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感染拡大でも変異株でも すること・できることは変わらない

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感染拡大でも変異株でも すること・できることは変わらない

まずは嬉しいニュースから。
ファイザーとビオンテックmRNAワクチン「コミナティ」について、
接種半年後も予防効果が確認されたと発表されました。

ファイザー製ワクチン、接種半年後も有効 南ア変異株に効果

 

3か月前にも「3か月間の効果が確認された」というニュースがあり、
その発表に「3か月間しかもたないのか!」と誤読する人が続出しました。

このワクチンが開発されて、まだ間もないのです。
願わくば1年間、効果の持続を期待したいところですが、
このワクチンを接種して1年間経過した人は、
世界のどこにもいないのです。
少なくとも、半年間、効果が持続するのであれば、
最悪でも半年ごとの接種で済むわけです。
今後の情報に期待しましょう。
さらに南アフリカ変異株に対する予防効果も示されています。

このワクチンでは、

米ファイザー製ワクチン、「子どもにも有効」 新型コロナウイルス

 

という情報もあり、
12~15歳の接種者で100%の有効性と強い免疫反応が確認されたとしています。
元々、この年齢以下での感染は重症化や死亡の危険性は低く、
さらに治験の被験者もあまりいないため、
データが取れていないため、接種対象外となっていましたが、
今後、対象者に含まれてくるかと思います。
ただ、世界的に絶対量が足りないという問題により、
まだまだ先になるのかもしれません。


今冬インフル流行なし コロナ対策で減少 現行調査で初


冬に患者が多くなるインフルエンザですが、
今冬は初めて「流行なし」という結果になりました。
新型コロナウイルス関連では、様々珍説を毎日のように見かけますが、
「新型コロナウイルスに感染しているとインフルエンザウイルスに感染にしにくい」
「インフルエンザウイルスに感染していると新型コロナウイルスに感染にしにくい」
というものがあるようで、何も考えないうちから否定するのは間違いないですが、
仮説はまず単純なほうから検討する必要があります。

13~14世紀の哲学者イングランドの「オッカム村のウイリアム」に因む言葉
「オッカムの剃刀」は有名ですね。

ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでない

自然科学で物事を考える時の基本で、
「新型コロナウイルスに感染していると~」
「インフルエンザウイルスに感染していると~」
を否定することはできませんが、
もっと単純に説明できるならば、そちらをまず考えてみるべきです。

この話題については、既に何度もお書きしているように、
新型コロナウイルスの感染予防と、
インフルエンザウイルスの感染予防は、重なっている部分が大きいため、
昨年来、ずっとインフルエンザ患者が減っていると考えるほうが自然です。
だいたい、新型コロナウイルスの感染拡大抑え込みが成功している台湾でも
インフルエンザ患者が激減しているという事実が説明できません。

そして、今、大阪で感染者数が増加している中、
こんなtweetが話題になっています。

何故大阪で感染が急拡大したのか。NEWS23で脇田座長がコメントしてた緊急事態宣言で大阪は感染を抑えすぎた、結果、変異株が既存株にとって変わる速度が早まり、変異株が急拡大してる説。逆説的でえっ?と思うが真実をついてるかもしれない。緊急事態宣言解除時の大阪の陽性者は1日約50人だった。
https://twitter.com/hiroyoshimura/status/1377635219189026818

大阪・吉村知事のtweet。
彼こそ「オッカムの剃刀」を大事にしてほしいかと思います。

勿論、尾身会長も指摘し、我々も同じ分析の、春休みに入り、年度替わりに入り、3月中旬頃から急激に若い世代の活動が活発になり、飲み会、コンパ、歓送迎会等の機会が圧倒的に増え、ここ1週間の感染急拡大に繋がっているというのは間違いない。しかし、それだけか。脇田説がストンとくる。要注意だ。

と続いているわけですが、
つまり、大阪が抑え込んでいる間に変異株が拡大、
既存株感染による免疫が機能しなかったため、
大阪で感染者が増えているという可能性に対し「ストンとくる」としています。

ストンと来ようが何だろうが、この珍説では欧米の変異株の猛威が説明できませんし、
だいたい「新型コロナウイルスに感染していると~」や
「インフルエンザウイルスに感染していると~」と同じで、
集団免疫から考えるのであれば、最低でも全体の6割ぐらいは感染し、
免疫を持っていないと、理論は成立しないわけです。
私は脇田先生もこのtweetほど酷いことは仰っていないと理解していて、
イソジンの時と同じように、自分にとって都合のいいように解釈して、
それを広めようとするのは、この人の最大の欠点です。

全国的に感染者数が増え、変異株の流行が心配されているわけですが、
結局のところ、一般が行うことは同じで、
手洗い、マスク、密を避けるなど、

ここ1年で当たり前になったことを当たり前にこなすしかありません。
管総理が「奇策はない」としましたが、

この点にはその通りとしか言いようがありません。

ただ、政府にはできることはまだまだあります。
大阪で成功したのは、患者の振り分けのように思いますが、
これを全国的に患者の搬送という形で行えるようにすべきで、
さらに自粛を続けてほしいと思えば、金銭的な援助が必要になります。

そして、最も大切なのはメッセージです。
お手本にすべき台湾では、あらゆる国民の疑問に答えてきました。
質問がなくなるまで会見を続け、
感染拡大防止では世界一です。

メッセージを出すのであれば、

何が駄目で何が大丈夫なのかを明確に示すべきでしょう。
たしかに、飲食が感染のきっかけになり得るのは事実ですが、
「食べる」と「喋る」を分ければリスクは大きく下げられます。

食べる時にはマスクを外し、

喋る時にはマスクをする。
ウイルスに昼も夜もないのですから、本質的には時短は無意味です。
「食べる」と「喋る」を分ける「黙食」、
あるいは「ひとりで食べる」を推奨すること、
旅行でも「ひとり、または同居家族のみ」を推奨すれば、
外食産業、旅行業界の打撃も少なくて済みます。
これら業界のキャンペーンで、
「おひとり様優遇サービス」を展開させてもいいでしょう。

マスコミはあてになりませんが、
今はTwitterやYouTubeなど、一次情報をそのまま流せるツールがあります。
合理的なメッセージであれば、有志らが拡散します。
毎日、動画を作るぐらいでもいいです。
同じことが含まれていてもいいです。
コメントに寄せられた質問に対し、回答しましょう。
結局、感染拡大防止は個人や団体次第なのですから。

ゲームチェンジャーはワクチンしかないのです。
そこまでのゲームプランを示すためにも、
どんどんメッセージを出して下さい。

先の緊急事態宣言は失敗だったという声が医療現場から聞かれます。
単純に感染者数の抑え込みがあまりできなかったということでもあるのですが、
最大の失敗は国民に「緊急事態宣言はなんて意味がない」と思わせてしまったこと。
社会に多大な犠牲を求めているのに、
「緊急事態宣言はなんて意味がない」では、
次に緊急事態宣言を出しても、ますます効果が期待できないでしょう。
痛みばかりの緊急事態宣言にしてしまったのも、
メッセージが足りなさすぎたからではないでしょうか。
 

 

 

 

 

 

チャールズ・ウィリアム・バートレット「鎌倉大仏」


最後に「日本の版画」を。
チャールズ・ウィリアム・バートレットは
大正の頃に来日した英国の画家、版画家です。
日本国内の風景画だけでなく、
インドやパキスタン、ハワイなどの新版画を発表しています。

 

 


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