3月21日、岸田文雄総理大臣がウクライナを訪問しました。
虐殺、子どもの連れ去りなど、
ロシアの非人道的行為が目立つブチャを視察しました。
ブチャではブルーリボンを付けていて、
これは北朝鮮による拉致被害者に連帯する意志を示すものですので、
世界には強いメッセージとなったかと思います。
当初、NNNなどが総理のウクライナ入りを報じていて、
なぜ、今、報じるのか、
総理及び先方の安全のことは考えないのかと大きな問題を露呈しました。
双方が安全な場所に移動してからの報道で充分、
アメリカほどの身辺警護を付けられる国ですら、
最小限の記者からモバイル端末を取り上げていたぐらいのセキュリティなのに、
対外軍事力を持たない日本で、
宰相が戦地入りするという情報を世界にバラ撒く
平和ボケが嘆かわしいです。
後になって、この訪問がウクライナ側からの要請に応えたもので、
事前にロシアにも通告、
警備についてはウクライナが責任を持って行うとしていたことがわかりますが、
それでも、日本のメディアは批判されて然るべきかと思います。
G7の中でトップがウクライナ入りしていないのは日本だけで、
「国会の承認が」だの「国会軽視だ」などの下らない批判など無視して、
(G20外相会議に日本が欠席するなどという馬鹿丸出しも然り)
さっさと行けばよかったのですが、決断が遅れに遅れたことで、
日本の旗幟がより鮮明になったかと思います。
中国の習近平国家主席が、ロシアのプーチン大統領と会談し、
中国がロシアに連帯するメッセージが発せられた直後の訪問でした。
国際社会に向けてのインパクトはかなりのものではないかと思います。
当初、狙ったタイミングかとも思ったのですが、
その可能性はなさそうで、本当にたまたまだったかと思います。
習近平がメッセージを出したタイミングでしたので、
ロシアがこのタイミングで岸田総理を謀殺する可能性はほぼゼロになりました。
(殺害の批判が中国にまで及ぶため)
面白かったのがしゃもじで、これは日本国内からも批判されているのですが、
私は価値のある贈りものだったのではないかと思います。
彼の故郷の広島では
このようなしゃもじが売られていて、
土産屋などで見かけた方も多いかと思います。
しゃもじは飯を取るための道具ですので「召し捕る」として、
日露戦争などで兵士らが厳島神社にしゃもじを奉納したことが由来だとか。
「ロシアに勝つ」というメッセージでした。
すると、「戦争に勝てということか。勝つまで戦えということか」
などとよくわからない批判があるのですが、
ウクライナの国民が全領土の奪還と保全を求めており、
そのための徹底抗戦を覚悟しているわけです。
現状、ロシアは今後もウクライナ東部などを占領し続けるつもりで、
ウクライナ国民の意志を貫徹するためには
「ロシアに勝つ」という結果が必要になります。
もしも、今後、何らかの形で停戦があるとしても、
「ロシアに勝つ」という前提で戦う必要があります。
そうでないと、領土がロシアの思惑に沿った形で切り取られることになるでしょう。
自国の勝利を確信しているウクライナ国民は95%、
ロシアの侵略で大切な人を亡くした人は17%、
3分の1以上が職を失っています。
元在ウクライナ日本国大使館専門調査員で、
ウクルインフォルム通信日本語版を編集しておられる平野高志さんによりますと、
2019年の天皇陛下即位礼正殿の儀で、
ゼレンスキー大統領夫妻が来日した際、
ゼレンシカ夫人が黄色いドレスを着用されていたそうなのですが、
ウクライナでは「黄色は皇室のみが着用できる色」だとして、
批判の声が上がったそうです。
もちろん、そんな決まりごとはなくて、
この批判の声の主は、反政権の勢力だったとか。
平野さんはその時と、今回のしゃもじの類似性を指摘されておられます。
日本の場合、立憲民主党などがその勢力に相当するわけです。
ゼレンスキー大統領自身、このしゃもじが意図するところを理解しているらしく、
ロシアも
核兵器が搭載可能なツポレフ95MS2機を日本海上空で7時間飛ばし、
このように、しゃもじに反発しているわけです。
その意図を理解しようとしないのは、
日本国内の一部の勢力だけなのでしょう。
ロシアの爆撃機が日本海上空を飛び、
その後、岸田総理は黒海上空を通って帰路につきます。
そして、ゼレンスキー大統領はバハムトを訪問しています。
ロシアに対する姿勢がよくわかるかと思います。
しゃもじは、充分に価値がある贈りものだったのではないかと思います。
もしも、ウクライナの領土が一部でもロシアに奪われた状態で、
終戦や停戦になりますと、中国が動き出す可能性があります。
それは極東有事ですが、今、私たちがウクライナに連帯しておかないと、
極東有事に各国、特に欧州諸国は力を貸してくれなくなります。
日本の国益にはウクライナへの連帯が必要なのです。
最後に、あらためてお書きしますが、
これまで散々批判してきたように、
私は岸田政権を支持しておらず、
民主党政権時代以外では最低点の評価でした。
対韓外交はひどいものですが、
しゃもじの話題で触れられない数々の支援も含めて、
このウクライナ訪問は、最大限の評価をしたいと思います。
偶然とはいえ、対中関係にも影響を与えた2023年3月21日は、
歴史に残り続けるのかもしれません。
ラーム・エマニュエル駐日米大使の22日のTwitterから。
— ラーム・エマニュエル駐日米国大使 (@USAmbJapan) March 22, 2023
ロシアの戦争によるウクライナの犠牲者を支援するため、岸田首相は世界銀行を通じて、ウクライナの家庭が暖を取れるよう資金援助を行ってきた。そして昨日は、ウクライナ経済のために4億7000万ドルの追加支援を発表した。中国はグローバル・リーダーシップに対して、異なるアプローチをとっている。習近平は、自国民を殺害するイランの指導者や、兵士がまるで「肉挽き機」で殺されるような前線に国民を送り込むロシアの戦犯、そして民を飢えさせる北朝鮮の指導者を容認している。人々を守る指導者もいれば、政府が自国民を残虐に扱うことに手を貸すものもいる。 あらゆる人々の明るい未来を望む指導者がいる一方で、片や自由の灯を消そうとしているものがいる。
庄田耕峯「宮島の鳥居」
さて、英国では11日間で新型コロナ感染症の患者が
75%弱も増加しています。
オミクロンのXBB.1.9.1というタイプが増えているとのこと。
東京都のXBB.1.5は前週の6.9%から15.8%に増加しています。
SARS-CoV-2が消えたわけではないので、
各自、必要な対策をお願いいたします。