第9波に終わりが見えません。
全国的にはこのように推定されているのですが、
北海道・東北が急増していて、1道6県は既に第8波を超えています。
この第9波の特徴は、ピークアウトしたかのように見える時があるものの、
すぐに上昇傾向に転じること。
感染拡大を防ごうという気持ちが薄れていることが原因でしょう。
既にアメリカの2倍、
英国の9倍、オーストラリアの15倍の人が入院しています。
入院については、アメリカや英国それぞれ別の事情で入院しにくく、
単純に比べることはできませんが、
アメリカの人口は日本の倍近くですので、
やはり、世界的に見ても日本はかなり流行しているのだと思います。
病床を増やすどころか、今後も減るでしょう。
補助金なし、空床補償なしですから、
5月以降、赤字の種となる病床は減る一方なのです。
気になるのはウイルスの変異で、
このウイルスと向き合っていく以上避けられないのですが、
XBB.1.16が主ではあるものの、
ヨーロッパなどで増えているEG.5系統の動向が注目されます。
EG.5はWHOが監視していて、免疫逃避能がさらに高いとされます。
また、BA.2.86も出現し、これもWHOは監視しているものの、
先月末にデンマークとイスラエルで確認されたばかりで、特徴については不明です。
これらはオミクロンの中の系統ですが、
BA.2.86については、オミクロン出現時並みに変異していて、
今後、オミクロンとは違う呼称になるのかもと思います。
XBB.1.16やEG.5であれば、
秋以降に日本でも接種できるXBB.1.5対応1価ワクチンの効果が期待できますが、
BA.2.86が主流になりますと、ある程度の効果はあるでしょうが、
期待薄なんていうことになる可能性もあります。
志村立美「かすり」
マスクの効果の調査についてはこちら。
マサチューセッツ州の幼小中高70校33,000人以上を対象にした調査で、
双方がマスクをしている場合、マスクをしていない場合に比べ、
88%感染者が少なくなっています。
以下も同様の結果に。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2211029
ニューヨークでも感染者が増えていて、
波の入り口だと考えられますが、マスクの着用を推奨しています。
マスク着用を求めている国や地域が多いですが、
感染者が増え続けていても、
気付かないフリを続けて何もしないのが岸田政権なのでした。
続いて、感染者の10%に起きるとされる後遺症ですが、
最も多いのは倦怠感で70%、続いて集中力の低下が60%で、
後遺症患者のうち、16%が長期の欠勤、欠席となり、
3%が復職、復学できていません。
そして、このウイルスの厄介さは、
ほかの疾患とも絡んでくることです。
心筋梗塞、虚血性心疾患などの心血管疾患による死亡率を3倍近くに跳ね上げますし、
小児の1型糖尿病を含む糖尿病のリスクも1.4倍になり、
感染から2年後もそのリスクは残存します。
悪性貧血、関節リウマチなどの自己免疫疾患のリスクも1.1~3倍になります。
感染は循環器系、神経系、免疫系へのダメージになるということでしょう。
また、既感染者も2回目以降に感染するリスクは下がらず、
逆に感染しやすくなるというデータもあります。
再感染における入院リスクは2倍から3倍以上になるとのことです。
あとは現場からの声で、なんらかの風邪様症状があり検査して陰性だった人が
数日後の検査では陽性になるというケースが増えているとか。
これは病院や高齢者施設の職員の検査でも見られ、
特に抗原検査によるすり抜けが多いとされます。
コロナ禍初期から言い続けていることですが、
検査の陰性は感染していないことを意味しないと認識すべきでしょう。
最後に、尾身茂先生が
新型コロナウイルス感染症対策分科会会長を退任されるようです。
これは岸田政権の意向ということですので、
事実上の解任かと思います。
基本的な感染予防の必要性を訴え続ける尾見先生が邪魔だということでしょうか。
先生は殺害予告、無数の誹謗中傷にもさらされ、
それでも冷静に、国民の命を守るべく発信を続けてこられました。
岸田政権になるまで、ほかの国よりも死者数が大幅に少なかったのは、
尾見先生、押谷先生、西浦先生などの誹謗中傷に負けないご尽力のおかげです。
私が彼らほどの知識と経験があったとしても、私には無理です。
尾見先生にはゆっくり休んでいただければと思います。
お疲れ様でした。
そんな中でも、バスの減便など社会的影響は増え続けています。
夏休みで小中学校が休みなのに、拡大し続けた第9波です。
学校再開でどうなるのか。
岸田政権が見て見ぬ振りをしようが、尾見先生を遠ざけようが
このウイルスは社会を脅かし続けるでしょう。