16日の「第52回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」、
新型コロナ対策を厚生労働省に助言する専門家の会合で配布された資料、
「全国の新規陽性者数等及び高齢者のワクチン接種率等」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000833594.pdf
8日から10日の「ワクチン接種歴別の新規感染者数」の部分を見てみますと、
未接種の人の感染者数が18,767人なのに対し、
1回接種の人は2,166人、2回接種の人は1,945人と少なくなっています。
思ったよりも1回接種の人でも、感染を防いでいるという印象ですが、
2回接種の場合はほぼ1/10となっています。
今でも「ワクチンは重症化を予防するだけ」と考えている人が少なくありませんが、
インフルエンザワクチンなどのような従来型のワクチンと比較しても、
感染予防効果はかなり期待できそうです。
私も12日に2回目を完了し、
今回の副反応は1回目よりも早く現れ、
接種10分後ぐらいから肩のだるさを感じました。
ただ、2回目のほうが重く出やすいとはいうものの、
私の場合、程度は1回目より軽かったと思います。
約2日で症状を自覚できなくなりました。
今、3回目のブースター接種が議論になっていて、
国によっては、既に始まっているところもあります。
まだデータが揃っていないのですが、
Protection of BNT162b2 Vaccine Booster against Covid-19 in Israel
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2114255
医学誌「NEJM」に掲載させたイスラエルのデータによりますと、
3回接種と2回接種の比較で、感染予防効果が11倍強化、
重症化予防効果が20倍強化されていることがわかります。
日本も3回目のワクチン確保を続けていますが、
実際に接種すべきと断言するのはまだ早いように思います。
これからのデータを待ちましょう。
小圃千浦「サクラメントヴァレーの日没」
ワクチン関連ではこちら。
読んではいけない「反ワクチン本」 忽那賢志(大阪大教授)
https://bungeishunju.com/n/n9688db8d2f10
忽那先生も攻め込みました。
書店に行くと、近藤誠だの内海聡だのの反医療本が嫌でも目につき、
うんざりするわけですが、
反ワクチンは商売ですので、
こういう人たちは、自分や家族は接種していることも多いです。
そして、何やら内海聡や中村篤史らが名を連ねていた団体で内輪もめがあったらしく、
脱退した人が多数出たようです。
その理由というのが、発起人の1人が発熱、PCR検査と抗原検査で陽性となり、
イベルメクチンを飲んだこと、だそうです。
つまり、熱が出たぐらいで病院に行って検査するとは何事だ、
そういうことみたいです。
こういう世界と関わってはいけないのです。
イベルメクチン服用も異常です。
ワクチン接種できない人は確実にいるわけで、
その人の権利は守られるべきです。
しかし、自分の意志で接種しないことを選んだのであれば、
その決断によって受ける不利益を覚悟する必要もあります。
しかも、当人はそれでよくても、
その人が感染しウイルスをまき散らせば、
近親者や無関係の人を感染させることになります。
自己責任だとうそぶきますが、責任なんてとれるはずはありません。
医学的にこのワクチンを接種できないのは、
年齢が11歳以下か、PEGアレルギーの人だけになります。
PEGはポリエチレングリコールのことで、
医薬品添加剤としては珍しくないものです。
また、各国ではファイザー製の5~11歳への使用の申請が始まります。
日本も含まれてくる可能性が高いかと思います。
PEGアレルギーがある場合でも、
アストラゼネカ製なら接種できます。
アストラゼネカ製の接種のアナウンスも各自治体で始まっています。
こちらは18歳以上ではあるものの、
ファイザーもモデルナも、アストラゼネカも接種できない人は、
かなり少なくなるでしょう。
「接種できない人」と
「接種しないことを選択した人」は違います。
それでも、接種できない人はゼロではなく、
そういう人を守るためにも、接種できる人は接種しておくべきなのです。
私たちには経済を回さなければならないという使命もあります。
延々繰り返してきたこのゲームのルールを変えるには、
ワクチンが必要なのです。
ワクチンに限らず、
医療は利益と不利益を比べて、利益が大きい時にのみ受けるべきもの。
利益は既にデータで示されています。
残念ながら、mRNAワクチンによる副反応の頻度は高いのですが、
それでも、適切に対応すれば問題なく、長い人でも1週間もあれば軽快しています。
接種しないことを選択した場合に受ける不利益、
「感染しやすい」「重症化しやすい」「誰かを感染させやすい」
これらの不利益との比較が必要になるのです。