10月1日から、鈴ノ木ユウさんの漫画『コウノドリ』の部分が
無料公開されています。
7日が期限ですので、見逃さないようにしてください。
この部分は主人公・鴻鳥サクラの生い立ち、産科医を志した理由、
子宮頸がん、HPVワクチンの部分になります。
1週間限定公開!『コウノドリ』に描かれたHPVワクチンの「現実」
13巻&14巻から無料試し読み
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75775?media=frau
鴻鳥サクラは乳児院、児童養護施設で育ちました。
彼を産んだ母は彼がお腹にいるとき、
子宮頸がんであることがわかるものの、
治療には妊娠の継続を断念せねばならなかったため、
治療をせずに彼を産み、命を落としています。
ドラマ版では乳がんで亡くなったという設定になっていて、
それは子宮頸がんで亡くなったことにしますと、
HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)についても考えなくてはならず、
そこを避けたかったのではないかと思います。
HPVワクチンの接種率を低下させた"戦犯"は
朝日新聞の責任が大きいですが、
ほかのメディアも、特にTBS「NEWS23」も酷いものでした。
ドラマ『コウノドリ』はTBSでしたので、
その関係もあるかなと思っていましたら、
続篇ではHPVワクチンに触れていて、物足りなかったのは事実ですが、
ドラマ班の気概を感じる採り上げ方でした。
あらためて、子宮頸がんについてお書きしておきます。
ひと口に子宮がんとはいうものの、
大別して子宮体がんと子宮頸がんがあります。
がん一般は、中高年以降にかかりやすい傾向があり、
体がんもそのとおりなのですが、
頸がんは20歳代から患者数の増加が始まります。
上記リンクのあるように、
女性の結婚、妊娠、出産の年代にあたることから、
「マザーキラー」の異名があります。
この「マザーキラー」。
母である患者を殺すという意味ですが、
妊娠のために産科の診察を受け、
頸がんが発見されることが少なくなく、
治療のためにお腹の子を諦めなくてはならない、
さらに将来生まれてくるかもしれない子を諦めなくてはならないという
悲劇が避けられません。
頸がんは1年の患者数は10000人。
そのうち、3000人が命を落とします。
女性特有のがんなのにこの数。
この数を大手マスコミは無視し続けてきました。
頸がん予防自体、採り上げることもありません。
採り上げれば、HPVワクチンについて触れねばならず、
そうなれば、過去の過ちと向き合わなくてはならないからです。
頸がんの予防では、子宮頸がん検診も有効です。
ただ、この検診でがんだとされた場合、
子宮全摘を考えることになります。
がんではなくても、検診で異形成とされた場合、
数か月に一度は検診を受け続けなくてはならなくなります。
その度に内診台に上がらないといけなくなります。
頸がん予防はHPVワクチンと検診がセットだといわれます。
ワクチンが一次予防で検診が二次予防です。
HPVワクチンによるHPV感染の予防効果は極めて高く、
初交前に接種した場合は特に高いとされます。
今も大手マスコミは相変わらず、無視し続けていますが、
海外では男性にもHPVワクチンが接種され、
集団免疫への期待、子宮頸がん撲滅の未来も見えてきました。
日本でもようやく認識が変わろうとしています。
ぜひ、上記リンクから『コウノドリ』を読んでみてください。