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電力不安は国家の恥・生命の危機 / ゼレンスキー「以心伝心」国会演説

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3月16日深夜に福島県沖で発生した最大震度6強の地震で、
火力発電所が被災し、運転を停止。
東北、関東が大停電の危機に陥りました。

2011年の福島第一原発の事故後、
原子力発電所が軒並み運転停止となり、
電力会社は火力発電所をフル稼働させました。
老朽化し、役目を終えるはずだったシステムも使用し、
無理矢理遣り繰りして、需要電力を賄ってきました。

なんとか大事にならずに済んだわけですが、
このままでは、夏になればほぼ確実に同様のリスクが訪れます。
四の五の言わず、動かせる原子力発電所を稼働させるしか方法はありません。
ウクライナ危機により、石油、天然ガスが高騰し、
供給不安も増しています。
「反原発」論者の中には、チェルノブイリ原発をロシア軍が攻撃したことにより、
再稼働反対を唱える人が少なくありませんが、
稼働していようが停止中であろうが、
ミサイルが直撃した時のリスクは同じです。
だったら、動かさない選択はあり得ないのです。

そして、電力自由化。
ここでも何度かこの問題で反対の立場を示してきました。
2018年の北海道胆振東部地震の時には「ブラックアウト」が起き、
それに合わせてもお書きしました。

電力自由化により電力会社は顧客の維持、
新規顧客の獲得、解約者の再獲得に予算が必要となります。
価格競争で他社に勝たねばなりません。
従来の電力会社には、電力網の敷設や保守、更新の責任がありますが、
そういった予算が削られ、
広報や値下げに予算が持って行かれる可能性があるのです。

世界では実際にその結果、大停電が起きた都市もあります。
電気料金にしても、諸外国では短期的には下がっていても、
中長期的には、自由化前よりも上がってしまっているケースが少なくなく
本当に自由化で電気料金が下がるのかということに疑問を持たねばなりません。
安定した電力は命を守るのです。

 

 

 

 

 

竹久夢二「おはなし」

 

 

 3月23日、ゼレンスキー大統領が日本の議会向けに演説を行いました。
見事なリサーチ力だったように思います。
日本人の精神性の弱さと、
日本があまり期待されていないことを実感したように思います。

どうすれば、日本人に共感してもらえるか、
それを考え、その狙いは成功したのでしょう。

議員たちが総立ちを拍手をした。

その様子は世界に配信されました。


日本には「以心伝心」という言葉があるように、
「言葉にしなくてもわかる」という文化があります。
彼は「福島」という言葉を使わずに、それを日本人の頭の中に想起させ、
「チェルノブイリを戦場にしたロシア」の暴挙を伝えました。
化学兵器を使用される可能性を「サリン」という言葉で伝えました。
「北方領土」に相当する言葉は使用されましたが、
それは"私たちの「北方領土」「東方領土」「南方領土」"
という表現の中でのことでした。

在日ウクライナ人からアドバイスを受けたのか、
アメリカからレクチャーがあったのかはわかりませんが、
日本向け演説のカスタマイズは成功したはずです。

全訳については各社で行われていますが、

ゼレンシキー宇大統領の日本の国会での演説全文

 


こちらが特に優れているようで、ぜひご一読ください。
また、在日ウクライナ人会社員の方による要点はこちらです。

https://twitter.com/nippon_ukuraina/status/1506616539294105600

こういった各国での演説も含めて、
ウクライナは情報戦で、ロシアに完勝している状態です。
もはや、ロシアがこの方面で巻き返すことは困難で、
プーチン側の「大本営発表」が通用するとすれば、
それは国内だけ。それも疑いを持つ人が増えています。

ただ、ゼレンスキー大統領が訴えるとおり、
打つ手がなくなったロシアが生物・化学兵器を使用する可能性が充分にあり、
その先には核兵器があります。
プーチンは
「自分が核兵器を使用する覚悟を示している限りNATOは手を出せない」
と考えているはず。

甘く考えるのは禁物です。

大統領は制裁の継続を訴えたのですが、
それ以上に戦後復興を日本に期待しているのでしょう。
本心では武器などを供給してほしいものの、
法制上、それがあり得ないことを理解しているので、
復興への協力に日本の力を求めているのだと思います。

最後に、日本では各地のまん延防止等重点措置が解除されました。
ただ、韓国や香港で猛威を振るうBA.2、
ヨーロッパ各国で再拡大の兆しがあること、
今も日本では手一杯で診療に制限をかけざるを得ないところもあることなども、
認識しておいていただければと思います。

 

 


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