東京、大阪、京都、京都に緊急事態宣言が発出されました。
外食産業の悲鳴が聞こえてきます。
娯楽施設は大丈夫でしょうか。
芸能事務所の中にはもたないところも出てくるのではないでしょうか。
医療を守るための緊急事態宣言ですが、
大阪では大阪国際がんセンターが
新型コロナウイルス感染症重症者の受け入れを始めます。
このがんセンターは2017年まで大阪府立成人病センターという名前で、特定機能病院。
大学病院以外の特定機能病院は極めて貴重です。
ここが新型コロナ患者を受け入れるということは、
本来なら受けられるはずのがんの診療が行われなくなるかもしれないということです。
ここに限らず、先送りになっている手術が多数あります。
低免疫、無免疫の患者が大勢いる医療機関と、
新型コロナの患者の組み合わせは最悪で、
もしも、ここでクラスターが発生すると、まさに地獄です。
これは大阪のみの懸念ではなく、
緊急事態宣言が出ていない道や県でも、各自の感染対策が必要になります。
本来であれば、緊急事態宣言なんて必要ないのです。
まん延防止等重点措置も不要なのです。
皆が感染拡大防止に努めてさえいれば。
ほとんどの人は頑張っているかと思います。
ただ、朝の公園に転がっているビールやチューハイの空き缶多数を見るたびに、
感染者が増えたのも、減らないのも、
当然かなと思う訳です。
会食の自粛を呼びかけているはずの厚労省や自治体の職員が歓送迎会を行い、
そういうことが報じられますと、気が抜けるということもあるかと思います。
東京オリンピックが開催ありきで進められていることに
異論がある人も少なくないことも承知しています。
ただ、厚労省や自治体の職員がどうであろうと、
オリンピックが開催されようが中止になろうが、
すべきことは同じなのです。
感染拡大防止が不充分であれば、新型コロナはもちろん、
通常なら死なずに済んだはずのほかの病気や怪我で命を落とすことになります。
それは自分自身かもしれませんし、大切な人かもしれません。
そこに厚労省や自治体の職員もオリンピックも関係ないのです。
1月、飲食チェーン大手のトップが「ふざけんなよ」と発言したことがありました。
本当につらいと思います。
ただ、飲食業界の中でも、個人経営のところはともかく、
大手なら、憤懣や泣き言以外にもできることがあろうかと思います。
黙って食べる、喋る時にはマスクをする、
客に対し、このことをもっとアピールすべきなのではないでしょうか。
それが業界全体を守ることにつながるように思います。
私たちも、食べる、喋るをしっかり分けなければなりません。
北海道帯広市立開西小学校の給食の記事です。
「マスクを外した後は、喋らないで食べて」と指導されていて、
児童たちは静かに食事していたようです。
保育園や幼稚園でも「黙食」の指導をしているところが増えています。
子どもたちも楽しく喋りながら食べたいと思います。
でも、頑張っています。
小さな子どもたちが頑張っているのに、
私たち大人はどうなのでしょうか。
医療職の方々は1年以上、感染予防の徹底が求められています。
彼らに求められているのは、一般の比ではありません。
心が折れる寸前で、そういう方たちが頑張り続けています。
そうして、ワクチン接種まで時間を稼ぐしかないのです。
ワクチン接種が進むイスラエルでは、
死者0の日も出てきました。
屋外でのマスク着用が義務ではなくなりました。
日本でワクチンの量が足りないのであれば、
まずは1回ずつでも接種しておくべきなのかもしれません。
そのほうが、医療と経済へのダメージは少ないように思います。
私たちは手洗い、マスクの着用、密の回避などを徹底するのみです。
対策が甘ければ、すぐに新規感染者数が10倍に膨れあがります。
医療現場が限界を超えている現状で、
緊急事態宣言は仕方ないかと思います。
しかし、私たち国民全てが感染拡大防止に努めていれば、
不要だったはずなのです。
「本来なら緊急事態宣言は不要だった」ということを、
私たち全国民が認識する必要があります。
緊急事態宣言が必要になってしまった理由を噛みしめましょう。
土屋光逸「夏の月 宮島」