国会が閉幕し、事実上、参議院選挙の選挙戦が開始したわけですが、
先日、我が家に立憲民主党のパンフレットが投函されていました。
酷いな、と思った次第なので、日本と世界の現状と合わせて、
考えてみたいと思います。
立民の「2022特設サイト」で確認できるわけですが、
特に具体的な話が書いてあるわけではありません。
ただ、お馬鹿なことが書かれているため、否定しておかねばなりません。
物価高と戦う
(暮らしを守る)
のページでは、「円安放置の金融政策の見直し」を掲げ、
円安の進行とそれによる「悪い物価高」をもたらす「異次元の金融緩和」については、物価安定目標を前年比上昇率2%とした政府と日銀の間の取り決め(共同声明)を見直すなど、市場との対話を通じながら、見直しを進めます。
と謳われています。
今、円安です。円安ということは、
円が売られ、主にドルが買われているということです。
つい先日もアメリカの中央銀行に相当するFRBが
0.75%の政策金利引き上げを発表しました。
基本的に、資金は金利が低い所から高い所へと流れます。
より多くの利子が期待できるからです。
「円安放置の金融政策の見直し」ということで、
日本にできることは限られていて、
日本も政策金利を引き上げることしかないかと思います。
円安はある程度、止められるかもしれませんが、
効果は限定的でしょう。効果があっても長持ちはしません。
昨年来、FRBの利上げはわかっていたことですので、
韓国は4回利上げを行っています。
ただ、ずっとウォン安は続いています。
おそらくは、利上げを行っていなければ、
もっとウォンの価値は下がっていたでしょうが、
利上げのおかげで、
国民や企業などが抱える負債の利子などが増えてしまうことになりました。
韓国の場合、対外純資産も日本とは比較になりませんし、
日本の対外純資産は31年連続で世界最大、
この円安でその価値が激増しました。
日本円は国際通貨であるのに対し、
国際取引に使用しづらいウォンとでは事情が異なるため、
韓国は利上げしなければならなかったことになります。
日本も政策金利を引き上げればいいのかといえば、
そんなことはないのです。
日本は20~30年もの間、デフレが続いています。
こんな状況で、政策金利を上げ、
「異次元の金融緩和」の見直しを行って、金融を引き締めれば、
円安だけが残ります。
日銀・黒田総裁は緩和継続を明言しましたが、
マスコミはこれを叩いているものの、
立民が掲げる「円安放置の金融政策の見直し」を行ったところで、
結局は円安にさらなる不景気という笑えないオマケまでついてくることになるでしょう。
「物価高と戦う」ページで効果があるとすれば、
国民生活や国内産業に甚大な痛みが生じていることを踏まえ、税率5%への時限的な消費税減税を実施します
の部分でしょうか。
わざわざ「時限的」としているあたりで、
景気への効果はあまりないでしょうが、
とりあえず、消費税5%ぶんの生活者支援にはなるはず。
ガソリン減税、灯油・重油・LPガス・航空機燃料などのトリガー条項についての言及も、
評価すべきかもしれません。
しかし、これは酷いですね。
時給1,500円を将来的な目標に、中小零細企業を中心に公的助成をしながら、最低賃金を段階的に引き上げます。
もう一度、韓国の例を出しますと、
文在寅政権が大きく最低賃金を上げたわけですが、
韓国は国際競争力を失っていきました。
人件費の上昇は価格に上乗せされることになり、
上乗せできない企業は、モノを作っても儲からなくなりました。
韓国から東南アジア諸国への乗り換えを促進してしまいます。
立民の公的助成は、それを緩和する効果がありそうですが、
2021年の最低賃金(最低時給)を見てみますと、
最大で東京都の1,041円がトップ。
高知県と沖縄県が820円で最低です。
ここから、500円以上、時給を上げるととして、
どれだけ、公的助成により補填し、いつまで続けるのでしょうか。
それって、ずっと批判し続けてきた「バラ撒き」と何が違うのでしょうか。
参院選は政権選択選挙ではないとはいえ、
あまりにもテキトーです。
もしかすると、衆院選だったとしても、
同じようなお題目を並べていたのかもしれません。
今、なぜ、FRBが利上げを続けているかといえば、
アメリカにインフレに対する懸念があるからです。
アメリカは好景気+物価上昇の最中にあり、
日本はずっとデフレが続いていて、事情が異なります。
今、日銀が政策金利を引き上げ、
「円安放置の金融政策の見直し」なんかをしたら、
大変なことになりますよ。
日本の問題は、とにかく成長していないことに尽きます。
国が投資を行わず、補助金はある程度出してきていますが、
現状維持か先細りするだけの年月が続いているのです。
今すぐには無理ですが、ここを変えていかないと、
これからもデフレは続いてしまいます。
岸田政権にも期待できないことですが。
あとは
着実な安全保障
(対話による平和)
もなかなかのもの。
ここに書いてある文言と、日頃の行いが酷いです。
立憲民主党の有志議員が「自衛隊員応援議員連盟」を設立したそうなのですが、
選挙公約に「自衛隊は合憲」とするものはありません。
会長が枝野幸男前代表というのも笑いを禁じえません。
民主党政権は自衛隊を含む国家公務員の給料7.8%カットしていたのですが。
仙谷由人官房長官なんかは、「自衛隊は暴力装置」と呼びましたからね。
身内に自衛隊員はいませんが、一生忘れません。
まあ、既にお書きしたように、
今後も政権交代なんて全く考えていないことがよくわかる内容です。
衆院選で「立憲共産党」なんて言われたものですから、
違いをアピールしたかったのでしょうが。
松野奏風「石橋」
さて、米国FDAが生後6カ月から5歳までのファイザー製と
モデルナ製の新型コロナワクチンについて、緊急承認しました。
繰り返しお書きしているように、
「新型コロナはインフルエンザと同じか軽い」なんていうことはなくて、
アメリカではインフルエンザを含むほかの感染症よりも、
子どもの死者数が多くなっています。
あとは、オミクロンのBA.4、BA.5ですね。
南アフリカで増えていたのですが、ヨーロッパ諸国でも拡大中です。
日本でもちらほら報告されてきていますので、
いずれ置き換わるのではないかと考えられています。
今のところ、伝播スピードがオリジナルのオミクロンよりやや速く、
重症化リスクに大きな変化は見られませんが、
今後も注視していく必要があるでしょう。