11月15日、アメリカ・テキサスにあるヒューストンメソジスト病院で、
耳鼻咽喉科医として診療に当たっていたメアリー・ボーデンという医師が
治療権限を停止されました。
これにより、同病院において彼女は治療行為や入院の判断を行えなくなります。
新型コロナウイルス感染症の治療にイベルメクチンをと、
Twitterで宣伝していたことがその理由で、
そのほか、病院スタッフに対するワクチン接種義務化について批判。
新型コロナウイルス感染症とワクチンについて、
個人的意見と政治的意見をtweetしており、
公衆衛生当局が警告したものの、改める様子がなかったことから、
病院側がそれに対応したという形です。
もちろん、アメリカのFDA(食品医薬品局)は、
この感染症の治療や予防にイベルメクチンを使用することを認めておらず、
動物用の薬を服用しないよう警告しています。
同病院は彼女の発信内容について、
「地域社会に有害」だと断じています。
土屋光逸「浅草金竜山」
日本ではインドで、
イベルメクチンが大勢の患者を救ったというデマが流れました。
特に最大人口のウッタル・プラデーシュ州のデータが流布されていました。
その後、日本で感染者数、重症者数、死亡者数が少ないという事実から、
欧米などで
日本ではイベルメクチンが処方されているから
というデマが拡散されるようになります。
日本の成功は
イベルメクチンによる成果だ
としていました。
拡散されるにつれ、デマもどんどん話が変わっていくものです。
たしかに、ウッタル・プラデーシュ州でイベルメクチンが処方されたようですが、
デマでは5月から処方となっていたものが、
現実には8月からだったり、
重症化予防についてのデータがなかったり、
さらに死亡者減という主張については、
そもそも、この州の当該数か月間で
自動車事故、がん、殺人、自殺などを含め、
あらゆる死亡が報告されていませんでした。
その数か月間、州住民の誰も亡くなっていないなら、
自動車事故、がん、殺人などでもイベルメクチンに効果があることになります。
この州で状況が改善されたとすれば、
過去の感染、ワクチン接種、ロックダウンなどによる影響だと考えられています。
私はこの問題について、
研究するならすればいいという立場を繰り返し表明してきましたが、
もはや諦めるべきかと思います。
今月の初めにも、治療効果があるとする論文のデータに捏造が見つかり、
例の如く、同じ患者のデータを複製して貼り付けていました。
なぜ、こんなにもイベルメクチンで研究不正が起きているのでしょうか。
日本では北里大学あたりが研究しているのですが、
北里には4億円が投入されているものの、
出てくるデータは実に酷いもの。
治験参加者はわずか240人、
投与結果の有効性を判定しているのが1回のPCR検査のみ。
患者の状態がどう改善したのか、改善しなかったのか、
そういう判断材料がないんです。
これは北里の研究チーム自身が、効果がないことを知りつつ、
「効果がある」と言い出した手前、
だらだらと研究を続けているようにも見えます。
これが臨床研究とはいえないことぐらい、
私のようなド素人でもわかります。
PCR検査のみに頼るあたり、
実に薄汚い根性が透けて見えます。
たまたま、その時に陰性になってくれる患者を
期待しているようにしか見えません。
イベルメクチンの目的外の乱用は、
本来、必要な疥癬患者のためのイベルメクチン不足を生み、
ヒゼンダニなどに耐性をつけてしまう可能性が生まれ、
今後、ヒゼンダニなどに対し、この薬が使えなくなるかもしれないのです。