数日前に、Twitterで盛り上がっていたのでその話題を。
ヒトを対象にした臨床試験の受託運営をしている
株式会社オルトメディコなんですけれど、
こちらのページには、
「業界初！！！！！
ヒト臨床試験 有意差完全保証プラン」
とあります。その下の説明には
「通常、臨床試験は有意差を保証できるものではありません。
しかし、オルトメディコのノウハウを駆使すれば必ず有意差を出せます！」
と謳われています。
つまり、依頼を受けて臨床試験を行い、
その結果がクライアントにとって都合が悪い結果でも、
もう一度、そして何度でも臨床試験を追加料金なしで行うというのです。
私たちは義務教育で「確率」というものを学ぶわけですが、
何度でも試行できるならどんなに低確率でも、
任意の結果は出現すると教わるかと思います。
一般的なコインがあるとして、
コイントスで表が出る確率と裏が出る確率に偏りがない場合、
表が出る確率は50％になります。
2回続けて表が出る確率は25％
3回続けて表が出る確率は12.5％と、
以下、繰り返し続けていくと連続して表が出る確率は小さくなっていき、
やがて0に近づいていくでしょうが、絶対に0にはなりません。
オルトメディコが何を謳っているかというと、
コイントスでの有意差が「表が連続で10回出る」で確認できるとした場合に、
「表-表-裏-表-表-裏-表-裏-裏-表」
「裏-表-裏-表-裏-表-表-裏-表-表」
とかならやりなおして、
「表-表-表-表-表-表-表-表-表-表」
の結果が出るまで何度でも試行を繰り返すと言っているのです。
健康食品などの広告には、
「臨床試験で○○の改善効果が確認されました！」
との文字と数字が記載されていることがあります。
その根拠がこういう企業による臨床試験なのかもしれないのです。
2016年と2019年のグルコサミン塩酸塩などの摂取と、
膝関節の症状との関連についての試験なのですが、
ああ、やっぱりね、といったところ。
グルコサミンは軟骨の成分のヒアルロン酸を構成しているのですが、
だからといって、サプリメント程度のわずなか量を
経口摂取したところで、軟骨の成分になるのはごくごく微少でしょう。
以前から、健康食品などが掲げるデータは、
こういうことなんだろうなとは思っていましたが、
まさか、こんなに大々的に、臆面もなしにプレスリリースを公開するとは。
皆様方も、そういう可能性を踏まえつつ、
疑ってかかるべきかと思います。
オルトメディコの「オルト」は、
ギリシャ語で「まっすぐに、正しい、ひずみの無い」の意味らしいのですが。
清原斉「おままごと」
さて、東京都(東京iCDC)の新型コロナウイルスのゲノム解析によりますと、
2月14日から20日の1週間のXBB.1.5系統が5.1％となっていました。
その前週が2.8％でしたので、気になるところです。
韓国では3月第1週のデータで国内感染3.9％、
海外流入が25.8％となっています。
韓国でも割合が増えていて、今後も注目すべきかと思います。
AIでの計算ですが、
大手IT企業の社員の行動データから、
マスクを着けた場合と着けなかった場合の感染の広がりを解析。
「1つのフロアで15分以上の会議や立ち話は一日に209回あり、およそ200人が参加」
「マスクを着けなかった場合、感染者が1人いると
一日で平均3.3人が感染し、最大では17人まで広がる」
「マスクを着けた場合では、感染はおよそ6分の1に抑えられる」
としています。
ワクチンについては、新年度で行政での取り扱いが変わりますので、
注意が必要かもしれません。
国が接種に関する経費に対する補助金に上限を設けたため、
接種券の発行数と接種数の差を小さくしようとする可能性があります。
具体的には、
「接種券を送付するのは努力義務対象者のみ」
にする自治体が出てくるのかもしれません。
コールセンターに対する補助金も接種回数が基準となって、
交付されるようですので、
電話よりも、お住まいの自治体の公式サイトで確認されるのがよろしいかと思います。
接種スケジュールなどにつきましては、
こちらの厚労省のPDFがわかりやすいかと思います。
https://www.mhlw.go.jp/content/001068244.pdf