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人流は減っているように見える…感染者が減らない最大の理由はやはりデルタか

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小圃千浦「Full Moon, Pasadena, California」


小圃千浦(おばたちうら)は岡山県出身、
アメリカの風景を日本画で描いた画家、版画家ですね。
1903年、アメリカには渡欧する途上の資金稼ぎで立ち寄るも、
そのままアメリカに住み着いています。
差別、低賃金に苦しむ中、サンフランシスコに「富士倶楽部野球団」を設立。
これが日本人初の野球チームなんだそうです。
戦後には日米関係の改善にも尽力し、
日本政府から瑞宝章を授与されています。


さて、先月27日、菅義偉総理が「人流減っている」と記者にコメントしました。
オリンピック開幕前のことであり、そう答えるしかなかったのかなとも思いましたが、
東京のデータを見ますと、たしかに減っているんですよね。
少なくとも、昨年夏の第2波、
昨年秋から今年冬まで第3波ぐらいには減っているように見えます。
この認識が正しいとすれば、
感染拡大が続いている最大の理由は一つだということになるでしょう。

変異ウイルス・デルタ株の影響です。
もしも私たちが第2波や第3波と同程度の感染拡大防止策を講じていて、
感染拡大が止まらないとすれば、
あの頃と同程度の防止策では、感染者数減少は望めないということになります。

減ったとはいえ、全国の人流抑制は充分ではなく、
「まあええやないか」「大丈夫大丈夫」
という人たちが感染を広げているのも事実でしょう。
ただ、ニュース番組の映像などで見るように、
人ごみや反自粛ばかりが強調されますと、
デルタの影響が軽視されてしまうおそれがあります。

デルタに対しては、これまでと同じではいけないという認識が必要でしょう。
しかし、個人にできることは限られています。
結局の所、密を避ける、他の人と近い距離の時、会話する時にはマスクをする、

黙って食べる、飲む、手を洗うことが重要になります。
また、ワクチン接種が可能であれば、接種しましょう。
ワクチンの感染予防効果については、

なかなか確たるデータがないのでわかりませんが、
その確率は70%程度以上にはならないのではないかと考えています。


ただ、入院が必要なほどに症状が悪化する確率は大きく下がり、
90%は期待できるでしょう。
アメリカのデータを見てみますと、
当然ながら、地域により接種率に差があるわけなんですが、
接種率が低い地域では、重症者が増えています。
社会的にもこういうデータが確認できるので、
重症化予防効果はまず間違いないかと考えています。

問題はブレイクスルー感染と呼ばれる「ワクチン接種者の感染」です。
ブレイクスルー感染では、当人は軽症、または無症状で済むことか多いため、
重く考えず、あるいは感染に気付かず、他の人を感染させてしまうことがあります。
このパターンが増えてきているようです。
ワクチンを接種しても、
個人レベルの対策を緩めるべきではない理由の一つがここにあります。

第2波や第3波の頃と同じではいけないとすれば、
第1波の時のことを思い出し、認識をアップデートするしかありません。

新型コロナ厳格措置見直し 厚労省着手 感染症法の扱い緩和も

 

以前からこういう議論はあって、
昨年から5類にすべきという医師もいました。
ただ、5類にしてしまうと、患者個人の医療費がたいへんなことになります。
指定感染症であるから医療費は公費負担となるわけですから。
そのあたりを考慮し、

柔軟に指定感染症としてカスタマイズしていくというのが現実的でしょう。

 

少なくとも、5類にすれば万事収まるなんてことはありません。
新型コロナ感染症の患者を診ることができる医療機関が増えるとすれば、
歓迎すべきなのでしょうが、

5類だとエビデンスなしの「儲かる治療もどき」を行う医師が出てきます。

今だとイベルメクチンが人気になりそうです。


厚労省がこのような話を出してきたのは、医療崩壊の現実に対し、
「もう手の打ちようがない」というふうにも見えます。
保健所の負担を減らすのであれば、
その点は大賛成です。

 

 

 

 

 


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