石渡江逸「奈良・東大寺二月堂」
石渡江逸(いしわたこういつ)は川瀬巴水門下ですね。
東京~神奈川の風景画が多いように思いますが、
こちらは東大寺。修二会、お水取りで知られる二月堂ですね。
ひと月ほど前の今年の修二会は参拝者を入れず、
私もYouTubeでの生配信を見ていました。
今はアーカイブが公開されています。
さて、4月9日の寝屋川市からの市民向けのメールです。
市民の皆さんへ 緊急かつ重要なお願いです
■大阪府が医療非常事態宣言を発出しました。
変異株などの影響により、重症病床の使用率が急増しており、近いうちに、重症患者の受入れができなくなる可能性があります。これにより、人工呼吸器が装着できず、お亡くなりになる方が増加するおそれがあります。
同日の別のメールでは
〇3月以降、感染力が強いと考えられた案件を変異株PCR検査にまわしたところ、検査数65人のうち42人(他市民4人含む)から変異株が検出されました。
〇変異株については感染力が強いと言われています。市民の皆様におかれましては、感染防止対策を取っていただくようお願いします。
とされています。
変異株について、あまりこちらでは触れないようにしてきました。
どうせ、すべきこともできることも、従来株と同じですし、
そもそも、感染しやすくなっているとはいっても、
元々は塩基配列の変異からの推測であり、
感染しやすさは塩基配列のみで決まるわけではないからです。
しかし、現実を見るに、
既に日本では従来型が変異株に置き換わろうとしていると
認めなければならないようです。
分科会の尾身茂会長は、
大阪などでは、市中でのウイルスの密度が高くなっている中で変異株が広がってしまい、明らかにいままでとは違うフェーズに入った。こうした状況で感染を減少傾向に転じさせるためには、単に飲食店の営業時間を短縮するだけでは十分ではなく、接触機会の削減や人が集まる場所を避けること、地域を越えた移動を控えてもらうなどの対策をパッケージで行っていくことが重要になる
と語っています。
私たちが感染者を増やさないように努力し続けているのは、
自身とほかの人の命を守るためですが、
それは、この感染症の患者が増えすぎてしまうと、
その患者だけでなく、
ほかの病気や怪我の治療が充分にできなくなるおそれがあるからです。
その医療がまた逼迫しつつあります。
変異株は患者の重症化が少し速いとされ、
現場の医師らは、臨床像が第1~3波とは明らかに異なるとしています。
50代以下の人にも重症者の割合が増えてきていて、
大阪府は大学病院などに増床を要請しているものの、
患者の増加ペースに追いつかないような状態です。
さらに医療を逼迫させる可能性があるのが、退院基準の変更です。
変異株の患者の退院基準は、
37.5度以上の発熱が24時間なく、呼吸器症状が改善傾向であることに加え、24時間後に核酸増幅法の検査を行い、陰性が確認され、その検査の検体を採取した24時間以後に再度検体採取を行い、陰性が確認された場合
とされています。
1年余りこのウイルスと付き合っている私たちですが、
その間、感染者がウイルスを排出する、
つまりほかの人を感染させる可能性があるのは、
発症前と発症後数日であることがわかっています。
かつての基準は
1. 発症日から14日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過した場合、退院可能とする。
2. 発症日から10日間経過する前に症状軽快した場合、症状軽快後24時間経過後、24時間以上間隔をあけ2回のPCR検査陰性を確認できれば退院可能とする。
というもので、今の変異株の患者に対するものと同様です。
今、従来株の患者に対しては
1. 発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過した場合、退院可能とする。
2. 症状軽快後24時間経過した後、24時間以上間隔をあけ、2回のPCR検査で陰性を確認できれば、退院可能とする。
と緩和されています。
変異株では、「発症日から10日間経過+症状軽快後72時間経過」では、
その人がほかの人を感染させないだろうと言いきれないわけです。
今はこれが病床を埋めてしまう原因になってしまっています。
ただ、8日付で厚労省から従来株と同じ基準で退院可能にするという通達を出しました。
国立感染症研究所の研究を根拠としていて、
診断7日目のウイルス量は従来株と変異株で差はなく、
10日後にはともに人にうつさない状態であることが確認されたとしています。
今後、この点については徐々に改善されていくかと思います。
尾身先生は関西を中心として、新規感染者数が増加している原因として、
変異株の影響があるとしつつも、それよりも、
春になって人の動きが活発になったことの影響のほうが大きいとしています。
今、世の中は「皆がマスクをしている」ことと、
「会食をしていることが発覚すると批判されることがある」こと以外、
何も変わっていないのではないかと思うこともあります。
慣れ、疲れ、いろいろあるかと思います。
このままでは、また緊急事態宣言が発出されるかもしれませんが、
国民はどんどん「これぐらいならいいか」の範囲を広げてしまっています。
検査体制が違うため、1年前の今頃、
どの程度感染が広がっていたかはわかりませんが、
皆は戦々恐々としていました。
今は変異株の影響がある中、緊張感が必要であるはずなのに、
それが期待できないという状況です。
どうすれば、国民に緊張感を持つようになるのか、
名案はありませんが、
前回お書きしたように、
国からのメッセージが欠かせないのは間違いありません。
あとは、台湾に倣い、感染している可能性がある人の外出禁止、
それに対する罰則ぐらいしか思いつきません。