米大統領選では、いちおう、バイデン勝利という形になりました。
トランプは敗戦を認めず、訴訟に持ち込む姿勢を崩していませんが、
判断の目安のひとつに各国首脳の反応があります。
今、続々と各国からバイデンに対し、祝意が伝えられており、
世界はバイデン勝利という判断を下しました。
菅義偉総理も
Warm congratulations to @JoeBiden and @KamalaHarris. I look forward to working with you to further strengthen the Japan-US Alliance and ensure peace, freedom, and prosperity in the Indo-Pacific region and beyond.
https://twitter.com/sugawitter/status/1325188119008743425
ジョー・バイデン氏及びカマラ・ハリス氏に心よりお祝い申し上げます。日米同盟をさらに強固なものとするために,また,インド太平洋地域及び世界の平和,自由及び繁栄を確保するために,ともに取り組んでいくことを楽しみにしております。
https://twitter.com/sugawitter/status/1325188268078477313
とtweet。
ただ、決定的なひと言はなく
最終的にトランプが勝った時のための逃げ道はあるかな、
というtweetになっている点は注目です。
以前もお書きしたように、米大統領選は制度上問題のあるシステムで、
そもそも「資金が尽きた候補者から脱落する」という不合理。
そこに加えて、郵便投票なんかを入れ込んだものですから、
より一層、問題が複雑化することはわかっていました。
日本は有権者の意思が確認できないなどの理由で
原則、郵便投票が認められていませんが、
認められる場合でも以下のような強い制限がかけられています。
https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo05.html
日本におけるバイデン政権の最大の懸念は対中問題で、
現在の中国の増長、膨張を招いたオバマ政権の責任は大きく、
新型コロナウイルスの影響もあり、
現時点での反中意識は共和党、民主党ともに強いとは思いますが、
喉元過ぎれば熱さを忘れる、という可能性もあります。
日本には自国による経済を含めた防衛強化、
米に、より強く対中問題の重要性を訴え続けていく必要があります。
中国でも、この米大統領選の泥仕合が報じられ、
人民には「米が誇りとする民主主義とはこんなものか」という声もあるとか。
習近平の笑い声が聞こえてきそうです。
今後、トランプの求心力は急速に低下していくことでしょう。
どんどん人が離れていくはずです。
資金面でも厳しいと伝えられる中、
どこまで戦えるか、というところでしょうか。
9.11以来の大惨事が起きなければ、と願います。
さて、いわゆる"大阪都構想"が住民投票で否決されました。
私は大阪市民ではなく、その隣接市のそのまた隣接市の住民ですが、
反対の立場でありました。
私が反対だったのは、前回と同じく、
基本的には大阪市内の問題になってしまっていたから。
今回は大阪府と大阪市の財政についても考えられていましたが、
投票権があるのが大阪市民に限られ、
堺、豊中、吹田、守口、八尾、松原、大東、門真、摂津、東大阪が
特別区になる可能性があるものの、
それらも含めての議論が行われないと、
大阪市だけ変えても仕方ないと考えたからです。
そのほか、維新などか言う「成長」。
大阪に限らず、東京23区以外はより強い成長戦略が必要です。
街頭インタビューや日本共産党などは
「都構想のためのお金で福祉の充実を」なんて言いますけれど、
残念ながら、福祉を手厚くしても、
大阪の経済的成長には寄与しないでしょう。
税収が下がるばかりでジリ貧になるだけです。
とはいえ、成長が必要だとしても、
この住民投票が可決された未来に、
維新が見せようとした成長があると考えられませんでした。
例の可決後のコストとして出てきた218億円という数字も
アンフェアかと思いますが、
可決後の楽観的展望も、信じるに足る材料に乏しかったと思います。
しかし、否決されたとはいえ、僅差であり
半数近い人が賛成したことは事実で、
可決という結果が得られた可能性は充分にあったわけです。
たとえば根強くあった「新型コロナが心配なこんな時期に」ネガティブな意見。
これは投票所だけのことではなくて、
こんなことに労力を割いている場合かという疑問が含まれています。
なぜ、半年、1年ずらせなかったのか。
私が最大の敗因として考えるのが公明党支持者の投票行動。
議員たちの中では「維新+公明 対 そのほか」という構造でしたが、
有権者は違いました。
維新支持者の中でも反対に投じた人、
公明支持者でも反対に投じた人が多数いました。
後者は従来から組織票として固い数字が見込めるものとして、
賛成派は勘定に入れていたと思います。
しかし、出口調査によれば、約半数の公明支持者が反対に投票しています。
公明党のことですから、時間を掛けさえすれば、
このうちの一部でも「上の考え」に従わせることができたのではないかと思います。
私の考えでは、投票日を先送りしなかったことが最大の敗因です。
そうでないなら、これから先、
218億円よりもマズい数字がどんどん出てくる可能性を考えたため、
急いだのではないかと勘ぐってしまいます。
この住民投票で有権者の最大の関心事は住民サービスがどうなるか、でした。
維新は維持、または向上を謳い、
大阪自民らは、維持するのであれば大阪市が必要としていました。
住民サービスは「網」が細かければ細かいほうが充実します。
ただ、細かければ細かいほどコストは増大します。
大阪市の「網」は24区ですが、これが適当なのかは疑問です。
大阪市人口269万人、24区、
名古屋市人口230万人、16区
神戸市人口154万人、9区
ほかの政令指定都市よりもかなり多いという印象です。
地域ごとの特色があるから分かれているという話もありますが、
コストを考えるならもう少し集約されてもいいと思います。
なお、東京23区の場合、人口968万人。
それで23区。こちらは特別区ではあります。
また、各政令指定都市と各道府県では、
いずれも大なり小なりの軋轢があります。
横浜市は神奈川県と同格の特別自治市にすべきとして、
県に反対されています。
今回はこの二重行政について議論になりましたが、
ついぞ大阪自民から、今後の展望について語られることはありませんでした。
「話し合いで」などという曖昧な日本共産党が大好きな文言のみ。
彼らの言葉を信じさせる何かはありませんでした。
以前、公明党は総合区8区とする考えを提案していて白紙撤回。
今後、維新はこの案をベースに提案するようですが、
公明は否定的。ただ、私は悪くはないように思います。
総合区は政令指定都市の条例により設置されるもので、
現状の行政区よりも、区の権限が大きくなります。
結局のところ、権限の内容は条例次第ですので、
現時点ではなんともいえませんが、議論は続けるべきかと思います。
滅びを待つのは避けたいところです。