15日にウクライナ国境に近いポーランド東部にミサイルが着弾、
2人が死亡した件では、
世界は第三次世界大戦の可能性を考えたかと思います。
第一報の時点で考えられたのは、
・ロシアがロシア製のミサイルでポーランドを攻撃した
・ロシアがロシア製のミサイルでウクライナを攻撃したが逸れた/外れた
・ウクライナがロシア製のミサイルでポーランドを攻撃した
・ウクライナがロシア製のミサイルでロシアを攻撃したが逸れた/外れた
・ロシアがウクライナのミサイルを迎撃したが逸れた/外れた
・ウクライナがロシアのミサイルを迎撃したが逸れた/外れた
結局、「ウクライナがロシアのミサイルを迎撃したが逸れた/外れた」ということらしく、
各国が自制的な反応を示していたことで、
ひとまずは第三次世界大戦への突入は避けられました。
事実が明らかになるにつれ、ゼレンスキー大統領の見解が注目されましたが、
報道の多くは「ロシアのミサイルだ」というもの。
ただ、ゼレンスキーがこのような発言をした事実はないようで、
こちらが発言内容に近いものかと思います。
「私が空軍司令部からザルジュニー総司令官までの個人的な夜の報告を疑うことはない。私は、それが私たちのミサイル、あるいは私たちのミサイル攻撃ではなかったということを疑っていない。私には、彼らを信頼しないということには、意味がないのだ。私は彼らと戦争を乗り越えてきた。私は、多くの首脳と話をした。私には、『ウクライナを現場に通してもらえないか?』というシンプルな立場がある。それが公正だ。私は、私たちにはその権利があると思っている。捜査が終わっていない間は、最終的な結論を口にしないでも良いだろうか? 私は、それが公正だと思っている」
また、
ポーランド領へのミサイル着弾に関する捜査情報を得たい
という意向を示しているとのこと。
戦時下の大統領であり、彼はこの問題が繊細であることを理解しているようで、
戦時下における彼の判断材料は軍からの情報であり、
それを疑うことは、信頼関係を損ねることを意味するということでしょう。
戦後に処理される問題ではないかと思います。
月岡耕漁「能楽百番 井筒」
続いて、尾身茂新型コロナ対策分科会会長のインタビュー。
富山テレビによるインタビューですが、
本来、分科会が政府に意見を上げるべきところ、
今は政府の意向が分科会に下りてくるという事態になっていて、
政府を通した尾見先生のコメントよりも、
こういう形のほうがわかりやすいと思います。
10日のインタビューということで、
波の捉え方には時差がありますが、
「緊急事態宣言や重点措置を出しても意味がないと思う。一番はワクチン。若い人は換気の悪いところではマスクをするということ」
「今もっと必要なことは、ワクチンをしっかり打ってもらいたい。高齢者は進んでいるが、比較的若い年代は思ったより進まない。これをどうやったらわかってもらえるかという方に政府は全力を尽くすべき」
ワクチン接種の普及への努力は重要ではないかと思います。
政府には努力している姿が見られません。
安倍政権なら、菅政権ならと考えてしまいます。
新潟県の第7波のデータを見てみますと、
感染者数で第5波までの28倍、
1か月あたりでは300倍を超えます。
子どもの重症化率が低いことは知られていますが、
新潟では感染した小児の1%が入院していて、
1%しか入院していないのに、感染者数が多いため、
重症者が増えて、救急の搬送先が見つからない、
子どもが苦しんでいても、帰宅してもらうという事態になりました。
第3波の頃からお書きしているように、
医療を逼迫させるのは、「率」ではなく「数」です。
ワクチン接種で入院のリスクを1/3にすることができます。
さらに、シンガポールのデータでは、
5~11歳255,936名を対象にした試験で、
82.7%の入院予防効果が確認されています。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2203209
年齢ごとに、現時点で接種できるワクチンを接種してください。
やっぱり、各国と同じように、インフルエンザが流行し、
RSウイルス感染症も増えています。
ご注意ください。
あとは第一三共のワクチンが承認申請されたという件。
これはファイザーやモデルナなどの
mRNAワクチンを2回接種した人を対象にした試験で、
3回目に第一三共製と既存ワクチンを接種した人を比較したもの。
既存ワクチンよりも、
第一三共のもののほうが感染予防効果が期待できるとしています。
技術的には「新規核酸送達技術」と呼ばれ、
抗原をコードする核酸を細胞内に送達、
抗原タンパクを抗原提示細胞内で発現させるというもの。
2017年10月に国立の日本医療研究開発機構における
医療研究開発革新基盤創成事業に採択されていますね。
疑問としては、オミクロンなどの変異に対してはどうかという点。
第一三共は従来株とオミクロン双方に対応する2価ワクチンも開発し、
23年度にも新たな治験を開始するとのことです。
https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202211/20221115_J.pdf