赤血球がどの程度、酸素と結びついているかが確認できれば、
肺炎などを起こしているかどうかがわかるようになるわけです。
また、パルスオキシメーターは動脈血の変動も見ることができます。
1974年、日本光電工業の同僚の岸道男さんとともに、
青柳卓雄さんがこの原理を利用したパルスオキシメーターを発明しました。
今や、医療機関などでは気軽に使用しているパルスオキシメーターですが、
それまで、酸素飽和度を知るためには採血が必要でした。
それが、指を入れるだけでほぼ完了するようになったわけですから、
まさしく、医療機器の革命といえるでしょう。
オランダの生理学者アイントーフェンは、
1903年に心電図のメカニズムを発見し「心電図の父」と呼ばれていますが、
それに負けず劣らず
青柳さんは「パルスオキシメーターの父」と呼ぶに相応しい方でしょう。
2015年、青柳さんは米国電気電子学会より、
「医療の質向上に多大な貢献をしたパルスオキシメーターの先駆的な発明」として、
"EEE Medal for Innovations in Healthcare Technology"を受賞。
これは顕著な貢献および技術革新を行った個人またはチームに対して贈られ、
日本人初だったということです。
そんな青柳さんが4月18日に亡くなられています。
勉強不足で、Twitterでこの訃報に触れるまで、
私はパルスオキシメーターの発明者が日本人であることを知りませんでした。
私も胸の病で入院していた時、
パルスオキシメーターが毎朝の日課でした。
肺の病気ではなかったものの、
酸素飽和度が異常値にならなかったことで、
肺に異変が出ていないことが確認でき、安心したものです。
今、新型コロナウイルス感染症が問題となる中、
どのようにして患者を見つけるかが課題となっています。
PCR検査という方法もあり、
また、CTで特徴的な所見があるかを見て、
それからPCR検査という流れもあります。
ただ、いずれも手間と時間がかかります。
新型コロナウイルス感染症は肺炎を起こします。
パルスオキシメーターは肺炎の早期発見に極めて有効なツールで、
現在は軽症者宿泊施設での活用も行われています。
まず手始めにパルスオキシメーターを使用するだけで、
肺炎を疑う必要がある患者に気付くことができます。
そこから、CTやPCR検査という流れでもいいでしょう。
大活躍中のパルスオキシメーターがなければ、
日本だけでなく、
世界中もっととんでもないことになっていたかもしれません。