ワクチン接種を急ぐのは変異株対策でもある -新型コロナワクチン-
まずは版画から。
ヘレン・ハイド「かたこと」
ヘレン・ハイドはアメリカの版画家で、
明治の半ばに来日、日本画を学び浮世絵風の風俗画を多数制作しています。
下は彼女が二十代前半ぐらいのものとされている写真です。
ファイザーとビオンテック、容易なワクチン貯蔵でFDAに許可申請
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-02-19/QOS410DWRGGA01
ファイザーとビオンテックのmRNAワクチンについて、
成績は極めて優秀ではあるものの、
保管と運搬に難がありました。
マイナス75度前後の超低温の環境が必要だとされ、
そのために、診療所のような規模単位での接種が難しくなっていました。
それが2週間以内であれば、マイナス20度前後でも問題ないとしています。
医薬品用冷凍庫はもちろん、
家庭用冷蔵庫の冷凍室でも保管できるようになるかもしれません。
日本でもホームドクターによる接種が可能になればと思います。
パナソニックやツインバードなどは超低温の冷凍ケースを開発していましたが、
モデルナがどうなのかは不明ですし、
空振りというわけではないと思います。
2月17日から医療従事者への新型コロナワクチン接種が始まり、
厚生労働省は、じんましん1件、悪寒1件が副反応の疑いとして
報告があったと発表しました。
この程度、どのワクチンでも起きることで、
じんましんなんて、温度変化など、些細なことでも起きるもの。
特に今は冬ですので、じんましんを経験する人は増えます。
念のため、経過の観察ぐらいは行ったでしょうが、
今のところ、ネガティブな情報とはいえないようです。
わざわざ発表しているのは
「この程度のことでもちゃんと発表しているんですよ。だから安心してね」
ということなのかもしれません。
副反応で最も気になるのは、アナフィラキシーショックですが、
従来のワクチンの場合、100万人に1人程度、この反応が見られるとされていて、
ファイザーとビオンテック、モデルナのようなmRNAワクチンですと、
やや多く20~40万人に1人にアナフィラキシー反応が見られるとされています。
アナフィラキシーが見られたのはアレルギー体質の女性が多く、
数日間の入院を要した例が報告されていますが、
死亡例は見られません。
アレルギー体質とはいうものの、
軽度の人は過剰に気にする必要はありませんが、
重いアレルギー症状を経験している人などは
注意が必要かと思います。
全ての人にいえることですが、接種後の体調の変化には注意しましょう。
アメリカでワクチン接種後に死亡した例が1200件ほどあると報じられましたが、
そりゃあ、亡くなる人もいることでしょう。
私もいずれ、順番が回ってくれば接種しますが、
いずれ死ぬことは確定しています。
事故死しても、持病が悪化して亡くなった人もここにカウントされているのです。
マシになってきたとはいえ、
メディアはこういう煽り方が大好きですので、要注意です。
各国がワクチン接種を急ぐのは、
もちろん、国民の命を守るためですが、
変異株が蔓延する前に、ある程度接種を済ませておきたいという事情もあります。
現時点で変異株に対するデータは不足していますが、
今後、明らかにワクチンが効きにくくなる株が出現するかもしれません。
ウイルスが変異する機会は少ないほうがよく、
変異する機会は、宿主から宿主に移る回数が多いほど増えます。
mRNAワクチンが変異に対応しやすいとはいえ、
ようやく人類が手に入れたワクチンという武器を、
また新たに用意しなければならなくなるかもしれません。
感染者が少なければ、新たな変異株が出現する確率と頻度が少なくなります。
そういう意味でも、できる限り早く普及を急いでいるということもあるのでした。