北京冬季オリンピックが開幕しました。
その開会式が東京2020よりも素晴らしいという意見が多く見られますが、
もしも、政治体制が中国と同じであったなら、
日本もあれぐらいのことはできたのではないかと思います。
私は2020の開会式について、スベった部分はあるものの、
いろいろあった中で、よくできたのではないかと思っています。
グダグダに見えたという人が多い原因は、
コロナ禍など想定していない状況から、
急遽、コロナ禍対応にプログラムが変更されたから。
そして、それ以上に過去の不祥事などでメディアや国民が騒いだからでしょう。
もしも、開会式総監督の張芸謀(チャン・イーモウ)監督に醜聞があったとしても、
中国共産党はそれを黙殺し、その批判を権力により圧殺することでしょう。
実際に彼にはいくつかのスキャンダルが報じられていたはずで、
日本のメディアも含め、それを掘り起こそうとはしていません。
今の日本なら、彼が総監督であり続けることはあり得なかったはずです。
私は選手のためにこのオリンピック開催は理解しますが、
セレモニーは別です。
占領下にある新疆ウイグル、チベット、香港の人権問題、
さらに、競技会場で強制立ち退きさせられた人、
そういうものが頭から離れないため、
とても、あの開会式を賞賛する気にはなれないのです。
今、新疆は監視技術の実験場でもあります。
その技術が北京冬季オリンピックのバブル管理に活かされているのです。
伊東深水「ボンボン時計」
日本では小泉純一郎、細川護煕、菅直人、
鳩山由紀夫、村山富市という総理経験者が連名で、
「原発事故により多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しみ」
という表現が含まれている書簡をEUに送付していました。
ずいぶん前からここで何度もお書きしてきた問題です。
UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)が
「甲状腺がん、白血病ならびに乳がん発生率が、
自然発生率と識別可能なレベルで今後増加することは予想されない」
と、既に結論を出しているのです。
福島で増えているように見えるとすれば、無症状者を検査するからです。
繰り返しになりますが、
無症状の人に甲状腺がんの検査は推奨されていません。
国際的基準ですし、日本でも定期健診は
胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんだけです。
甲状腺がんはゆっくりかけて進行するものであり、
がんがあることを知らないまま生涯を終える人も少なくありません。
早期発見のメリットがないがんで、
過剰診断のリスクがあるために、
無症状の人に甲状腺がんの検査は推奨されていないのです。
検査を含む医療は常に、利益と不利益を天秤にかける必要があります。
乳がん検診でも、過剰診断の可能性はそれなりにあるのですが、
それでも、進行が早く、命を奪うがんであるために、
早期発見のメリットがデメリットを上回るとして、
定期健診が推奨されているわけです。
菅直人なんて、事故当時の責任を負っている当時の総理大臣です。
それが他人事のように、福島の風評加害を続けています。
ヨーロッパが地球温暖化対策で原発推進に舵を切り始めたのに危機感をおぼえ、
なりふり構っていられなくなったのでしょう。
幸いにも、欧米のメディアはこの書簡について、
大きく扱ってはいないようです。
岸田総理はこの件について5人の風評加害者を批判。
ただ、福島県で子どもたちに行われているスクリーニング検査は続けられています。
過剰診断の被害は今も続いているわけです。
国の責任で直ちに終了すべきです。
症状もないのに、甲状腺がんを発見された人は、
手術で摘出されたり、一生服薬しなければならなくなります。
過剰診断は健康被害を生んでいます。
山本昇雲「子供あそび 雪戦」
最後に新型コロナウイルス関連を。
甘利明衆議院議員が
塩野義製薬が開発中のワクチンと治療薬の治験報告に来ました。日本人対象の治験で副作用は既存薬より極めて少なく効能は他を圧しています。アメリカ政府からも問合せがある様です。ワクチンは5月めど治療薬は2月中にも供給は出来ます。外国承認をアリバイに石橋を叩いても渡らない厚労省を督促中です。
https://twitter.com/Akira_Amari/status/1489434639555248130
とtweetした件。
塩野義はゾフルーザで耐性インフルエンザウイルスの問題で、
治験が不充分であることが明らかになり、
日本中、世界中に迷惑をかけました。
コロナ禍でも自社の価値を上げることを優先しているよう見受けられ、
有力議員を視察に繰り返し招いていますが、
現場に期待の声がないのが塩野義です。
必要なのは、公正な治験です。
甘利氏は「他を圧しています」としていますが、
現時点で当該のワクチンの対照群は生理食塩水です。
どのようにしたら他よりも優れているといえるのでしょうか。
この部分だけでも、彼がデータを確認していないことがわかります。
次に興和がオミクロンにイベルメクチンに効果があるというプレスリリースを出しました。
https://www.kowa.co.jp/news/2022/press220131.pdf
もちろん、非臨床試験で北里大学との共同研究。
なぜ、わざわざこんなリリースを出してきたのでしょうか。
試験管レベルでよければ、ポビドンヨード、つまりイソジンも、
クレベリンも効果があるということになります。
結局、株価など自社の価値を上げたいだけなのでしょう。
こういう企業からの「朗報」っぽく見える報道は、
一定の距離を置いて、慎重に一次ソースとデータを確認する必要があります。
ろくなデータもないのに、厚労省を督促し、
緊急承認された日には、取り返しのつかない健康被害が出るかもしれません。
ワクチンでは過度なアピールもなく、
正しいプロセスで治験を続けている第一三共や武田あたりには好感が持てます。
オミクロンでは、沖縄がピークアウトしたとされます。
全国的にも実効再生産数が1に近づいています。
ただ、重症化する高齢者は増えるかもしれません。
ここまで20代が最も多かった第6波ですが、
各国では若年層の感染者数に追いつく形で、
高齢者の感染者が増えています。
デルタまでより減少スピードが速いのがオミクロンの特徴ですが、
高齢者が重症になると、治療に長くかかり、
死亡のリスクも高いです。
現時点で重症化している人はワクチン未接種の人が多く、
ワクチンを接種できる人は、急いだほうがいいようです。