新型コロナウイルスの感染者が増えています。
BA.5の広がりやすさが可視化され、
怖ろしさを感じています。
「屋外ではマスクを外す」という部分だけ強調されてきましたが、
BA.5への対応ということもあり、
屋外においても、人との距離が近い時にはマスクをしてください。
さらに、換気の重要性も増しているのかも。
ワクチンの効果もあり、感染者数のわりには重症者数は少ない状態です。
ただ、心配なのは子どもたち。
5~11歳において、接種率は低く、17%程度。
お子さんがいらっしゃるご家庭であれば、
あちらこちらで学級閉鎖が起きているという話は、ご存じかと思います。
12歳以上においても、
3回目を済ませている重症者は少なく、
2回までですと、重症化リスクを無視できないようです。
たいへんマズいのは沖縄県で、
14日までに新規陽性者数が3日連続で過去最多。
全国の3回接種済みの人は62.3%なのですが、
沖縄県は46.1%にとどまっています。
元々、医療機関が充実しているとはいえない地域であり、
海に囲まれていることから、県外への搬送もたいへんになります。
沖縄県は「今後も3000人超が続けば、県民に行動制限を求める」としています。
特に懸念されるのは、石垣市、竹富市、与那国町といった八重山諸島。
ここで感染爆発が起きて、こちらもワクチン接種率が低いとすれば、
手の施しようがなくなり、成り行きに任せるしかなくなってしまう可能性があります。
子どもについて、重症化リスクが低いというのは事実です。
ただ、感染者数が増えると、重症化の"確率"が低くても、
重症化する子どもの"数"は増えてしまうことになります。
今、40度を超える高熱で小児科を訪れる患児が増えていますが、
これも「軽症」なのです。
つらくても「軽症」なので、重症化リスクが低いとはいえ、
避けられる子どものつらさは避けたいものです。
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科疫学・衛生学分野の調査によりますと、
ワクチン接種による副反応は成人よりも少なく、
症状がある場合でも、軽度のことがほとんどです。
2020年、子どもの新型コロナ感染症で
川崎病のような症状の報告が世界から相次ぎました。
実際は川崎病ではなく、川崎病のような症状が出るということで、
現在はMIS-C、小児COVID-19関連多系統炎症性症候群と呼ばれます。
MIS-Cは感染から数週間後に全身に炎症が起き、
心臓などの臓器の働きが悪くなり、死亡例もあります。
ワクチン接種は、MIS-C発症のリスクを下げます。
ワクチンは感染した人の後遺症のリスクも下げます。
現在、各医療機関の発熱外来に患者が押し寄せていて、
それでも、ワクチン3回接種済みであれば元気なことがほとんどとのこと。
小児科では、そういうわけにはいかず、
高熱の子どもたちだらけになっています。
その多くがワクチン未接種で、小児科ができることといえば、
解熱剤を出すなどの対症療法ぐらいしかありません。
しかも、今後さらに患者が増えるようであれば、
その対症療法ですら、難しくなる可能性もあるでしょう。
第6波の時に比較的静かだったのは、
ほかの感染症が流行していなかったことも関係していて、
今は、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス(hMPV)、
手足口病、ヘルパンギーナなどが流行中です。
発熱を伴う疾患が多く、そのあたりも小児科を苦しめています。
オミクロンが重症化しにくいというのは、デマといってよいです。
たしかに、デルタと比較すれば、重症化リスクは低いです。
しかし、最初の変異株、
イギリス型などと呼ばれたアルファ程度には危険なウイルスなのでしょう。
現在、国の考えとして接種可能なのは、
「60歳以上または基礎疾患のある人」4回
「12歳以上で上記以外の人」3回
「5~11歳の人」2回
です。
昨夜、医療関係者に対し、4回目接種の方針が発表されましたが、
遅すぎる対応です。
ファイザーなどでは、2価ワクチンの開発が進んでいて、
複数の型に対応するワクチン接種が可能になります。
本当であれば、それを待って接種したいところですが、
四の五の言っている時間はないようです。
それぞれ、可能な限りの接種をお願いします。
チャールズ・ウィリアム・バートレット
「Hawaii, The Surf Rider」
最後に明るめの話題。
京大などの研究らしいのですが、
以前から、テキサス大学なとでアルパカの特性を利用して、
コロナウイルス全般を中和できる抗体の研究は行われていました。
これが形になればSARS-CoV1(いわゆるSARS)、
MERSだけでなくSARS-Cov2(いわゆる新型コロナ)などへの効果が
期待できることになります。
基礎研究の賜物ですね。
近いうちに「政治と宗教」で何かお書きしたいと思っております。