岸田政権について、支持する理由は何もなかったわけですが、
さすがに、ここまで愚かだとは思っていませんでした。
かねてより懸念していた
新型コロナウイルス感染症を
「新型インフルエンザ等対策特別措置法」における
指定感染症ではなく、5類という扱いにすることにしたようです。
何度もお書きしてきたことですが、今でも
「5類にすればどこの病院でも診てもらえる」
と思っている人が多いことに驚くわけです。
診療する医療機関が減ることはあっても、
増えることはないのではないでしょうか。
まず、医療機関側は国などの補助金支給に法的根拠がなくなりますので、
病床確保をしなくてもよくなります。
空床を維持するには、予算がかかります。
普段から医療機関の経営は厳しく、多くの病床が回転してないと、
赤字続きになります。補助金もないのに、
赤字の原因を甘受するとは考えにくいです。
そして、医療機関にとって、まず優先すべきなのは、
「自分のところの患者」です。
この問題でよく引き合いに出されるのは、
医師法19条の応召義務、診療義務ですが、
これは医師が診察治療を拒んではいけない義務のことです。
「診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、
正当な事由がなければ、これを拒んではならない」
この条文には「正当な事由がなければ」と但し書きがあり、
各医療機関が「動線を分けられない」などで、
施設内での感染拡大が懸念されるとした場合、
これは「正当な事由」になります。
そもそも、これは法解釈において、
患者に対する義務というよりも、
国との公法上の義務です。
刑事罰はなく、戒告レベルですら、
現在までに行政処分の例はありません。
実際、この感染症の診療を行っている医療機関にしてみれば、
既に5類並みの対応となっていて、
今から増えるかといえば、期待薄ではないでしょうか。
岸田文雄総理は、「検討使」と揶揄されるほど、
「聞く力」を発揮したとしても、実行力のない人でした。
しかし、この問題については、
感染症の専門家にろくに諮らずに、
さっさと決定してしまいました。
その裏には、財源というものがあるのでしょう。
当然、総理になる前から、
国民ではなく、財務省に寄り添い続けてきた岸田氏ですから、
この決定は財務省からの要請を受けてと考えるべきです。
さらに愚かなのは、マスクの室内着用を推奨しないという方向で動いているらしく、
もうこれは、最悪の政権だった菅直人政権以上のクソ政権だと言ってよいでしょう。
感染症法上の分類に、マスク着用は関係なく、
なぜか、同時進行させています。
むしろ、これから国民は危険にさらされるわけであり、
マスクの着用を強く求めていくべきなのですから。
岸田政権が卑怯なのは、
「予算が確保できませんので5類にします」
「ある程度亡くなる方が増えるのは覚悟して下さい」
「だからワクチン接種を含め、より一層対策をお願いします」
と言わないことです。
そして、世間に「かつての日常」が戻ると誤解させ、
感染拡大予防策から、手を引かせるわけです。
この対応変更により、亡くなる方が増えるのは確実で、
後遺症を抱える人も増えます。
医療費を理由に症状が悪化しても、
医療機関にかからない人が出てきます。
それでも、病床は埋まり続けるでしょうから、
入院できなくなり、高齢者を中心に自宅で亡くなる方が続出。
気の毒なのは、介護現場で、
医療機関が頼れないため、高齢者施設内での看取りが増えそう。
国民の怨嗟は医療機関や医療従事者に向けられることが予想され、
政権はそれで良しと考えているのかと思います。
現時点でも一般と医療従事者の認識の差は大きく、
それが医療崩壊の原因になるかもしれません。
2006年、小松秀樹医師は
「立ち去り型サボタージュ」という言葉を用いて、
警鐘を鳴らしていましたが、
今後、心が折れてしまうスタッフが増えそうです。
心が折れた医療機関からスタッフがいなくなるのです。
特に破格のギャラが出ているわけではなく、
患者の命と健康を守りたいだけなのに、
罵声を浴びせられるのですから。
XBB.1.5の拡大が懸念されているこのタイミングで、
国としての関与を下げていくというのが岸田政権です。
しかも、安倍・菅義偉政権とは違い、
ろくにワクチン接種の啓蒙も行っておらず、
小児の接種率は低いままです。
ロサンゼルス・タイムズの記事ですが、
新型コロナ、インフルエンザ、RSウイルスが大流行し、
保護者たちがマスク着用の義務化を求めています。
児童の2/5が授業のうち10%を欠席、
これでは学習に影響が出るのも当然です。
感染者の外出規制も見直すとのことで、
クソ of クソの判断です。
たとえば、小児科では普段から待合室に泣き声が響き渡ることがありますが、
年齢的にマスクが難しい子どもたちもいます。
そこに「昨日は熱があったんですが、下がったんで診て下さい」
という患児と親も来るわけです。その患児が泣き叫ぶことも。
待合室にウイルスが飛散することになるでしょう。
実に恐ろしいです。
山本昇雲「いますがた なんにもしらず」
前回、主に症状について、この感染症の厄介さをお書きしましたが、
それ以上に厄介なのは、発症の3日前ぐらいから、
感染者は自覚することなく、誰かを感染させてしまうかもしれないことです。
だから、私たちは自分が感染しないためという理由以上に、
誰かを感染させないという理由でマスクを着けてきたわけです。
それを岸田政権は、「症状のある人以外」マスク不要にしようというのです。
これをクソと言わずして、何をクソというのでしょうか。
こちらは米イェール大学などの研究。
バングラデシュのマスクの着用率が高い地域では
新型コロナに感染する人の割合が低いとしています。
ワクチン接種をろくに進めない、しかもそれも有料化しようとする、
さらにマスクも外させるわけです。
想像するに、世間ではマスクを外さない人のほうが多いような気もします。
こんなクソ政権の旗振りでは安心できませんので、
今までと対応は変えません。
ただ、少数の脱マスク感染者から感染拡大は加速することでしょう。
ちなみに、風疹や麻疹も5類であり、
これらも厄介な感染症ですが、診療を断る理由になり、
病棟の閉鎖や診療中止もあり得ます。
5類になれば、保健所が入院先の調整から外れることになます。
そういった理由からも、死者増、後遺症患者増になろうかと思います。
反ワクチンの人たちの中には、快哉を叫んでいる人もいるようですが、
実際はワクチン接種前提の世の中になろうとしているというのが、
現実なのです。