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新型コロナウイルス感染症治療の今とこれから

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まずは恐ろしげなお話から。
9月21日に宗像久男氏という開業医の方が亡くなられたそうなのですが、

大切なお知らせ 宗像久男公式ホームページ

 

こちらに

埼玉県の病院にコロナ感染により入院中であった宗像久男先生が
退院直前に心停止をおこし、永眠いたしました。


と書かれています。
ところが、その後もブログが更新されていて、
なんと亡くなられたその日にも、
今朝にも投稿されているのです。

濃厚接触しても感染しなかった話。 その2

 


この方は新型コロナウイルス、あるいはその感染症を「コロちゃん」、
そのワクチンを「わくちゃん」と呼んでいるらしく、
反ワクチン活動を展開していたようです。
Twitterについては「本人ではなくSTAFFからの投稿になります」とあるのですが、
ブログについては不明。スタッフによる投稿にしても、
亡くなられた後に、普段どおりの反ワクチン、
怪しげな健康セミナー、怪しげながん治療のブログを上げるのは不自然です。
考えられるのは、生前に予約された投稿ということでしょうか。

亡くなられた日の投稿にある内容は逆の意味で示唆的です

「濃厚接触しても感染しない!」

これは、自然免疫の免疫力により
感染を防いだことによります。
 
識者によると自然免疫ができると
1年以上、抗体があると言われています。

 今のワクチャンは、
半年程度と言われていますので、
自然免疫は、
とても強いということになります。


宗像氏が考える識者の方がどなたなのかはわかりませんが、
上記は誤りです。
感染歴がある人にもワクチン2回接種が推奨されているます。

ただ、感染歴がある人に対する1回接種により、

感染歴がない人の2回接種に準ずる抗体価が確認された、

というデータがあるのみです。
彼の身近な方が感染し症状が出ていて、
ご自身が濃厚接触者になったそうです。
その後、「濃厚接触しても感染しなかった話。 」が綴られているわけですが、
もしも、その時に感染して、亡くなられたのであれば、
避けられた死かもしれず、とても残念です。


浅野竹二「神垣の竹」


さて、こちらでは新型コロナウイルスに対するワクチンについて、
たくさんお書きしてきましたが、
今回は期待される治療法について考えてみたいと思います。
今、実用化されている中で、
目にする機会が多いのは抗体カクテル療法でしょうか。
中和抗体療法とも呼ばれますが、
新型コロナ感染症に対する抗体カクテル療法では、
カシリビマブ、イムデビマブという2種類の抗体を混ぜ合わせて使用する
ロナプリーブという薬剤による治療法です。

体内に侵入してきたウイルスが細胞の表面に結合する前に、
ウイルス表面にあるスパイクたんぱく質に結合してウイルスの増殖を阻止します。
適用されるのは、発症から7日以内の軽症から中等症とされています。
ロナプリーブに限らず、抗体医薬品は薬価が高く、
感染予防の効果もあるとされますが、
予防効果は1回接種でひと月ほどしかもちません。
予防に使用するのは予算がかかりすぎて現実的ではなく、
治療においては、肺炎症状が見られる前というのも難点です。

続いて先日、期待を持って報道されたモルヌピラビル。
元々はインフルエンザ患者のために開発されていた経口薬で、
服用することにより、体内で起きているウイルスのRNA複製で、
複製エラーを起こさせ、増殖を阻害するという医薬品です。

昨年10月から米メルク&カンパニーなどが第II/III相試験を行っていて、
それが今月1日に

同国の独立諮問委員会が被験者の募集を停止するよう勧告を行い、
その見出しだけを見たものですから、よくない情報かと思いましたら、
既に充分な確信的なデータが得られたからということのようでした。
さらに、今、同社はジェネリック医薬品製造会社に
ライセンスを与えることを検討しているようです。

モルヌピラビルは入院や死亡のリスクを約49%低減させたとされています。
薬価については、今のところ、1日7万円ぐらいになるそうです。
高価ですが、ジェネリックで提供されるようになると、
ある程度薬価は抑制されそうですが…

ワクチンと治療薬、特に飲み薬が揃えば、
いよいよ、新型コロナ感染症は風邪の一種として扱えるようになるでしょう。
ただ、今もなお「風邪を治療する薬を開発したらノーベル賞級」といわれるほど、
ありふれた風邪ですら、治療薬は開発されていません。
医師が処方する薬も、ドラッグストアに並んでいる薬も、
諸症状の緩和薬に過ぎません。
インフルエンザでは、リレンザやタミフルなどがありますが、
これとて、服用すれば体内で増殖するのを抑制するものの、
ウイルスを殺せるわけではなく、
ウイルスが増えてしまってからの服用では、あまり効果が期待できません。

ということで、実のところ、私は新型コロナ感染症の治療薬開発について
期待薄でした。
しかし、ワクチン同様、その予想が外れ、
各社、懸命な開発が続けられていて成果となっています。

まだまだ出てくるかと思います。
ワクチンについても、点鼻薬のようなワクチン、
無数の微細な針、マイクロニードルパッチを用いた経皮接種ワクチンなど、
注射製剤以外の治験が始まっています。

マイクロニードルパッチは美容外科などで、
ヒアルロン酸のものが使用されていますね。
マイクロニードルパッチでは、ゆっくりと体内に薬剤が入るため、
副反応が少なくなるのではないかと期待されています。
残念ながら、第6波は来るのでしょう。
新規感染者数の発表も続くと思いますが、
その数字をどうとらえるのか、
今後、その意味が変わってくるかと思います。

 

 

 

 

 

 


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