寄生虫「エキノコックス」、愛知県で犬の感染相次ぐ 人体に入ると重い肝機能障害
国立感染症研究所が、愛知県の知多半島において、
エキノコックスの定着を確認したそうです。
寄生虫・エキノコックスにより起きるエキノコックス症は、
命にも関わる危険な疾患で、今後、日本全土で蔓延する可能性もあります。
北海道でエキノコックス症はよく知られていて、
北海道ではキタキツネなどが宿主となっていて、
これまでも津軽海峡を超えて、本州にも定着することが危惧されていました。
それが現実になってしまったのかもしれません。
エキノコックスの成虫はイヌ科動物などの小腸内に生息し、
糞とともに体外に出て、ネズミ、ブタ、人などの口から体内に入って幼虫となります。
キツネなどが幼虫を体内に抱えているネズミなどを捕食、
キツネなどのイヌ科動物の体内に"戻る"形で成虫となるというのが生活環です。
人が感染する経路としては、キツネやイヌなどの糞が付着した山菜、
湧き水、川の水などの経口摂取があり、ヒト-ヒト感染は確認されていません。
エキノコックスの幼虫は肝臓、肺、腎臓などに寄生し、
多いのは肝臓への寄生です。
肝臓などに入り込んだ場合、感染初期は無症状であることが多く、
5~15年という長い潜伏期間を経て、
重大な健康被害をもたらします。
症状には、肝臓の腫大、腹痛、黄疸、胆道閉塞、胆管炎貧血、
発熱や腹水貯留などがあり、
幼虫が作った嚢胞が破裂すると、アナフィラキシーを起こすケースもあります。
今のところ、知多半島における国立感染症研究所の見解ですが、
全国に広がる可能性もあります。
山菜や野菜、果物などを食べる時には、
よく洗うようにしないといけません。
イヌと生活を共にされているかたは、放し飼いはせず、
散歩でイヌがネズミなどを追いかける、
弱っている、死んでいるネズミに近づかせないようにしましょう。
野山に出かけた時には、手指をしっかり洗いましょう。
キタキツネだけでなく、ホンドギツネにも近づかないようにしましょう。
今後、エキノコックスに関する報道が増えるかもしれません。
定着地域の拡大などの情報を見逃さないようにしておいてください。
リリアン・メイ・ミラー「Rain blossoms」
リリアン・メイ・ミラーはアメリカの外交官の娘として、
1895年東京に生まれ、
以前ご紹介したヘレン・ハイドの友人で、
ハイドの勧めにより狩野友信に師事。
日本と朝鮮半島を題にした木版画を多数残しています。
さて、新型コロナ感染症についても少し。
新型コロナ後遺症 4人に1人が半年後も何らかの症状、女性、重症が後遺症リスク 日本人457人の調査
一般に、新型コロナ感染症では、
年齢別では高齢者、性別では男性、
体形別では太っている人のほうが重症化リスクが高いとされますが、
後遺症のデータでは、
若年、女性、痩せ型の人たちが後遺症に悩まされていることになります。
真逆の形ですね。
感染せずに済むなら、それに越したことはありません。
引き続き、屋内や人と接する時にはマスクを、密となる状況の回避、
手洗いの徹底を心がけましょう。
また、新型コロナワクチンは、後遺症のリスク軽減にも効果があります。