19日、日本感染症学会の舘田一博理事長は、
「今、まさに第2波の真っ直中にいる」と発言しました。
また、政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は
講演の中で
「今後の推移に注意が必要だが、全国的にはだいたいピークに達したとみられる」
としています。
「第2波」の定義が定まっておらず、判断に困るところでありますが、
日本感染症学会のトップが仰るのでありますから、
そういう認識でよいかと思います。
尾身先生の発言についても、
東京都などの主な数値などを見てみますと、
下降傾向にあると見てよいかと思います。
ただ、現在、重症者数が増加していて、
重症者数のピークはこれから、
死者数のピークもこれからでしょう。
新型コロナ 新規感染者数のピークは過ぎても、重症者数は今後も増加が懸念される理由
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200823-00194619/
国立国際医療研究センター国際感染症センターの感染症専門医、
忽那賢志先生の記事です。
現在「第2波の真っ直中」であろうがなかろうが、
「ピークに達した」が正しくても正しくなくても、
やるべきことは変わりません。
手洗い、マスクの着用、密の回避を心がけましょう。
マスクは他者との距離が充分ある時には外すべきですが、
マスクの着用が熱中症の搬送者を増やしている可能性があります。
大阪では、これから1週間は猛暑日にならないかも?
(と期待していましたら、ただ今、明日明後日の37度の予報を確認…)
ということですが、ここのところ、37~38度は当たり前の毎日でした。
熱中症予防の呼びかけでは
「水分を摂ること」や「適切に冷房を使用すること」が言われますが、
夜間における高齢者の屋内での熱中症が多発していて、
しかも、そのうち冷房を使用していないケースが多く見られることから、
水分補給と冷房使用の呼びかけのボリュームを
水分補給
!冷房を使用せよ!
これぐらい差をつけて伝えるべきかと思います。
行政は医療機関のためにも
エアコンのないお宅に設置の補助金をつけてもいいかと思います。
昨年もお書きしたかもしれませんが、
加齢により、温度に対する感受性が鈍化することがわかっています。
若い頃「暑い」と感じたはずの温度を、
高齢者は「暑い」と感じなくなっている可能性があります。
我慢強いからというよりも、
鈍くなっている影響も考えておくべきでしょう。
"若い頃"といえば、気持ちのどこかに
「私たちの若い頃は冷房なんてなかった」
そんな感覚をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
気象庁のサイトで調べてみましょう。
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/daily_s1.php?prec_no=62&block_no=47772&year=1970&month=08&day=&view=g_tem
現在、70歳の方が20歳だった1970年の大阪市のデータです。
赤い線が最高気温ですが、最も暑い日は35.9度。
最高気温の平均は32.6度です。
最低気温の平均は24.9度で、熱帯夜でない日も珍しくありません。
現在の日本は日中の気温が39度を超える日もあり、高温の日が続きます。
さらに都市部は29度を下回らない日もあります。
「私たちの若い頃は冷房なんてなかった」としても、
現在の酷暑はその頃と別の次元だと考えるべきでしょう。
東京のデータも貼っておきます。
グラフにないデータも大差はないように思います。
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/daily_s1.php?prec_no=44&block_no=47662&year=1970&month=08&day=&view=g_tem
熱中症の症状は
新型コロナウイルス感染症の症状と重なる部分があります。
その上、明らかに熱中症で搬送されてきた患者でも、
感染していないとも限りません。その対応となります。
医療機関がたいへんな時期に、予防できる熱中症は予防すべきです。
なお、加齢により温度に対する感受性が鈍化するとお書きしましたが、
水分補給も重要であることは間違いありません。
加齢により「喉の乾き」に対する感受性も鈍化しますので、
若い世代以上に「喉が渇く前に」水分補給を図りましょう。
脱水は脳梗塞や心筋梗塞も引き起こしやすくなります。