Quantcast
Channel: テレビ番組 時事ネタなど書いていきます。はい。
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2031

デルタ株ではワクチンの発症予防効果が大きく落ちる?/VRSとV-SYS

$
0
0

まずはよくないニュースから。

ワクチン接種先進国イスラエルが、ワクチンの効果が64%に落ちたと発表

 


タイムズ・オブ・イスラエルによると、
ファイザー/ビオンテックのワクチンのコミナティについて、
5月の調査ではCOVID-19の発症予防効果は94%超だったのが、
6~7月の調査では64%に低下したことを示唆している、
と、イスラエル保健省が示唆しているとのことです。

この認識が正しいとしても、

従来のインフルエンザワクチンと同等か、

それより少し高い程度の発症予防効果はあるのでしょう。
デルタ株の影響に加え、ワクチン接種からの日数経過の影響が考えられ、
このニュースとは別に、ファイザーはアメリカで3回目接種の申請を行いました。
一方、重症化を防ぐ効果については、依然として高く、
5月と6月それぞれのデータで98.2%、93%となっています。

予想されたとおり、東京に緊急事態宣言が発出されましたが、
このような措置が繰り返されるのは、
死者を減らすためです。
感染者が増えれば重症者が増え、医療機関が対応しきれなくなり、
医療崩壊、死者が急増します。
もしも、感染しても重症化しにくいのであれば、
これほどの措置は必要なくなりますので、
引き続き、ワクチンの接種を進めなければならない点はこれまでどおりです。
同じ理窟で「今日の新規感染者数は○○人でした」という報道のあり方も、
考え直す必要があるでしょう。

私がこのmRNAワクチンの効果について期待しているのは、
このようなイスラエルやアメリカなどの豊富なデータがあるからですが、
副反応などのネガティブな効果についてあまり心配していないのは、
データに加え、mRNAという不安定な生体高分子を利用しているからでもあります。

mRNAワクチンが超低温による保存が必要なのは周知のとおりですが、
これはmRNAが極めて不安定だからです。
だから、ファイザーなどのmRNAワクチンの実用化間近と聞いた段階でも、
医師らの多くはその効果についてあまり期待していませんでした。
体の外からmRNAを体内に入れたとしても、すぐに消えてしまうため、
あまり効果はないのではないかと考えたのです。
ところが、蓋を開けてみれば、これまでのワクチンの常識を覆すような効果がわかり、
医師らも認識をアップデートしたのでした。

ただ、効果がどれほどの期間継続するかについては、
データがないためわかりません。
私としては半年もてば御の字、1年なら万々歳でしたが、どうなるでしょうか。
コミナティの3回目接種の件では、
抗体レベルが2回接種に比べての5~10倍に跳ね上がるとファイザーは言っています。
いわゆるブースター効果というものですが、
現時点では企業がそういう認識をしているに過ぎず、
食品医薬品局(FDA)もコメントしていないため、
続報が注視されています。

ノエル・ヌエット「東京風景 御茶の水」


続いて、現場からワクチンが足りないという声が続出している件について、
前回は、自治体や企業の努力、スタッフの努力、
国民の接種意欲の高さによる結果だとしましたが、
さらに、「ワクチン接種円滑化システム(V-SYS)」と、
「ワクチン接種記録システム(VRS)」、

その対応にも問題があるのではないかいう話になってきました。
V-SYSは「どれだけのワクチンが現場に届いたか」を入力するシステムで、
VRSには「どこで誰に接種したか」を記録します。

国が用意したシステムは、だいたい出来が悪いというのは常識ですが、
この2つは完全に独立したシステムで、
全く連携されていません。
現状、2回接種が前提ですから、1回目を接種した医療機関は、
2回目を用意します。
しかし、その人はほかで接種してしまう可能性があるのです。
また、明石市長が国を批判していましたが、
同情する部分はあるものの、
明石市ではVRSの入力を怠っていて、明石市にも責任があります。

ワクチン接種率 大阪は全国「最下位」…松井市長は反論

 

どこの自治体も大変だと思います。
それでも、各自治体の職員たちは頑張ってきました。
住民が多く、優先接種の高齢者が多い大阪府は特に大変だとは思いますが、

「(大阪市)は5月末から7月3日までの個別接種の数を打ち込んでいない」

というようでは、反論する以前に問題があろうかと思います。
VRSへの入力がなければ、データ上は大量のワクチンを抱えていることになり、
次のワクチンに支障を来します。
それでワクチンが来ないと言われても、ということです。
東京・世田谷区もそんな感じのようですね。
世田谷については、医療従事者に対する最初の段階ですら、
まだ、済んでいないという話です。

こちらは大阪府知事の反論。

吉村洋文知事、大阪のワクチン接種率「最下位」に反論「事実とは違う」

 

「大阪市内に1700カ所ある個別接種会場はほとんどが登録していないため、実際には接種しているのに、VRSに反映されていない」

だそうです。

 

 

 

 

こういった報道があって、そのせいか、
次の日あたりから、一気に全国の接種数が増えたんですよね。
慌てて入力したところも多いのでしょう。
ほかの自治体や医療機関でも、VRSへの入力の怠り、遅れはあったようです。

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2031

Trending Articles